2020年4月30日 第14号

 新型コロナウイルス感染の影響で、多くの企業や団体が窮地に立たされる中、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーにある、バンクーバー水族館も大きな打撃を受けている。

 同館は今月に、このままでは閉館の可能性もあると発表した。現在は海洋生物たちの飼育を、ギリギリで続けられる状況と明らかにした。従業員は一時的に解雇できても、7万いる海洋生物たちの世話を止めるわけにはいかない。

 水族館によると、閉館の可能性を発表した後、多くの人が寄付し1週間で62万4427ドルが集まったという。水族館の収入は入場料とグッズ販売などで、月平均300万ドル。3月17日から続く休館は収入に大きく響いている。

 そこでこの窮地を救うために、地元MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCが、コラボデザインのマスクを販売することを発表。売上金を水族館救済に充てるという。マスクは大人用、子ども用が用意され、水族館とホワイトキャップスのロゴが入った4種類のデザインが用意されている。洗って何度も使用可能で、バンクーバーで製造されている。

 購入は水族館ウェブサイトから可能。郵送は5月からと発表している。

 バンクーバー水族館サイト https://vanaquashop.org/

 

2020年4月30日 第14号

 ノバスコシア州で4月18日から19日にかけて発砲事件が発生した。22人が死亡、3人が負傷するカナダ史上最悪の銃撃事件となった背景には、銃撃犯が警察の制服を着用していた事実があった。

 18日午後10時半に、ポータピーク地区で銃声がするという通報を受けた、ノバスコシア連邦警察(RCMP)が捜査を開始。翌朝には13人の死亡が確認され、銃撃犯はさらに殺害を繰り返し19日午前11時半ごろ警察によって射殺された。

 犯行を繰り返していたとされるのは、義歯技工士のガブリエル・ウォートマン(51)。警察の発表によると、ウォートマン容疑者は18日夜に元交際相手を自宅に監禁し、暴行したという。ただ、この元交際相手は容疑者の自宅から逃げ出すことができ、一晩中森の中に身をひそめていた。そして19日午前6時ごろに元交際相手が警察に通報し、ウォートマン容疑者がRCMPレプリカ車両を運転していること、RCMPの制服を着用していること、銃を数丁所持していることを知らせたという。

 連邦警察は午前8時ごろ、州民に銃撃犯の存在を知らせるツイッターを投稿。その後も状況を知らせる投稿は続くが、緊急警報は発信しなかった。この間にもウォートマン容疑者は犯行を続けている。途中で2人の警察官が容疑者と接触、1人は銃で撃たれて負傷、もう1人のハイディ・スティーブンソン巡査は車両で衝突された後に死亡した。死因は発表されていない。容疑者は、逃亡中の最後に殺害した女性の車を奪って、立ち寄ったガソリンスタンドで連邦警察と出くわし射殺された。

 連続殺人に至った動機については分かっていないという。元交際相手への暴行がきっかけとなって、銃撃事件を引き起こした可能性があるとの見解を示した。今後も捜査を継続するとしているが、容疑者は自宅と所有していたRCMPレプリカ車2台に自ら火を付けている。使用した銃について、1丁はカナダで製造されたもの、残りはアメリカで入手したとみられるが、どういう経路でカナダに入ってきたかは分かっていないと説明した。

 なぜ緊急警報を発信しなかったのかについては、準備中だったと22日の会見で回答した。ノバスコシア州スティーブン・マクニール州首相は、州の緊急対応事務所からは、RCMPに緊急警報発信を打診していたと明らかにした。

 22人の犠牲者の追悼は、事件発生から1週間後の24日にバーチャルで実施された。現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのフィジカルディスタンスなどの規制が実施されている。

 4月20日朝の定例会見で、ノバスコシア州銃撃事件の犠牲者追悼のために、規制緩和をする可能性について聞かれたジャスティン・トルドー首相は、新型コロナウイルス感染で亡くなった人も多く、それでも葬儀をできない状況に変わりはないとして、ため息交じりに規制緩和を否定した。ノバスコシア州衛生局長ストラング博士も、銃撃事件で犠牲になった人々に哀悼の意を表したが、「新型コロナウイルス感染拡大防止策は実施されなければならない」、と集まるのは5人までを改めて強調した。ノバスコシア州は、東海岸州では唯一、現在でも感染拡大が止まらず、毎日感染者が確認され、国内では感染者が5番目に多い州となっている。

