2019年6月6日 第23号

 2017年のノーベル平和賞授賞式でスピーチした、トロント在住の被爆者サーロー節子さんが、4日、母校のトロント大学から名誉博士号を受け、卒業式で演説を行った。核兵器禁止条約の採択に貢献するなど、長年の活動が評価された。

 サーローさんは13歳のとき学徒動員先の広島で被爆。日本、アメリカ、カナダの大学を経て、カナダでソーシャルワーカーとして30年以上勤務する。その後、軍縮教育に国際的に従事し、世界中の教育機関で核廃絶に向けて現在に至るまで活動している。

 演説ではサーローさんは、「被害を二度と繰り返さないように世界に向けて声を上げ続けてきた」と、核廃絶に取り組む必要性を訴え、卒業生に「ビジョンを持って社会を変える力になってほしい」と言葉を送った。

 

2017年、弊紙インタビューに応じるサーロー節子さん

 

2019年6月6日 第23号

 川崎市多摩区の私立カリタス小学校のスクールバス乗り場で5月28日、バスに乗り込むところだった児童や保護者が包丁を持った男に切り付けられ、20人が死傷する事件が起きた。

 この悲惨な事件は瞬く間に世界の耳目を集めたが、この報に接した、同校設立のもととなったカナダの修道女会が、被害者とその遺族に哀悼の意を表すコメントをメディアを通じて発表した。

 この修道女会は、ケベック州ケベック市にあるカトリック系宗教団体、ケベック・カリタス修道女会で、約150年の歴史を持つ。太平洋戦争敗戦後の困窮した日本を支援するため、宣教師を日本に派遣するよう求めるローマ法王の呼びかけに応じた同修道女会が、1953年に3人の修道女を日本に送ったのが、私立カリタス学園設立のきっかけとなった。

 1960年には学校法人を設立、61年に修学院と女子中学高等学校を開設。その後幼稚園と小学校、さらに女子短期大学を順次開設していった(女子短期大学は2017年に閉鎖)。

 川崎市のカリタス学園を今までに2回訪れたことがある、カリタス修道女会のシスター、モニーク・ジャルベスさんが同学園を最後に訪れたのは約2年前のことだった。ジャルベスさんが今回の事件を知ったのは、同僚が偶然インターネット上でこのニュースの第一報を見つけたことだった。事件現場の地名に聞き覚えがあった彼女は、それが自分たちの学校でないことを祈ったと取材に話している。現場付近は閑静なところで、こんな事件が起こるわけがないと自分に言い聞かせていたものの、不安は現実のものとなってしまった。唯一の救いは、現場に居合わせた人々が次々と救いの手を差し伸べたことだったと語るジャルベスさん。

 それまでも登下校時の送迎など、児童の安全については十分考慮されていたと指摘する彼女は、今後児童らが安心感を取り戻せるようにするのは、並大抵のことではないと案じている。しかし現地にいる同修道女会のシスターたちは、学園がこの事件を乗り越えられるよう全面的に支援していくと話していた。

 

2019年5月30日 第22号

 晴天と高温が続き、乾燥した状態となっているブリティッシュ・コロンビア州の南部沿岸部では、30日正午より住宅の庭での焚火など、裸火の使用が禁止された。

 個人住宅で枯草やゴミなどを燃やす際の炎の大きさが、カテゴリー2(幅50センチ以上3メートル以下、高さ50センチ以上2メートル以下)となる焚火のほか、0・2ヘクタール以下の面積の芝焼き、ドラム缶型焼却炉(burn barrel, burning cage)などの使用、また花火やスカイランタン(天灯)を打ち上げることが禁止となる。

 対象となる地域はローワーメインランドのほか、バンクーバー島とガルフ・アイランド、サンシャイン・コーストのほか、ハイダグワイとなる。なお、この規制がいつまで続けられるかは、明らかにされていない。

 キャンプファイヤー(幅、高さとも50センチ以下の炎)は今のところ、局地的に禁止されている以外は制限対象とはなっていない。しかしキャンプファイヤーをする場合には、周りの状況に十分注意を払い、常に誰かが火の管理をするよう、沿岸部森林火災管理局では注意を喚起している。

 事業用裸火(幅3メートル以上、高さ2メートル以上)については規制は行われないものの、より厳重な管理と当局への登録がなされていることが必須となる。

 

