2018年5月17日 第20号

 カナダ統計局は11日、4月の労働状況を報告。専門家の予想に反して、失業者数が1100人増加した。ただ失業率は5・8パーセントと変化がなかった。

 今回の報告書で注目されたのは時給の上昇率で、4月の時給上昇率は前年同月比で3・6パーセントも上昇したことが分かった。主な要因の一つに1月にオンタリオ州が最低時給を引き上げたことによる影響があるとしている。ただオンタリオ州の最低時給引き上げが仮になくても、全体的に時給が引き上げられているとも報告している。

 これにより、インフレが加速する可能性があり、カナダ銀行による金利の引き上げにつながるのではとの見方もある。

 労働市場では失業者数がやや増えたが、内容的には、フルタイムが2万8800人増加し、パートタイムが3万人減少と明るい兆しも見えている。さらに、公的機関での失業が1万3600人だったのに対し、民間では2万8千人就業者数が増加している。

 産業別では製造業、建設業で大きく減少、専門職やテクノロジー関連や宿泊・フード関連で増加している。

 地域別では、ブリティッシュ・コロンビア州が最も失業率が低く5・0パーセント、次いでケベック州5・4パーセント、オンタリオ州5・6パーセントになっている。都市別でも、バンクーバーで4・1パーセント、ビクトリアで4・2パーセント、アボッツフォードで4・4パーセントとBC州で好調で、ケベック州ではケベックシティの3・7パーセント以外では、モントリオールが6・1パーセント、オンタリオ州トロントで5・9パーセント、アルバータ州カルガリーで8・0パーセントとなっている。

 

2018年5月17日 第20号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にあるラーメン店「麺屋」が5月末で閉店することが分かった。デイリー・ハイブ・バンクーバーが11日伝えた。

 福岡の長浜ラーメンを提供する同店は、バンクーバー市のブロードウェイとキャンビー・ストリートの角にあり、バンクーバーで現在のようなラーメンブームが起きる前の比較的早くからバンクーバーで日本のラーメンを市民に提供してきた。

 今回の閉店の理由についてデイリーハイブは、店のスタッフの話として、オーナーとシェフが引退を決めたためと伝えている。

 

2018年5月17日 第20号

 ブリティッシュ・コロンビア州教育省が行った検査で、多くの学校などで水道水から基準値を超える鉛が検出された。

 この検査は2016年から2018年にかけて行われてきたもので、今年は500の学校など教育施設から検査結果が報告された。その結果、全体の約25パーセントにあたる120を超える施設で、カナダの基準値である飲料水1リットル中の鉛含有量0・01ミリグラムを上回っていることが明かになった。中には基準値の100倍を上回るところも8件あった。

 BC州で教育施設での鉛汚染の検査が始まったのは、2016年秋からだった。1990年以前に建てられた施設や、以前に鉛汚染の結果が出た施設に対し、3年毎の検査が義務付けられ、これまでのところ、BC州全体の約3分の2に当たる教育施設で検査が実施されてきた。

 同州教員連盟は、鉛汚染は看過できない問題だと指摘している。世界保健機関(WHO)や米国小児学会によれば、鉛汚染には安全と呼べる許容値はないとされる。たとえごく微量であっても、鉛は子供の脳の発育に悪影響を及ぼし、知的障害や注意欠陥・多動性障害(ADHD)を引き起こす。

 また鉛は大人に対しても様々な悪影響を及ぼす。BC州サイモンフレーザー大学で鉛などの毒物が人体に与える影響を研究しているブルース・ランフィアーさんによると、妊婦が重金属の影響を受けた場合、早産になる可能性が高まるほか、新生児の体重が通常より軽いことがあるという。そのほか心臓疾患や肝臓障害などの危険性を高めると、ランフィアーさんは説明している。

 しかし専門家は、カナダの基準は健康被害を防ぐには緩すぎると指摘している。そのため、基準値を現在の半分にする提案が政府によって検討されている。しかしメディアが情報公開法に基づき入手した、これまでの学校での検査結果によれば、この基準を適用した場合40パーセント以上の学校の飲料水が検査には適合しなくなるという。

 いずれにせよ、検査結果が得られたことは歓迎すべきことだと、同州のロブ・フレミング教育大臣はコメントしている。検査結果に基づき州政府は、鉛がとけ出す古い水道管の取り替えや浄化システム導入のための補助を行っている。昨年12月には6つの学校に鉛汚染対策として75万ドルを拠出したほか、州全体でこの問題に取り組むため650万ドルを投資することにしている。

 

2018年5月17日 第20号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドの町アルダーグローブの駐車場で、車から降りた女性が大型犬に襲われ、足に大けがを負った。傷口を塞ぐために85針の皮膚用ステープラーと、2針の縫合が必要だった。

 事故が起きたのは8日夕方のことで、同州ミッションに住むシェルビー・カーナガン・マクニールさん(45歳)は商店街の駐車場で車から降りた直後、淡黄褐色のマスチフ種とみられる大型犬に突然右足をかまれた。なんとか犬を引き離したものの、地面にうずくまったマクニールさんを大型犬はさらに襲った。

 足や臀部を噛まれ続けたマクニールさんはその時の犬の様子をフェイスブックに「まるで自分をぬいぐるみの人形のように振り回した」と書き込んでいる。また彼女は襲われている最中、誰かの特徴的な口笛が鳴るのを聞き、それと同時に犬が攻撃を止め走り去ったと語っている。

 近くにいた人が差し出してくれたベルトで止血の応急処置をしたマクニールさんは、アボッツフォード総合病院に駆け込んだが、緊急室(ER)の待ちが1時間以上だったため、ミッション病院に向かった。そこで傷口をふさぐ大掛かりな縫合処置を行った後、2週間の点滴静脈注射のため、引き続き入院することとなった。

 通報を受けて事件後現場に到着した警察は、犬やそのオーナーの手掛かりとなる情報を得ることはできなかった。マクニールさんの家族は市民に対し、同じような事件が繰り返される恐れがあると警告しているほか、犬のオーナーが名乗り出ることを願っている。

 

2018年5月17日 第20号

 1970年代から80年代にかけ、映画『スーパーマン』シリーズで、ヒロインのロイス・レーン役を演じたマーゴット・キダーさんが13日、亡くなった。享年69歳。

 キダーさんは1948年10月、カナダ北西準州イエローナイフで生まれた。その後ニューファンドランド・ラブラドール州ラブラドールで何年かを過ごしたりした後、オンタリオ州トロントのハバーガル・カレッジを1966年に卒業した。父親の仕事の関係で田舎暮らしをしていたキダーさんが、初めてショービジネスの一端を垣間見たのは12歳の時、母親に連れられて行ったニューヨークで観たミュージカル『バイバイ・バーディ』だった。

 大学卒業後、女優の道を進み1978年に『スーパーマン』のヒロイン役に抜擢された。また双極性障害であることを明らかにした後、メンタルヘルス問題について発言するようになった。さらに近年は政治的活動も精力的に行い、トランスカナダ社のキーストーン・XL・パイプラインに対するホワイトハウス前での抗議デモに参加、環境活動家らとともに逮捕されたこともあった。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。