2020年2月27日 第9号

 ブリティッシュ・コロンビア州政府は18日、アメリカのオンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信事業会社ネットフリックスに州税を導入すると明らかにした。

 オンラインストリーミング会社の先駆けでカナダでも最も人気があるネットフリックスだけに利用者には気になるニュース。

 州政府は予算案の中で、ソフトウェア及び通信サービスを提供し収入が1万ドルを超える企業に州税を課すと明記している。

 BC州財務省は、多くの人がオンラインで商品やサービスを購入する時代に突入しているが、法律が追いついていかないとし、デジタル社会へ対応した税制度が必要と説明している。

 アメリカの大手オンライン会社でカナダに事務所を置くアップルやアマゾンには、州税がすでに課されているという。

 外国のオンラインストリーミング会社への課税や規制については、カナダ国内企業からも対策を求める声が上がっている。

 俗に「ネットフリックス税」と言われるストリーミングサービス会社への課税について、国内ではすでにサスカチワン州やケベック州が導入している。

 専門家によると、映像だけではなく音楽ストリーミングも対象になるということで、利用者にどのような影響が出るか注目される。

 ネットフリックスは2018年にはカナダでの収入が8億3500万ドルだったと報告されている。

 

2020年2月27日 第9号

 国際疫学会が発行する機関誌に乳製品、大豆製品と乳がんの関係についての研究結果が25日に発表された。

 研究結果によると、乳製品の摂取が女性の乳がん発症に関係していることを強く裏付ける証拠が示されたという。

 1日コップ半分、もしくは3分の1で乳がんを発症する危険性が最大で30パーセント増加、コップ1杯だと50パーセント、2杯から3杯で70パーセントから80パーセントまで増加すると発表している。一方で豆乳と乳がんとの間には明確な関係性はみられなかったと報告している。

 調査は、乳製品と大豆製品の摂取を比較する研究の一環として実施され、毎日牛乳を飲むという5万3千人の北米に在住する女性を対象に、約8年間にわたり実施。被験者の家系における乳がん発症者や、運動量、アルコール摂取量、服用薬物、出産、婦人病などを考慮しているという。結果、1057人が乳がんを発表したと報告している。

 牛乳と乳がんとの関係がある理由については、乳牛の75パーセントが妊娠しているということから、性ホルモンとの関係があるのではないかと推測されると報告。研究者は牛乳には栄養面で有益な効果があることから、今後も更なる研究が必要と語っている。

 更新されたカナダの食品ガイドラインでは、乳製品の必要摂取量を減少している。

 

2020年2月27日 第9号

 ブリティッシュ・コロンビア州政府は18日、来年度の予算案を発表した。2021年には選挙を迎えるBC州だが、大盤振る舞いな予算案ではなく、州民が直面している問題を解決するための予算を継続したとキャロル・ジェームズ財務相が総括した。

 BC州経済は成長しているが緩やかと表現したジェームズ財務相は、2020年度は2億300万ドルの黒字と予測。新課税の導入や高額所得者への増税で歳入を増やす。一方で子どもを持つ世帯や学生への支援、環境問題、先住民族との和解策などに予算を費やしている。

 歳入では、年間22万ドル以上の所得がある高額所得者を対象に、個人所得税を16・8パーセントから20・5パーセントへ引き上げる。今年度の対象範囲内高額所得者の所得税による歳入は、5400万ドルと試算されているが、来年度は2億1600万ドルになると予測されている。ジェームズ財務相は、州内の高額所得者のトップ1パーセントの人々に少し余分に税金を払ってもらって、BC州の家庭やコミュニティがより良いサービスを受けられるようにサポートしてもらうと語った。

 さらに甘味炭酸飲料に州税を導入することも明らかにした。調査によると、14歳から18歳が最も甘味炭酸飲料を消費しているとジェームズ財務相。医療従事者やユース問題の専門家などからは、長い間導入を切望されていたと説明した。財務省によると、過去7年間にわたって導入を要望されていたという。子どもの肥満問題を訴える専門家の中には、州税導入程度で10代の炭酸飲料消費量が減少するかは疑問との声も上がっているが、第1歩としては評価するとして概ね前向きに捉えられている。

 導入は今年7月1日から。州税7パーセントが甘味炭酸飲料に加算される。小売店での販売のほか、自動販売機、ファーストフード店でのポップ・ファウンテン(炭酸飲料を自分でコップに注ぐ機械)も対象となる。これにより、7月の導入からでも2020年度には2700万ドルの歳入が見込まれている。