2019年5月30日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州上訴裁判所は25日、トランスマウンテン・パイプライン拡張計画についてのBC州政府の訴えを全会一致で退けた。

 BC州政府は、アルバータ州からBC州バーナビー市まで敷かれているトランスマウンテン・パイプラインの拡張工事計画について、2016年に連邦政府が計画を承認した後、環境問題や海洋汚染を理由に、BC州内に敷かれるパイプラインについてはBC州政府が承認権を有すると訴えていた。これに対し裁判所は、同工事計画は連邦政府の管轄であり、BC州政府に工事を停止する権限がないとの見解を全会一致で決定した。

 トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画は、2016年秋にジャスティン・トルドー自由党政権が承認。アルバータ州エドモントン近郊からBC州バーナビー市までの現存する約1150キロメートルのパイプラインに並列して建設する拡張計画で、完成すればカナダのオイルサンドを現在の3倍となる1日あたり89万バレルまで輸送できることになる。オイルサンド輸出拡大を狙う連邦自由党政権とアルバータ州政府は同拡張工事を推進。しかし環境問題を理由にBC州政府、関係する先住民族、環境活動家、バンクーバー市、バーナビー市が反対し、真っ向から対立している。

 昨年8月BC州最高裁判所が、連邦政府の承認は環境問題への調査不足と先住民族の人々への説明不足だと、工事の差し止めを言い渡した。これにより、連邦政府は改めてカナダエネルギー委員会に環境対策への調査を指示し、今年3月、同委員会は環境対策での不備を認めながらもカナダ経済への貢献が大きいとして改めて承認した。

 連邦政府は今年6月18日に工事計画を承認するかどうかを再判断する。その連邦政府の判断基準に、今回の裁判所の判決は好材料となるとされている。

 しかしBC州政府は、連邦最高裁判所に上訴することを表明している。BC州デイビッド・イービー司法長官は「この問題はカナダの最高裁判所で明確にされるべき案件」と記者会見で語った。BC州ジョン・ホーガン州首相は、「BC州政府に(この問題の)決定権があると確信している」と自信を見せ、BC州上訴裁判所はBC州の主張に同意しなかったが、上訴が妥当と考えていると語り、「判断は司法長官に任せる」と述べた。

 同パイプライン拡張工事については、独占的にアメリカ市場へと輸出されているオイルサンドを海外、特にアジアへと市場拡大を狙う連邦政府とアルバータ州政府が強く推進している。しかしオイルサンドはアルバータ州で主に産出されるため、アジアへの輸出には太平洋岸のBC州政府の協力が欠かせない。

 アルバータ州政府ジェイソン・ケニー州首相は今回の判決について「アルバータ州だけではなく、BC州を含むカナダ全体にとっていい判決」と歓迎した。

 BC州では2017年選挙で州政府が自由党からNDPに交代。NDP政権はグリーン党の協力関係で成り立っているため、環境への影響が大きいオイルサンドの輸送、輸出について、政権交代直後から反対の立場を取っている。

 今後も、BC州からの強い反対は続くとみられている。

 

2019年5月30日 第22号

 マレーシア政府は28日、先進国から運ばれてきたゴミ入りのコンテナについて、送り元を調べて送り返すとの方針を発表した。3300トンものゴミが、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどから送られてきていることが分かっているという。

 「マレーシアは先進国のゴミ捨て場ではない」とマレーシア政府は怒りを露わにしている。マレーシア政府によると、昨年、中国がプラスチック製品ゴミの輸入を禁止して以降、途上国がゴミ輸出先の標的になっていると説明している。

 先週にはフィリピンの大統領が大量のゴミをカナダに送り返すと発表。カナダから送られてきたゴミの引き取りについて、カナダ政府が不誠実な対応をしたため、在カナダのフィリピン大使や総領事を召還する事態にまで発展している。

 マレーシア政府は、今回の件は氷山の一角との見解を示し、ゴミ処理について先進国に国際規則を守って、もっと誠実に対応してほしいと注文した。

 カナダでは、プラスチックゴミの約11パーセントが国内でリサイクルされる以外は、国外でリサイクルするために輸出されるか、ゴミ処理されているとみられている。

 

 

今週の主な紙面
6月20日号 第25号

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