2017年3月16日 第11号

 アルバータ州エドモントンに住むブローディ・スクラムさんは、大の車好き。しかし自分の好きなだけ車を所有するのは難しい。そこでスクラムさんは、代わりに娘のダイアナちゃんのための、中古の子供用電動乗物玩具(電動カー)をインターネット上の売買サイトから購入、新品のように修復してプレゼントすることにした。ちなみに、ダイアナちゃんの電動カーは、高級スポーツカー、アウディR8スパイダーを模したものだ。

 すっかり調子に乗ったスクラムさんは、地元のストレリー子供病院の協力を得て、今度は病気の子供たちのために電動カーを修復することにした。

 そうしたスクラムさんの電動カーをプレゼントされたのは、5歳になるバエリン・バゼルちゃん。彼女は動脈の閉塞を起こす大動脈血管炎を患っており、脳梗塞を起こしたこともある。そのためにバゼルちゃんは長い距離を歩くことができない。

 そんな彼女のためにスクラムさんが手がけたのは、キャデラックのSUVを模した明るい紫色の電動カー。バゼルちゃんの両親は、この電動カーがあれば、彼女は普通の子供と同じように犬と散歩したり、ちょくちょく外出したりできるようになり、その生活を大きく変えるだろうと、取材に話している。

 笑顔で愛車を乗り回すバゼルちゃんの姿を見守るスクラムさんは、こうした笑顔のために、これからも中古の電動カーを修復して子供たちにプレゼントしていきたいと語っていた。

 

 

2017年3月16日 第11号

 オンタリオ州北西部のオブジワ族独立居住区出身で、先住民ジャーナリスト兼作家として活躍してきたリチャード・ワガミーズさんが10日、死去した。

 2012年に刊行された著作『インディアン・ホース(Indian Horse)』は、先住民文学に関する文学賞を受賞したほか、カナダ公共放送(CBC)の書評ラジオ番組で最終選考に残るなど特に有名。

 この本は、カナダの先住民同化政策の一環であった寄宿学校(Indian Residential Schools)で虐待を受けてきた少年が、ホッケーへの情熱に救いを見つける物語で、映画化も決定している。

 ワガミーズさんは1979年にジャーナリストとして執筆業を開始。1991年には先住民ライターとしては初めて、全国新聞賞(National Newspaper Award)を受賞している。その後も執筆した小説などが数々の賞を受賞、作家としての知名度を上げていった。

 ワガミーズさんの姪のロンダ・フィッシャーさんは、彼の作品には幼少時の経験が色濃く反映されていると説明している。彼は州政府が推し進めた、先住民の児童を強制的に非先住民の家庭へ里子に出す、いわゆる『60年代スクープ(60s Scoop)』政策によって家族から引き離され、オンタリオ州南部の家庭に引き取られた過去がある。

 ワガミーズさんの本を何冊か出版した、ペンギン・ランダムハウス・カナダの編集長兼社長のクリスティン・コックレーンさんは、ワガミーズさんはカナダを代表する作家の1人だと評価、その死を悼んだ。

 また先住民会議の議長ペリー・ベルガーデさんも、ワガミーズさんは心から先住民族の物語を語ってくれたと、大きな存在を失った悲しみを表現していた。

 

 

2017年3月16日 第11号

 英国を代表するミュージシャン、シンガーソングライターのエルトン・ジョン卿が9日、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーにあるレコード専門店に立ち寄り、居合わせた音楽愛好家を驚かせた。

 エルトン・ジョンが訪れたのは、同市ウェスト・ヘイスティングス通りにあるビート・ストリート・レコードとビニール・レコード。

 この日は、同州ビクトリアで週末に予定されていた彼の2回のコンサートの2日前。ちなみにカナダ国内でのコンサートはこの1カ所のみで、その後はアメリカ、ブラジルなどで予定されている。

 ビート・ストリート・レコードのマネージャーは、エルトン・ジョンが折りたたみ式の携帯電話を耳に当てながら、レコードを物色している画像をSNSのインスタグラムにアップロード。また彼が店員に、アメリカのラッパー、テック・ナイン(Tech N9ne)のレコードを置いているかどうか聞いていたことも付け加えている。結局エルトン・ジョンは、ジェーン・シベリーやリトル・フィート、リンダ・ロンシュタット、モリス・デイのLPのほか、オンタリオ州トロント出身のシンガーソングライター、ディバイン・ブラウンのものも買い求めていた。そのほか、店内にあったスクリッティ・ポリッティのアルバムも全部買い上げたという。

