2020年3月12日 第11号
カナダ国内でデイライトセイビングタイム(DST)一般的にいわれるサマータイムが3月8日から始まった。これまで3月第2週日曜日午前2時に1時間早め、11月第1日曜日午前3時に時間を元に戻すという時間変更について、さまざまな身体的、精神的な弊害が議論されている。こうした流れを受けてか最近はサマータイム制度そのものを廃止する動きが加速している。
アルバータ州では昨年DSTについての調査を実施。今月6日にその結果を発表した。調査には14万1千人が参加し、91パーセントの州民が1年中DST実施に賛成したと報告した。同州ジェイソン・ケニー州首相は、州民の意見には個人的に賛成としながらも、他の州や専門家などの意見も聞いて最終決定すると語った。
カナダ、アメリカではサマータイム制度の廃止には、2つの動きがある。一つはDSTを廃止するというもの、もう一つは1年中DSTにするというものだ。
アルバータ州で支持を受けた「1年中DST」が現在の一般的な動きで、ユーコン準州では今月4日に準州政府が1年中DST導入を公式に発表した。昨年の調査で70パーセントが賛成していると理由を説明している。カナダでは初めてとなる。
BC州でも同様の調査が昨夏に実施された。昨年9月10日にBC州政府が公表した調査結果によると、州民の93パーセントが通年サマータイム制に賛成。そして10月31日にはNDP政権が通年サマータイム制導入に向けた法案を提出。準備を進めている。しかし今月4日の会見でBC州ジョン・ホーガン州首相は、この3月の時間変更が最後になるかどうかは微妙と語った。アメリカ西海岸の3州と足並みを揃えることが重要との考えを示し、「BC州はアメリカの法律に縛られているわけではないが」と言いながらも、アメリカの動向を注視すると語った。
アメリカのワシントン州、オレゴン州ではすでに通年DST法案が議会で通過しているが、アメリカでは連邦議会の承認が必要となる。カナダの場合は州独自で決定できるため、導入しようと思えばいつでもできる状態ではある。
アメリカがどう動くかはどうやら今秋のアメリカ大統領選次第。その前にBC州民からDST導入の声が大きくなれば独自で動く可能性もあると語った。BC州の一部の地域やサスカチワン州ではDST制度は導入されていない。