2018年5月31日 第22号
4月6日に、サスカチワン州フンボルトのジュニアホッケーチーム、ブロンコスの選手らを乗せたバスがセミトレーラートラックと衝突、16人が死亡、13人が大けがを負った事故はまだ記憶に新しい。その犠牲者に敬意を表するため、オンタリオ州北西部の人口5千人あまりの町スー・ルックアウトの青年が、1200キロ離れたフンボルトを徒歩で訪れた。
この青年ランス・カーディナルさん(24歳)自身も、かつてはジュニアホッケー選手だった。
2013年に兄と親友を失っているカーディナルさんにとって、今回の事故は自身にも強く迫るものがあったと、取材に語っている。またフンボルトがいかに遠くても、それは問題ではなく、歩いている最中も途中でやめたくなるような気分には、一瞬たりともならなかったと語っている。
さらに日を追うごとに、自分が精神的、身体的、また感情的にも強くなっていくのが感じられ、2013年の悲しみに改めて向き合うことができたと言い、この強さをフンボルトの人と分かち合いたいと話していた。
スー・ルックアウトを出発してから48日目、フンボルトの町に入ったカーディナルさんを出迎えたのは、ブロンコスの選手の家族をはじめ何百人という町の人々。カーディナルさんとともに、セレモニーが行われたホッケーアリーナまで町の中を行進した。
カーディナルさんはフンボルトで3日ほど過ごし、地元の人とボールホッケーなどをして交流を深めた後、今度は車で自宅のあるスー・ルックアウトを目指した。