2018年6月7日 第23号

 ユーコン準州西部クルーエイン国立公園保護区にある、カナダ最高峰ローガン山(5959メートル)に先週、ケベック州モントリオールの女性が単独初登頂に成功した。

 モニーク・リチャードさん(43歳)がローガン山を登り始めたのは、先月中旬のこと。巨大な山麓を持つ単独峰のローガン山は、厳しい気象条件でも有名。彼女も途中で悪天候に遭遇、強風と零下40度という極限の状況で1週間、天候の回復を待ち続けたこともあった。

 しかしリチャードさんが命の危険すら感じた出来事は、中腹に差し掛かったころ雪の割れ目(クレバス)に落ちたことだった。クレバスに落ちる前、安全のため登山用スキーを脱いでいたリチャードさんだったが、突然足元がなくなる感じがしたという。クレバス自身は深さ50メートル以上はあったと思われるが、とっさに割れ目の壁をつかみ、1メートルほど落ちたところで体を保持することができた。なんとかスキーを割れ目に渡し、それを利用して壁をよじ登った。「脱出にかかった時間は多分10分程度だったが、まるで永遠に続くように感じた」と、彼女はメディアの取材に答えていた。

 昨年は同僚と、この山に挑戦したものの、登頂を断念したリチャードさん。今年はさらに準備を入念に行い「精神的にも身体的にも十分準備でき、モチベーションも高かった」と語っている。カナダ公園管理局によると、1800年代まで記録を遡っても、女性が単独登頂に成功した例は見つからなかったという。昨年はアルゼンチンの女性登山家が単独登頂を目指していたが、地震による雪崩で標高約3900メートルのキャンプから動けなくなり、ヘリコプターに救助されている。

 今までにも登山ガイドや登山仲間とともに、エベレスト山を含め世界7大陸の最高峰全てを制覇しているリチャードさん。今回は非常に厳しい登頂となり下山後はすっかり憔悴しきったものの、目標を達成でき満足していると語っていた。

 リチャードさんの職業は、カナダ郵便局の配達員。普段はモントリオールの中でも坂が多い地区を徒歩で配達をしている彼女は、今回の体験を本にまとめ、人生の中でいろいろなことに挑戦する素晴らしさを伝えたいと話している。

 

 

2018年6月7日 第23号

 この夏、ブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバーにあるゴールデンイヤーズ州立公園に、無料送迎バスが運行される。

 バンクーバーに本社を置くバス会社、エンバイロメンタル・サウンド・トランスポーテーションが運行するこのバスは、昨年夏に試験運行が実施されたが、今年はアウトドアスポーツ用品店のマウンテン・エクイップメント・コープ(MEC)とTDカナダトラスト銀行の支援を受け、無料運行が実現した。

 MECバンクーバー店(130 West Broadway)前を朝に出発、午後遅くに同店に戻るこの送迎バスは、7月7日から9月2日までの毎土曜日と日曜日に運行される予定。

 無料であるが、オンラインで座席予約の必要があるほか、無断キャンセルを防ぐためクレジットカードによるデポジットが求められる。予約開始は6月中旬の予定。

 都心から近いとはいえ、6万2540ヘクタールの広さを誇る同公園は、BC州の中でもっとも大きな公園のひとつである。

 

 

2018年5月31日 第22号

 カナダ政府ビル・モルノー財務相は、キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプラインとそれに伴うインフラ整備を合わせて45億ドルで買収する考えを29日に示した。

 しかし今後、国の負担がさらにどれくらい増えるのかについての詳しい数字には言及しなかった。

 これで国営企業の管轄の下、トランスマウンテン・パイプライン事業が進められることになる。ただ、モルノー財相は、今回の措置は一時的なもので、国が永久的に保有するわけではなく最終的には売却するとしている。すでに売却先も模索中という。

 キンダーモーガン社は4月、ブリティッシュ・コロンビア州政府や先住民族などの激しい反対活動のため事業が進まず費用がかさむことを理由に、もしカナダ側の状況が変わらなければ、パイプライン拡張工事計画そのものを撤退する可能性も含め判断するとし、その答えを出すまでの期限を5月31日と発表していた。