 またマネージャーは、エルトン・ジョンが店内でサインした、1973年のアルバム『黄昏のレンガ路(Goodbye Yellow Brick Road)』のアルバムジャケットの画像もアップしている。取材のレポーターが、このアルバムも売りに出すのかと問うたところ、彼は「思い出には値段はつけられない」と、非売品にすると語っていた。

 

 

2017年3月9日 第10号

 アメリカの移民対策がカナダに影響を及ぼしている。ケベック州では6日、アメリカとの国境にある入国審査所でカナダ人女性が入国を拒否されたことが分かった。

 この女性によると友人二人と5日に米バーモントで過ごす計画で、国境を超えるため入国審査を受けた時に、5時間以上足止めされた上に、結局入国できなかったという。

 この女性はインド系カナダ人で、カナダ生まれのカナダ育ち、カナダのパスポートを所持していた。それでも、質問攻めにあい、指紋や写真などをとられ、結局、カナダ生まれであっても彼女がアメリカに入国するにはビザが必要と言われたという。理由は説明されず、どういう種類のビザが必要なのかも伝えられなかった。その後、オタワのアメリカ大使館を訪ね、事情を説明。大使館からも必要なビザの種類の明確な回答はなかったという。白人の友人二人は問題なしと言われたとこの女性は語っている。

 こうしたカナダパスポート所有者が、国境でアメリカ入国を理由もなく拒否されるという問題が、この数週間に何件か起きているとモントリオールのテレビ局は伝えている。拒否された人々は、いずれも非白人という事実も報道されている。

 この問題に対してラルフ・グッデイル公安相は、アメリカ国土安全保障省ジョン・ケリー長官に、この問題を提示したと語った。しかし、「その国の国境は各国に支配権がある」と国会で記者に語り、今後も同様のことが起こる可能性を否定はしなかった。「カナダ国民全員が公平に対応されると期待している」と述べるにとどまった。

 これに対し野党は、自由党政権の対応を不十分と批判している。新民主党(NDP)ジェニー・クワン議員は、自由党政権はトランプ大統領に毅然とした態度で「こういうことは受け入れられない」と言うべきだと非難した。

 さらに同日の国会ではNDPトム・マルケア党首がジャスティン・トルドー首相に対して、ドナルド・トランプ大統領の入国制限新大統領令に対し「人種差別だと非難すべきだ」と迫った。

 しかしトルドー首相は、難民や移民を受け入れるカナダのオープンな立場を述べ、「国民は政府に、経済発展のためアメリカ政権とうまくやっていくことを望んでいる」といつもの主張を繰り返すだけだった。

 マルケア党首は、カナダ国民は首相に差別的政策に対して強い姿勢を取ることを期待していると反論した。

 この日トランプ大統領は、イスラム圏6カ国、イラン、リビア、シリア、ソマリア、スーダン、イエメンの市民へのビザ発給を90日間停止する新大統領令に署名。1月27日に署名された前回の入国制限大統領令の対象7カ国からイラクを外した。3月16日に発効される。

 カナダでは今年に入り、アメリカから国境を違法に超える亡命希望者が急増している。アームド・ハッセン移民相は、大統領令が要因の一つではあると思うが、直接的な最大の要因とはみていないとCBCでのインタビューで答えた。現時点でアメリカからの亡命希望者を拒否するつもりがないことも示唆。今後も様子を見守る立場を続けると語った。

 またカナダ国民でアメリカ入国に困難を生じた場合は、移民省へ連絡するよう呼びかけた。

 

 

2017年3月9日 第10号

 ブリティッシュ・コロンビア州選挙管理委員会は、同州自由党の献金について選挙法違反がないか調査していることを6日、明らかにした。

 全国紙グローブ&メールが自由党の献金について、選挙法違反の可能性があるのではないかとの記事を掲載したことがきっかけ。これを受け、選管委キース・アーチャー委員長が、記事が事実であれば違法性があるとして調査に乗り出したことを6日、示唆した。

