2018年5月24日 第21号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市議会は16日、カナダ初となるプラスチック製ストローと発泡スチロール容器の使用を禁止する条例を、来年6月より施行することを決定した。こうした使い捨て製品の削減政策は、同市が2040年までに目指す、ゴミゼロ都市計画(Zero Waste 2040 Strategy)の一環となる。

 グレゴール・ロバートソン市長は、世界中の都市がプラスチック製品の環境へ及ぼす影響を認識し、その対策を行い始めていることに触れ、今回の決定はバンクーバーを世界一グリーンな都市に向かわせる大きな一歩になったとコメントしている。

 しかしこの決定に対してバブルティーを販売する飲食店から、ストロー禁止に異議を唱える声が上がっている。中にはパール・フレーバー・ティー・ハウスのプロジェクトマネージャー、ケーティ・ファンさんのように、同様の意見を表明している20人以上の様々な団体の代表を伴って、市議会の場でストロー禁止に反対する意見を述べる人物も現れた。またストロー禁止は、障害者の生活に影響を与えるとも指摘していた。

 市はこれから、事業者やコミュニティ関係者、障害者団体などと意見交換を行い、ストロー禁止条例をどのように実施していくかの答申を今年末までに報告することになっている。

 

 

2018年5月24日 第21号

 『Laurel』と『Yanny』、つづり上は全く別の単語だが、あるコンピューターの合成音声が、そのどちらにも聞こえるという話題が、インターネット上で盛り上がっている。

 この話題が電子掲示板のレディット上に初めて現れたのは、14日のことだった。その後ソーシャルメディアのインフルエンサー、クロエ・フェルドマンさんが取り上げたことからインスタグラムやツイッターといった、別のSNSにも広がった。

 さらには、カナダのテレビドラマ『トレーラーパークボーイズ』にバブルス役で出演していた俳優のマイク・スミスさんも、この不思議な現象の解析に取り組んでいる。

 ネット上には、人が音声を聞くとき、その元となっている様々な周波数の処理の仕方の違いによるものだとか、再生しているスピーカーなどの機器の特性によるものだとか、様々な説が飛び交っている。

 ネット上に現れるキーワードの人気度をはかるツールによると、『Laurel』と聞こえる人の数が上まわっている。またカナダに限ってみても、同じ傾向だという。

 

 

2018年5月17日 第20号

 連邦新民主党(NDP)クリスティン・ムーア議員は14日に記者会見を開き、自身にかけられたセクハラ疑惑について説明した。

 今月8日に明らかになった、退役軍人のグレン・カークランドさんが告白したムーア議員によるセクハラ行為について、カークランドさんとは合意の上の関係だったと説明した。

 現在はマニトバ州ブランドンで不動産業を営んでいるカークランドさんは、2013年に国会の諮問委員会で負傷した退役軍人として意見を述べるためにオタワを訪問。諮問委員会に参加した後、ムーア議員の事務所に誘われたのが最初で、その後も宿泊先や自宅まで押しかけてきたと語っている。

 これに対しムーア議員は、自身の事務所にはカークランドさんだけではなく、他の出席者も一緒だったと語り、カークランドさんの語った内容が事実と違うと訴えている。また、カナディアン・プレスとのインタビューでは、カークランドさんと4カ月間交際していた時期があることを明かしている。

 NDPジャグミード・シング党首は先週、カークランドさんの告白を受け、ムーア議員の党内での全ての役職を一時的に停止した。さらにこの日声明を発表し、両者の言い分が食い違っているため独立した第三者機関による調査が必要との認識を示し、すでに調査に向けて調整していることを明らかにした。

 ムーア議員のセクハラ疑惑は、同党のエリン・ウィア議員をセクハラ疑惑で除名処分してから約1週間後に告白されている。ウィア議員は疑惑を否定、現在無所属で議員を続けている。このウィア議員のセクハラ疑惑を明らかにしたのがムーア議員だったことから、この二つの疑惑は関係があるのではとの推測があったが、シング党首は、その可能性を否定している。

 

2018年5月17日 第20号

 来月行われるオンタリオ州議会議員選挙が公式に選挙戦に突入した。現在、約16年間続いている自由党政権への不満から、支持率では保守党がトップを走っているが、ここにきて新民主党(NDP)が躍進していることが最近の世論調査で明らかになった。

 メインストリート・リサーチ社が12日に発表した世論調査では、すでに投票先を決めている人の28・4パーセントがNDPに投票すると答えたと報告。これは進歩保守党の42・3パーセントに次ぐ支持率で、自由党の22・1パーセントを上回った。

 これまでの世論調査では、進歩保守党は常にトップだったが、自由党が2番手につけていた。しかし最近になってNDPが大きく躍進している。

 その理由についてメインストリート・リサーチの代表は、進歩保守党に投票したくない有権者が自由党ではなくNDPを選んでいるのではないかと分析している。

 これまでも自由党キャサリーン・ウィン党首の不人気が自由党の支持率を下げているという指摘があったが、その対抗馬として進歩保守党が過半数近い支持率を獲得していた。しかし3月の党首選でダグ・フォード新党首が就任して以来、進歩保守党の支持率も下がり始めている。その受け皿としてNDPが躍進しているのではないかと分析している。

 メインストリート・リサーチは、4月30日に実施した前回調査と比較し、自由党が6・1パーセント、進歩保守党が2・6パーセント支持率を下げたのに対し、NDPは7・1パーセント上昇したと報告している。

 これを受けて12日、NDPアンドレア・ホーワス党首は、仮に進歩保守党が選挙で少数派政権となった場合、自由党と連立を組む意思があるかと記者団に問われ、選挙が終わってみなければ分からないと答えていた。しかし14日には、「連立には全く関心がない」と語り、明確に連立を否定した。

 選挙は6月7日に実施される。

 

2018年5月17日 第20号

 連邦新民主党(NDP)ケネディ・ステュワート議員が14日、BC州最高裁判所に出頭し、自身の有罪を認めた。

 ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー・サウス選挙区選出のステュワート議員は、キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプライン拡張工事に反対して3月23日にバーナビー市の工事現場でデモを実施し逮捕された。

 バーナビー市にあるトランスマウンテン・パイプライン拡張工事現場では、大きな衝突はないものの反対派によるデモが継続的に行われており、連邦グリーン党エリザベス・メイ党首と一緒にステュワート議員が3月23日、デモに参加。この工事現場では、BC州最高裁判所が5メートル以内に近づかないよう裁判所命令を出している。この裁判所命令に反したとして2人とも逮捕された。その様子はメディアでも報道され、2人とも逮捕されることを覚悟でデモに参加したと語っていた。

 逮捕された当時は、民事上の責任が問われるとされていたが、5月14日に裁判所侮辱罪が適用されることになった。しかし刑法違反ではないため、前科はつかない。

 ステュワート議員には500ドルの罰金が科せられた。この日裁判所に出頭したステュワート議員は、裁判所の前で「全ての行為について自分が全責任を持つ」と語り、それでもパイプライン建設には反対し続けることを明言した。

 ステュワート議員はすでに今年実施されるバンクーバー市長選に出馬することを今月5日に表明している。今回の侮辱罪は刑法違反ではないため、選挙への出馬には影響しないとみられている。

 同じ罪に問われているメイ党首は今月28日に出頭する予定になっている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。