 現在BC州新民主党政権が大改革を実行しているBC州自動車保険会社ICBCは、今年度は9100万ドルの赤字となるが、来年度は8600万ドルの黒字を見込んでいる。

 そのほか、加熱式タバコ製品にも29・5パーセントが課税される。導入は4月から。

 支出では、住宅問題を解決するための予算は大きくは盛り込まれず、政権交代時に約束した賃貸住宅者への400ドルの支援は今回も盛り込まれなかった。

 一昨年にBC州各地で発生した山火事や洪水などに考慮して、今年も自然災害への緊急対策費として6500万ドルが盛り込まれた。

 環境対策では、温室効果ガス排出量ゼロ車購入時の支援として2千万ドル、自宅や職場に充電ステーションを建設するための支援として500万ドルが充てられている。

 

2020年2月27日 第9号

 横浜に停泊しているクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスのカナダ人乗客が、21日未明に政府が用意したチャーター機でオンタリオ州トレントンに到着した。新型コロナウイルスに感染していないことが確認された129人が帰国。すでに船内で15日間を過ごしているが、オンタリオ州コーンウォールにあるNAVセンターでさらに14日間隔離される。

 帰国した人々はメディアの取材に応じ、客船よりも部屋は狭いがカナダに帰国できただけで安心しているとの安堵した様子を見せていた。横浜のクルーズ船内では感染者が続出している。

 下船する前の検査で陽性反応が出た場合はカナダに帰国せず、日本で隔離され治療を受けている。

 連邦政府パティ・ハイデュ保健相は21日、クルーズ船内での日本政府の対応について適切だったか疑問が残ると記者団に語ったが、同時に3千人以上を乗せたクルーズ船が停泊し厳しい対応が迫られた状況に、同情も示した。カナダでもすぐにクルーズシーズンが始まるため、今回の日本の対応を調査しカナダで生かしていく必要があるとも語った。

 オンタリオ州トレントンに隔離されていた、中国湖北省武漢から今月7日にチャーター機第一便とアメリカのチャーター機で帰国した213人が21日、14日間の隔離期間を終了。検査では一人の感染者も確認されず、全員が晴れて自由の身となった。

 

2020年2月27日 第9号

 ブリティッシュ・コロンビア州保健省は20日と24日に、新たに1人ずつの新型コロナウイルス(COVIDー19)感染を確認したと発表した。これでBC州内では7人の感染が確認されたことになった。

 20日にBC州保健省が発表した州内6人目の感染者は30代女性で、中国への渡航歴はなく最近イランから帰国したという。

 24日に感染が確認されたのはフレーザーヘルス区域内の40代男性。20日に発表された感染が確認された30代女性と接触していたことが分かっていると発表した。

 30代女性は、今月14日にケベック州モントリオール発バンクーバー着のエアカナダに搭乗していることも23日に明らかになった。BC州保健省は、女性が搭乗した便で近くに座っていた乗客に連絡を取っていると説明。対象となっている便で女性の座席付近を担当していた乗員にも連絡をつけ対応しているとも説明した。

 BC州衛生保健局長ボニー・ヘンリー博士は、中国への渡航歴がない30代女性がイランから帰国して発症していることに注目し、国際機関と連携して女性の感染経緯を調査すると語った。イランでは最近感染が確認された例が急増している。

 先週、今週と立て続けにBC州で感染が確認されたが、24日の記者会見に同席したBC州政府エイドリアン・ディクス保健相は、州内での新型コロナウイルス感染拡大の可能性は依然として低いと強調した。

 感染防止策として最も有効な方法はインフルエンザの対処と同じとディクス保健相。さらに、風邪を引いたりして体調が悪い場合は会社や学校を休んで自宅で休養するよう呼びかけた。

 さらに24日、オンタリオ州保健省がトロントでも新たに1人に陽性反応が出たと発表した。感染したのは21日に中国から帰国した成人女性で、ノースヨーク・ジェネラル病院で受診し、検査の結果、陽性と判明した。検体はカナダマイクロバイオロジー研究所に送ったと説明した。

 同保健省によると、女性は飛行機の中でもマスクを着用し、受診した病院では女性を隔離するなど基本的な対応を行ったという。女性の経過はよく、現在は自宅で経過観察になっていると発表した。機内を含め、女性が接触したと思われる対象者にはすでに連絡を取っているとも説明した。

 オンタリオ州保健省、トロント市長ともに、同州内、トロント市内での感染拡大の可能性は低いとの見解を示した。

 これでオンタリオ州では4人目。これまでに感染が確認された3人は2回の検査ですでに陰性が確認され快方に向かっているとも報告した。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。