2018年5月31日 第22号
ケベック州モントリオールで今月初め、男がマンションの屋上でナチス・ドイツの鉤十字の旗を振りかざしたが、罪に問われることはなかった。
このマンションが立つ同市ハチソン通りではこの日、メーデーに合わせたデモ行進が行われていた。旗をかざす男の画像が、同地域のコミュニティグループのフェイスブック上に掲載されたのち、警察が捜査を開始した。しかし旗をかざすだけで、他人を扇動したり挑発したりしないのであれば、それを罰するような法律は存在しないとして、罪を問わないこととした。
この決定に対し、カナダ・アンチ・ヘイト・ネットワークの代表バーニー・ファーバーさんは、この男は旗を掲げることで、デモ団体に挑発行為を行っていたと指摘する。その上で、他州では様々なヘイト容疑が告発されてきているが、モントリオールではそのような例がないと語っている。
カナダにはナチス・ドイツの旗を所持したり掲げたりすることを禁止する法律はない。しかしヘイト行為に関する法律では、これが扇動やヘイト行為に用いられた場合には警察の介入を認めている。