2017年12月7日 第49号

 カナダ統計局は11月29日、2016年に実施された国勢調査の教育、労働、通勤時間に関する調査結果を発表した。

 それによると、25歳から64歳までのカレッジ・大学卒業者数が2006年の48・3パーセントから54パーセントに上昇、先進国では最も高い数字となったことが分かった。特に若い女性(25歳から34歳まで)が急増。10年間で8パーセント上昇し40・7パーセントとなった。また、学士以上を取得している25歳から65歳までの移民者は約40パーセント。一方、カナダ生まれのカナダ人では25パーセント弱と移民者の学士取得者が多いことも明らかになった。

 職種についての調査では、女性が就いている職種で多いのは、小売店販売員、看護師、精神科専門看護師、レジ係、男性ではトラック運転手、小売店販売員、小売・卸売業マネージャーだった。管理職の男女比では、男性62・2パーセントで、女性37・8パーセントと男性が圧倒。女性管理職の割合は2006年比で1・3パーセントの微増にとどまっている。

 通勤時間については公共交通機関を利用する人が増え、また全国的に通勤にかかる時間が長くなっている傾向が明らかになった。

 公共交通機関を使って通勤する人の数は20年前と比較して59・6パーセント上昇。過去最高となった。しかしカナダの総人口に占める割合では12・4パーセントで、20年前の10・1パーセントからやや上昇した。利用者の増加率が大きかったのは都市部のオンタリオ州トロント、ケベック州モントリオール、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー。ガソリン価格や料金など、さまざまな要因が考えられると分析している。また自転車通勤は20年前に比べて61・6パーセント上昇している。

 しかし、全国的には相変わらず自動車通勤が最も多く、20年前の80・7パーセントからはやや減少したものの79・5パーセント。ただカナダ3大都市では70パーセントを切った。それでも人口増加に伴い自動車通勤する人の数は増加して約280万人。

 自動車による通勤時間は全国平均で26・2分。トロントが最も長く34分、モントリオールは30分だった。公共交通機関による通勤時間の全国平均は44・8分となっている。

 

 

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