2020年2月20日 第8号

 中国で新型コロナウイルス感染が拡大する中、カナダ国内では中国系コミュニティでビジネスへの影響が深刻になっている。

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでは、中国系コミュニティのレストランや小売店が大きな影響を受け、ビジネスが落ち込んでいるという。

 17日にバンクーバーを訪れていた連邦政府パティ・ハイデュ保健相は、チャイナタウンで記者会見を開き、中国系コミュニティへの悪影響に懸念を示した。ソーシャルメディアや情報源が不確かなメディアによる悪意ある偽情報が拡散され、恐怖感をあおっていることが原因と語り、「政府や関係機関からの確実な情報を提供してもらっているメディアには感謝しているし、こうしたメディアの情報を確認して行動してもらいたい」と語った。

 記者会見に同席したバンクーバー市ケネディ・スチュワート市長は、中国系レストランの中には70パーセントも落ち込んだ店もあると懸念を示した。市長は、こうした影響は偽の情報によるものが大きいと語り、「市民にはいつも通りの生活を続けてもらい、チャイナタウンやその他の地域の中国系コミュニティが提供するおいしい料理を楽しんでもらいたい」と語った。

 BC州では新型コロナウイルスに感染した5人目の患者が確認されたと発表された。BC州エイドリアン・ディクス保健相は、この日の会見で「現時点ではBC州での感染拡大の可能性は依然として低いとみている」と述べ、引き続き状況に注視し、現状が変われば州民に報告すると語った。

 リッチモンド市にある霊岩山寺は、新型コロナウイルスの感染拡大の予防策として寺を閉鎖すると11日に発表。状況を見て再開するとしている。

 

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