 

2020年4月30日 第14号

 カナダの夏を彩ってきた大イベントが、新型コロナウイルスの影響で続々と中止を発表している。

 4月23日には、アルバータ州カルガリー市で毎年7月に開催されるカウボーイ・カウガールの祭典、カルガリー・スタンピードが中止を発表した。スタンピードは、毎年開催されるようになった1923年以降で中止となるのは初めて。今年は7月3日から12日の日程で開催される予定だった。

 カルガリー市ナヒード・ネンシ市長は、「スタンピードはカルガリーにとって、自分たちのアイデンティティーを象徴する重要な役割を果たしている。個人的にも、スタンピードがない7月のカルガリーを正直いって想像できない」と述べたが、現状では開催中止はやむを得ないと語った。アルバータ州では毎日200人以上の新たな感染者が確認されている。

 オンタリオ州トロント市は6月に開催予定だった、国内最大のプライドパレードの中止を発表した。

 全国各地のジャズフェスティバルも4月10日に中止を発表している。6月25日に開催予定だった、国内最大のモントリオール・ジャズフェスティバルも今年は中止に。ケベック州は全国で最も感染者数、死亡者数ともに多い。全国の半数以上を占めている。

 他の主要3州に比べて、比較的感染者数が少ないブリティッシュ・コロンビア州も、今月18日に衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士が、「今夏の大イベントはほぼ中止になる可能性が高い」と発言。以降、バンクーバーで7月末から8月初めに開催される花火大会ホンダ・セレブレーション・オブ・ライトが中止を発表、8月のプライドパレードも中止、バンクーバー唯一の遊園地PNEも開園時期の延期を発表した。バンクーバー・ジャズフェスティバルは4月10日に、今年の開催中止を発表している。

 

2020年4月30日 第14号

 オンタリオ州の101歳男性が、新型コロナウイルス感染に打ち勝ったという明るいニュースが飛び込んできた。男性は、トロントに住むジャスティニアーノ・アニバル・ウロアさん。3月末に新型コロナウイルスに感染したと診断されてまもなく、呼吸困難になったため入院したという。息子のマルセロさんは当時を振り返り、ファミリードクターからは肺の状態が非常に悪いため、助からないかもしれないと告げられたと語った。入院してからは面会もかなわないため、家族で病院の外から回復を願うしかなかったという。「もうこれで会えないかもしれない」という恐怖感は拭えなかったと振り返った。

 そこで病院から父を引き取る決断をし、自宅療養に切り替えたという。マルセロさんは必要な防護用具を身に着け、自宅で世話を始めた。毎日、朝と午後に呼吸訓練もした。「病気でも時々冗談も言うんだよ」と振り返った。父には医師の懸念は知らせていなかったという。そうするうちに、状態が徐々に良くなり、4月10日にはトロント公衆衛生局が回復を確認したと語った。

 実際には葬儀の準備も考えたというマルセロさん。「ほんとにホッとした」と語った。ジャスティニアーノさんは7月に102歳を迎えるということだ。

 

2020年4月30日 第14号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で中国系カナダ人の高齢男性がコンビニエンスストアで暴行にあっていたことが分かった。4月23日、バンクーバー市警は、暴行した男の身元を割り出すために、コンビニに設置していた防犯カメラの映像をメディアに公開、市民に協力を呼びかけた。

 市警によると、場所はバンクーバー市東部で被害にあった92歳の男性には、認知症があったという。事件が発生したのは3月13日。映像には男がレジ付近で被害男性の腕をつかみ、出入口のドアを開け、外に放り出している。市警によると、男はその時に倒れた男性の顔を殴ったと発表している。この時、男は新型コロナウイルスに関連する暴言を男性に吐いたという。映像公開の翌日には身元が判明し、ヘイトクライムとして捜査すると発表した。逮捕には至っていない。メディアによると、被害男性の容態は回復しているという。警察は映像の公開が1カ月後になったことについて、映像公開前にも捜査をしていたが、市民の協力が必要と判断したと説明している。

 21日にバンクーバー市警が発表した数字によると、今年に入ってアジア系に対するヘイトクライムが増加しているという。2020年に入ってからこれまでに警察に通報された反アジアヘイトクライムは9件、2019年は1年間で12件だった。ヘイトクライムの通報は、604-717-2763、もしくは1-800-222-8477まで。

 

 

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