2018年5月31日 第22号

 ノバスコシア州の人里離れた湖で、釣りをしている最中に大腿骨を骨折した80歳の男性が、同じ場所にたまたま釣りに来ていた73歳の男性に救助された。

 チャールズ・ジャクソンさんが15日に釣りをしていたのは、ハリファックス市から北東に150キロメートルほど離れたゲイロック湖。同じ湖のほとりの木々の反対側には、漁師のポール・ハートさん(73歳)が、やはり釣り糸を垂らしていた。

 大した釣果がないため、一足先に引き上げようと釣り道具をしまい、バンに乗り込んだハートさんだったが、湖面にもう一人の釣り人の浮きが浮いていないことに気がつき、違和感を覚えた。車のエンジンを切り、再び湖岸に戻ったハートさんが見つけたのは、急な土手を転がり落ちて骨折、その痛みで呻いていたジャクソンさんの姿だった。

 二人とも携帯電話は持っていたものの、圏外だったためハートさんが最寄りのコテージまで車を走らせ助けを求めた。連絡を受けた救急隊が、ジャクソンさんをニュー・グラスゴーのアバディーン病院に搬送。診察の結果、ジャクソンさんの大腿骨は上部で3つに折れていたことがわかった。

 彼が滑り落ちた土手の下は、湖のほとりを走る道路からは全く見えないため、もしハートさんが「何かがおかしい」という直感に従わなかったら、ジャクソンさんは助からなかったかもしれない。

 昨年8月に愛妻を亡くしたジャクソンさん、ハートさんに「直感」を送ったのは、彼女に違いないと信じている。病室でジャクソンさんは娘に向かって、妻が自分のことを見ていて、ハートさんをよこしたのだ、さもなければ自分はここにはいなかっただろうと話していたという。

 一方ハートさんは、自分はあたりまえのことをしただけだと語り、自分も73歳であり、同じようなことが自分に起こっても不思議ではなく、賞賛されるようなことではないと謙遜している。

 ハートさんは折を見て、入院中のジャクソンさんを見舞いにいく予定だ。

 

 

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