2018年5月31日 第22号

 原油価格が3ドルも下がった25日、カナダドルも0・7セント下げ、77・7米セントまで下落した。5月8日以来の安値で、下げ幅としては4月20日以来の大きな下げ幅となった。

 原油価格が下がった要因は、サウジアラビアとロシアが石油供給量増加の方向で話し合ったとの報告があったためで、オイル産業がカナダの主要産業の一つのため影響が出たとみられている。

 ただ専門家は、原油価格だけが要因ではなく、現在、アメリカ、メキシコと進めている北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しについての話し合いの進展や、アメリカのカナダに対する鉄鋼輸入関税の見直しや自動車関税の実施の可能性など、さまざまな要因がカナダドルの立場を不安定にしていると説明している。

 

 

2018年5月31日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーの公共交通機関を管轄するトランスリンク社は25日、バンクーバー市ダウンタウンにあるスカイトレインのグランビルステーションをエスカレーター工事のため閉鎖すると発表した。閉鎖は6月2日(土)から実施される。

 同ステーションにあるエスカレーターは、1986年に設置されてからすでに32年が経ち、老朽化が目立つため改装が必要とトランスリンク社は理由を説明している。

 改装にかかる期間は約2年とされ、その間、シーモア・ストリート側の入り口も閉鎖される。

 ここのエスカレーターはバンクーバーで最も長いエスカレーターとして知られ、高さは約14メートルあるという。利用者数も一日平均約3万人と多く、今回の改装工事で多くの人の足に影響が出そうだ。

 トランスリンク社は、グランビルステーションから近いバラードステーションやスタジアム-チャイナタウン・ステーションを利用するよう呼びかけている。

 また閉鎖が始まる6月2日にはグランビルステーションにスタッフを増員し、利用者に告知するとしている。

 

 

2018年5月31日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市が連邦裁判所に、オイル漏れを起こした船舶の所有者に対して賠償請求をしたことが分かった。27日にバンクーバー市グレゴール・ロバートソン市長が記者会見で明らかにした。訴えたのは今年4月6日。

 ロバートソン市長によると、2015年にバンクーバー市ダウンタウンの西側にあるイングリッシュ・ベイで、キプロス船籍のMVマラサッサ号が起こした2700リットルのバンカー重油漏れ事故の清掃作業のために、バンクーバー市が約55万ドルを負担したという。

 その後、バンクーバー市として連邦政府の船舶によるオイル・ポリューション・ファンドに申請したが、費用の27パーセントしか補償を約束できないと返事が来たと説明。市長は、カナダの海岸で起こった事故のために市が負担してすでに3年が経っているにもかかわらず、国のこうした対応は「到底受け入れられない」と連邦政府の対応を批判した。

 これがオイルサンドだったらその影響は計り知れない。キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプラインが拡張されれば、タンカー数は大幅に増加、その影響の本当の意味をまだ連邦政府は理解していないと語り、パイプライン建設への懸念は増すばかりだと主張した。

 今回の賠償請求は被害を出した船舶の所有者を直接訴え、費用負担分を取り戻したいとの考えがあるとみられているが、もう一つの目的としてオイル漏れ事故の危険性を、このタイミングで周知させる意図も記者会見の中で垣間見られた。

 

 

2018年5月31日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州メトロバンクーバーのバスやスカイトレインで6月から予定されていた、アメリカの人気俳優モーガン・フリーマン氏のアナウンスの実施を保留することが分かった。メトロバンクーバーの公共交通機関を管轄するトランスリンク社が24日に発表した。

 理由は同日にアメリカのニュース局CNNがフリーマン氏のセクハラ疑惑を伝えたため。トランスリンクは「今朝のニュースで、俳優モーガン・フリーマン氏に対する疑惑を知り、トランスリンクはVISA広告キャンペーンの一部であるフリーマン氏の声による公共交通機関でのアナウンスについて実施を保留することを決定した」という声明を発表した。

 6月から実施予定だったフリーマン氏による公共交通機関でのアナウンスは、今月22日から可能になったクレジットカードやモバイルアプリでのタップによる支払いを周知するために、メトロバンクーバーを走るバスやスカイトレインの一部でクレジットカード利用を伝えたり、公共交通機関利用時のマナーを促したりするものだった。

 フリーマン氏は長年VISAカードの広告でナレーションなどを担当。今回はVISAカードがトランスリンクに協力することでフリーマン氏のアナウンスが実現したため、トランスリンクは、今後はVISAカードが最終判断を下すとしている。

 今回フリーマン氏のアナウンスが保留になったことで、ネットでは他のハリウッド有名俳優によるアナウンスの可能性を探っている。現在、ネットで名前が挙がっているのは、バンクーバー出身俳優のセス・ローガン氏やライアン・レイノルズ氏。ローガン氏は、まんざらでもない反応をしていると一部のメディアでは伝えている。

 

 

2018年5月31日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで、日本在来種のコガネムシ、マメコガネが発見された。アメリカには戦前からすでに移入していることが確認されており、『ジャパニーズ・ビートル』と呼ばれている。また、カナダでも東部ではその存在が確認されていたが、バンクーバーでは昨年7月に初めて確認された。

 マメコガネは、幼虫は根を、成虫は様々な農作物の花や葉を食い荒らすことで知られている害虫。天敵がほとんどいない北米では爆発的に増え、その被害がたびたび話題になっていた。

 今回発見されたのは、バンクーバーの中心フォールス・クリークのほか、チャイナタウンやマウント・プリーザント地区。カナダ食品検査局は、これらの地区から植物や土を持ち出さないよう指導している。また市役所では、これらの地区の9つの公園を含む公共緑地に駆除対策を行うとしている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。