2020年4月30日 第14号

 ノバスコシア州で4月18日から19日にかけて発砲事件が発生した。22人が死亡、3人が負傷するカナダ史上最悪の銃撃事件となった背景には、銃撃犯が警察の制服を着用していた事実があった。

 18日午後10時半に、ポータピーク地区で銃声がするという通報を受けた、ノバスコシア連邦警察(RCMP)が捜査を開始。翌朝には13人の死亡が確認され、銃撃犯はさらに殺害を繰り返し19日午前11時半ごろ警察によって射殺された。

 犯行を繰り返していたとされるのは、義歯技工士のガブリエル・ウォートマン(51)。警察の発表によると、ウォートマン容疑者は18日夜に元交際相手を自宅に監禁し、暴行したという。ただ、この元交際相手は容疑者の自宅から逃げ出すことができ、一晩中森の中に身をひそめていた。そして19日午前6時ごろに元交際相手が警察に通報し、ウォートマン容疑者がRCMPレプリカ車両を運転していること、RCMPの制服を着用していること、銃を数丁所持していることを知らせたという。

 連邦警察は午前8時ごろ、州民に銃撃犯の存在を知らせるツイッターを投稿。その後も状況を知らせる投稿は続くが、緊急警報は発信しなかった。この間にもウォートマン容疑者は犯行を続けている。途中で2人の警察官が容疑者と接触、1人は銃で撃たれて負傷、もう1人のハイディ・スティーブンソン巡査は車両で衝突された後に死亡した。死因は発表されていない。容疑者は、逃亡中の最後に殺害した女性の車を奪って、立ち寄ったガソリンスタンドで連邦警察と出くわし射殺された。

 連続殺人に至った動機については分かっていないという。元交際相手への暴行がきっかけとなって、銃撃事件を引き起こした可能性があるとの見解を示した。今後も捜査を継続するとしているが、容疑者は自宅と所有していたRCMPレプリカ車2台に自ら火を付けている。使用した銃について、1丁はカナダで製造されたもの、残りはアメリカで入手したとみられるが、どういう経路でカナダに入ってきたかは分かっていないと説明した。

 なぜ緊急警報を発信しなかったのかについては、準備中だったと22日の会見で回答した。ノバスコシア州スティーブン・マクニール州首相は、州の緊急対応事務所からは、RCMPに緊急警報発信を打診していたと明らかにした。

 22人の犠牲者の追悼は、事件発生から1週間後の24日にバーチャルで実施された。現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのフィジカルディスタンスなどの規制が実施されている。

 4月20日朝の定例会見で、ノバスコシア州銃撃事件の犠牲者追悼のために、規制緩和をする可能性について聞かれたジャスティン・トルドー首相は、新型コロナウイルス感染で亡くなった人も多く、それでも葬儀をできない状況に変わりはないとして、ため息交じりに規制緩和を否定した。ノバスコシア州衛生局長ストラング博士も、銃撃事件で犠牲になった人々に哀悼の意を表したが、「新型コロナウイルス感染拡大防止策は実施されなければならない」、と集まるのは5人までを改めて強調した。ノバスコシア州は、東海岸州では唯一、現在でも感染拡大が止まらず、毎日感染者が確認され、国内では感染者が5番目に多い州となっている。

 

 

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