2020年2月20日 第8号
携帯電話の普及とともに、運転中の電話使用が危険な運転を引き起こすとして問題となった。スマートフォンの登場で危険な「ながら運転」はさらに増え、運転中の携帯電話使用についての罰則が厳しくなっている。
しかし運転中の電話使用に厳密な定義がないため、スマートフォンを置いているだけで警察に罰金を科せられるというケースも少なくない。
ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアのBC州裁判所は16日、運転中の充電は違反には当たらないとの判断を下した。
訴えていたのは、メーガンセーラ・ウェスリーワイリーさん。2018年12月28日に運転中に電話を使用していたとして違反切符を切られた。切符を渡した警察官によると、ウェスリーワイリーさんは電話を充電中で、そのとき電話は膝の上にあったという。しかし本人は運転席にはあったが太ももの横に置いていたと主張した。
主張が食い違う2人だが、一致しているところもある。電話の画面が暗かったこと、警察官に止められた時ウェスリーワイリーさんが電話を手で操作していなかったこと。これは警察官も認めていて、これが決め手となった。規則では電話使用の定義を、使用するために手に持っていること、電話機能のいくつかを使用していることとしている。
裁判官は、車中で充電しているだけの行為は電話を使用していることにはならないと説明した。
携帯電話が登場してすでに10年以上、運転中のスマートフォン使用がなくならないのと同様に、警察の過剰取り締まりも減っていないようだ。
2020年2月20日 第8号
中国で新型コロナウイルス感染が拡大する中、カナダ国内では中国系コミュニティでビジネスへの影響が深刻になっている。
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでは、中国系コミュニティのレストランや小売店が大きな影響を受け、ビジネスが落ち込んでいるという。
17日にバンクーバーを訪れていた連邦政府パティ・ハイデュ保健相は、チャイナタウンで記者会見を開き、中国系コミュニティへの悪影響に懸念を示した。ソーシャルメディアや情報源が不確かなメディアによる悪意ある偽情報が拡散され、恐怖感をあおっていることが原因と語り、「政府や関係機関からの確実な情報を提供してもらっているメディアには感謝しているし、こうしたメディアの情報を確認して行動してもらいたい」と語った。
記者会見に同席したバンクーバー市ケネディ・スチュワート市長は、中国系レストランの中には70パーセントも落ち込んだ店もあると懸念を示した。市長は、こうした影響は偽の情報によるものが大きいと語り、「市民にはいつも通りの生活を続けてもらい、チャイナタウンやその他の地域の中国系コミュニティが提供するおいしい料理を楽しんでもらいたい」と語った。
BC州では新型コロナウイルスに感染した5人目の患者が確認されたと発表された。BC州エイドリアン・ディクス保健相は、この日の会見で「現時点ではBC州での感染拡大の可能性は依然として低いとみている」と述べ、引き続き状況に注視し、現状が変われば州民に報告すると語った。
リッチモンド市にある霊岩山寺は、新型コロナウイルスの感染拡大の予防策として寺を閉鎖すると11日に発表。状況を見て再開するとしている。
2020年2月20日 第8号
カナダ外務省は、横浜沖に停泊しているクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスにいるカナダ人乗客が帰国するためのチャーター機を手配すると18日発表した。チャーター機は21日に日本を発つ予定としている。
外務省によるとクルーズ船に乗っていたカナダ人は256人で、43人が新型コロナウイルス感染に陽性反応が出たと発表している。
チャーター機で帰国できるのはカナダ国籍と永住権保有者で、感染が確認されていない場合のみ。感染が確認された場合は日本で治療にあたる。
17日にブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで記者会見した連邦政府パティ・ハイデュ保健相は、クルーズ船乗客の帰国後について、日本時間の19日にはクルーズ船隔離から14日間を過ごしたことになるが、中国湖北省武漢からチャーター機で帰国した国民同様に、オンタリオ州で14日間隔離されると語った。
2020年2月20日 第8号
カナダで急増している税務署を装う詐欺事件を受け、連邦警察はタックスリターンの申告が始まるこの時期から詐欺の手口に注意をするよう、今月9日に改めて呼びかけた。
年々手口が巧妙になっているとして、個人情報をたずねる電話には対応しないこと、郵便受けを常に空の状態にしておくことを心がけるよう呼びかけた。郵便受けがいっぱいになっていると重要な情報が記載された郵便物を盗まれやすくなり、個人情報を利用されるという。
税務署を装う電話詐欺は、提訴や逮捕などの脅し文句を使い支払いを求めてくる。警察は税務署が電話で支払いを求めてくることはないため絶対に対応しないこと、被害にあった場合は、警察やカナダ不正防止センターへの報告を徹底するよう改めて強調した。
連邦警察は14日、税務署を装う電話詐欺に関わっていたオンタリオ州ブランプトン在住の2人を12日に逮捕したと発表した。逮捕されたのは、グリンダプリート・ダリワル容疑者(37)とインダープリート・ダリワル容疑者(36)。カナダからインドに送金する仲介人「マネー・ミュール」という役割をしていたという。3人目の26歳も現在捜索中だが、すでにインドに逃げている可能性も高いと発表した。
警察によると、2018年から電話詐欺による被害を食い止めるための特別プロジェクトを編成。連邦警察だけでなく、州警察、カナダ歳入庁、カナダ国境サービス庁、インドに派遣した連邦警察官、さらにはインドとアメリカの協力も得て、今回の逮捕にこぎつけたという。国民への情報提供と注意喚起を徹底し、インドではすでに39カ所のコールセンターを摘発。2018年から被害額は減少していると成果を語った。
2014年から活発になった税務署や連邦警察など公的機関を装う詐欺の手口で、これまでに1680万ドルの被害が出ていると発表。さらにその他の銀行調査員やITサポートなどを装う詐欺も含めると被害額は3千万ドル以上という。
ただ2018年の被害は640万ドル、2019年には140万ドルに減少したと報告している。
2020年2月13日 第7号
中国湖北省武漢からカナダ政府が手配したチャーター機第2便が、11日早朝に、オンタリオ州トレントンのカナダ軍基地に到着した。
発表によると、236人の帰国希望者のうち188人が帰国。130人がカナダ国籍で58人は永住権者。トレントンで14日間隔離生活に入る。すでに第1便で帰国している176人とアメリカのチャーター機で帰国した39人とは、別棟で生活する。政府は第2便でチャーター機の派遣は最後となると発表している。
カナダ国内では7人の新型コロナウイルスへの感染が確認されている。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州公衆衛生局長ボニー・ヘンリー博士は11日に会見を開き、新たな感染者は出なかったと発表した。BC州内で感染が確認された4人についても、引き続き自宅での経過観察となっていると語り、症状が改善に向かっていると報告した。
連邦パティ・ハイデュ保健相は7日、湖北省への渡航歴がある帰国者は湖北省を離れた日から14日間は自主的な自宅待機に努めてほしいと語っている。保健相は、最近の調査で新型コロナウイルス感染の初期症状が風邪やインフルエンザとよく似ていることが分かってきたためと説明。対象となる人はなるべく他の人との接触を避けるよう呼びかけた。
WHO(世界保健機構)は11日、新型コロナウイルスの呼称をCOVID-19とすると発表した。