 カナダ政府はその期限の2日前に今回の買収を発表。その間もキンダーモーガン社とは話し合いが進められており、この日の記者会見では合意内容についても語った。

 買収が完了するのは8月。それまでは拡張工事はキンダーモーガン社が引き続き管轄する。

 今回の連邦政府の判断に対しては賛否両論あるが、共通した意見としては、今回の措置が根本的に問題を解決するには至っていないということ。反対しているBC州政府や先住民族にとっては、相手がアメリカの民間企業からカナダ政府に代わっただけで、根本的には何も変わらない。さらに、2016年に連邦政府が、この拡張工事を承認するにあたりキンダーモーガン社に課した条件のうち、いまだにクリアされていない条件も引き続き残ったまま。拡張工事についてはまだまだ不確定な部分が多く残っている。

 

 

2018年5月31日 第22号

 いよいよ来週に迫ったオンタリオ州議会議員選挙。ドラマチックな展開で、かなりの注目が集まっている。

 27日には最後の党首討論会がトロントで行われた。やはり政権奪取に最も近いとされている進歩保守党(PC)のダグ・フォード党首に対する攻撃が激しく、自由党キャリーン・ウィン党首と新民主党(NDP)アンドレア・ホワース党首から非難や質問が浴びせられた。

 両党首はフォード党首が、いまだに党の基本政策を発表していないことを批判。基本政策なしに、州民はその党が政権を取ったとき にどのような州の形になるのか分からない、口約束だけでは州政治は成り立たないと非難した。

 これに対してフォード党首は、州財政の立て直しを実現できるのはPCしかなく、予算案を70億ドル間違っていたNDPや、これまでの自由党政権の無駄遣い財政を批判し、経済に強いPCをアピールした。

 これまでのところ、支持率ではNDPとPCが互角の争いをしている。世論調査会社メインストリート・リサーチが28日に発表した結果によると、支持率が最も高かったのはNDPで39・3パーセント、次いでPCの37・3パーセント。その差はわずかに2パーセント。メインストリートは今月18日の前回調査に比べて、NDPが10ポイント上昇しているのに対し、PCは5ポイント支持を減らしているとも報告している。自由党はさらに低く16パーセント、グリーン党は4・5パーセントだった。

 この傾向は、フォード氏がPC党首に就任してから続いている。PCは今年に入り、パトリック・ブラウン前党首から性的に不適切な行為を受けたと女性2人が告白し、辞任に追い込まれた。そして緊急党首選の末、3月にフォード氏が党首に決定した。その後、フォード党首が独自の選挙戦を繰り広げる中で、徐々にPCの支持率が低下していった。

 それまでPCは自由党を大きく引き離し、支持率では独走していた。NDPは自由党を後ろから追っていた状況だった。しかしフォード党首の誕生で、事態は一変。自由党もPCも支持したくない層と党首討論会などで積極的な発言をするNDPホーワス党首への好感度が上がり、NDPがグングンと支持率をあげ、遂にPCまで追い抜いた。

 選挙は6月7日。支持率ではNDPがリードしながらも各世論調査会社の予想はPCの過半数獲得。カナダ最大州オンタリオの結果がどうなるのか? カナダ全体が注目している。

 

 

2018年5月31日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府環境省は28日、キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプラインステーションで、オイルサンドが漏れたことを明らかにした。

 同ステーションはBC州内陸部カムループスから少し北にあり、漏れた量は約100リットル、同日の午前5時頃にキンダーモーガン社から連絡があったと発表している。

 BC州政府によると、すぐに除去作業が開始され、漏れた場所は同社のステーション敷地内で、近くの水源や環境に影響はないとみられているという。

 キンダーモーガン社も声明を発表し、漏れ出たのはミディアム・クルード・ブレンドで、念のためパイプラインを一時的に停止し、近隣住民や関係者にも状況を報告したとしている。その後、午後5時の最新情報の報告では3時20分ごろパイプラインの操業を再開したと発表している。

 キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプラインと言えば、現在カナダを二分する論争が繰り広げられ大注目を浴びている。キンダーモーガン社はBC州での反対が強いため工事に支障が出ているとして、工事の存続の条件として、今月31日までに何らかの解決策を打つよう連邦政府に期限を突き付けている。オイル漏れ事故は、その期限の4日前に起こった。

 

 

 

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6月21日号 第25号

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