 記事では、2人のロビイストの名前をあげ、2人が自身の個人クレジットカードで自分の名前で自由党に多額の献金をしていることや、この2人が自身の顧客や関連する企業の代わりに自由党の献金パーティーチケットを購入し、その後チケット代を徴収していたことを認めていることを掲載している。

 一人は独立した個人コンサルタントで、もう一人はインドネシア企業ウッドファイバーLNGのロビイスト。ウッドファイバーLNGといえば、BC州スコーミッシュに液化天然ガス工場建設をBC州政府に承認された企業。さらに免税措置も受けている。

 アーチャー委員長の声明によれば、間接的な献金は選挙法に違反するという。この場合、誰かが献金パーティーチケットを代わりに購入し、のちにチケット代を徴収することは間接的献金に当たるとみられるという。

 これに対し自由党リッチ・コールマン副州首相は「我々は間違ったことはしていないし、隠していることは何もない」と、ビクトリア市での州議会後に記者に囲まれ質問に答えた。「献金は個人、もしくは企業の実名で献金されていると思っている」と語った。献金する側も選挙法を理解しておかなくてはならない義務があるとも語っている。コールマン副州首相は自由党選挙対策共同委員長でもある。

 自由党広報担当官エミリー・シェッフェル氏は6日、声明を発表。今回の疑惑に対し、献金者によるBC州での政党献金についての誤解により生じた結果と説明した。

 しかし、選管委によれば、献金を受ける側にも違反の可能性があるという。献金を受けた党は全ての献金についての詳細を明確にし、選管委に届ける義務があるとしている。記事によると、献金者として登録した企業の中には、登録するとその後所在が分からなくなる企業もあるという。

 選挙法に違反した場合は、1万ドル以下の罰金、もしくは1年以下の禁固、あるいは両方が適用される。

 今回の献金問題に対し、野党は反発を強めている。BC新民主党(NDP)ジョン・ホーガン党首は、「金銭が政策を左右するという事実がBC州で大きな問題を引き起こしている」と述べ、献金の透明性の強化だけではなく、献金を規制することが必要と主張している。NDPは何度も献金規制法を議会に提出しているが、多数派の自由党が反対し不成立に終わっている。「これは党の在り方の問題ではない。政府が倫理的な穴を見て見ぬふりをしていることが問題だ。自由党は自分の方に政策を引き寄せたい人々から莫大な献金を受け取っている」と非難した。

 自由党への昨年の献金額は1240万ドル。自由党は献金については、クリスティ・クラーク州首相が出席する献金パーティー券をめぐり、1人5千ドルと高額なことが富裕層優遇ではないかと批判された。さらに、クラーク州首相は党の献金から受け取っていた年間5万ドルを「周りが騒がしくなってきたので受け取りを今後は止める」と今年になって発表。昨年分はすでに受け取った後で、6年間30万ドルを受け取っていることになる。

 これ以外にも、今回の記事をきっかけに市民団体が、献金に関して他にも違反があるのではないかと声をあげている。

 BC州は献金に関する規制がないとして国内でも知られ、ニューヨーク・タイムズでも「ワイルドウエスト」な献金制度として紹介されたほど。献金の金額、回数に上限がなく、企業や労働組合、さらには州国外からも受け付けている。これを問題視し野党が規制を求めているが、クラーク州首相は「献金から受け取れなければ、税金から受け取るしか方法はない」と、そうすればBC州民の負担となると規制をするつもりはない。

 しかし、連邦や他の州政府では規制の動きが広がっている。労働組合、企業からの献金は、連邦政府、アルバータ、マニトバ、オンタリオ、ケベック、ノバスコシア州で、すでに違法となっている。

 オンタリオ州の市民団体代表はグローブ&メールの記事の中で「大企業がお金で政策を買いたければ、カナダ国内ならBC州を目指す」と、現在のBC州の献金制度を批判する。これは「合法な贈収賄」として、反民主的だし、非倫理的、BC州だけでなくカナダ全体が信用を失うと批判している。

 今回の記事について、クラーク州首相はこれまで何も語っていない。BC州では今月中には選挙戦に突入、5月に州議会議員選挙が行われる。投票日までには今回の件で何らかの回答が選管委から出されるものとみられている。

 

 

 

今週の主な紙面
3月23日号 第12号

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