2019年9月26日 第39号
金曜日に環境問題を考える運動が世界中で進んでいる。アメリカ・ニューヨークで開催されている国連の「気候行動サミット」に参加して注目を浴びているスウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)の行動に触発された世界中の若者が今年9月20日(金)に学校の授業をボイコットした行動がビジネスにも広がっている。
カナダでもブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーを拠点にしているアウトドアチェーン店マウンテン・イクイップメント・コープ(MEC)とラッシュ・コスメティックスが参加を表明している。
MECは9月27日午後5時(現地時間)までカナダ全国の全店を閉店。同社CEO(最高経営責任者)フィル・アラタ氏はこれほどの規模でこうした企画に参加した経験はないが、「カナダをリードするアウトドア小売店として、我々も(環境問題については)深く懸念している。社としてスタッフに世界的な気候変動へのストライキに参加するという機会を与えて、スタッフの思いを伝えてもらいたい」と語った。
ラッシュは9月27日を終日、本社や倉庫も含めてカナダ全国で全店舗を閉店とし、オンラインショップも午前6時から午後6時まで(現地時間)を閉店すると発表している。ラッシュCEOマーク・ウォルバートン氏は声明を発表し「我々は気候変動危機を緊急事態として扱う必要がある」と語り、「我々はこの地球を共有している。だからこそみんなで警鐘を鳴らすために政治家にこれまで通りのやり方ではもう通じないということを示す必要がある」と語っている。
2019年9月26日 第39号
ブリティッシュ・コロンビア州サレー市で進められている連邦警察(RCMP)に代わる市独自の警察の設立について、市民の過半数を超える54パーセントが反対していることが、23日に世論調査の結果で明らかになった。
世論調査を実施したのはメープルリーフ・ストラテジーズで、同社ウェブサイトによると20年以上の調査経歴があるコンサルティング会社となっている。調査を依頼したのは「RCMPをサレーに残す会」、文字通り現在の警察制度をそのままに残すことを推進している市民グループ。
メトロバンクーバーの中でも犯罪が多発するサレー市では、州の統一選挙が実施されるたびに市長選でサレー市独自の警察機構を設立する必要性が訴えられてきた。
2018年10月の選挙でも、ダグ・マッカラム市長が当選すればサレー市警を設立すると公約として掲げ、そして当選を果たした。以来、念願の市警設立に向けてBC州政府との交渉などを続け、今年8月に州政府がRCMPからサレー市警への移行を承認した。マッカラム市長はサレー市の市民とビジネスにとって記念すべき歴史的な日と語っていたが、今回の調査で市民が必ずしも市警設立に賛成していないことが明らかになった。
その背景には今年初めに市が発表した移行計画の内容にあるという。独自市警を設立すると1900万ドルを市が負担することになり、さらに警察官の数も約40人少なくなると報告されている。
現在サレー市は、RCMPと2021年3月までの契約になっている。サレー市の予定では2021年4月からサレー市警に移行する計画になっている。
今回の世論調査ではサレー市に関する質問も含まれている。サレー市が正しい方向に進んでいるかとの質問には、正しい方向に進んでいるが37パーセント、間違った方向に進んでいるが42パーセント、市長について支持するが32パーセント、支持しないが46パーセント、RCMPについては支持するが81パーセント、支持しないが10パーセントという結果になっている。
調査は2019年9月6日から8日までの3日間で400人の市民に電話でのインタビュー形式で行われたと発表している。
2019年9月26日 第39号
秋分の日を迎えた9月23日。カナダではこの日から公式に秋が始まるとされているが、カナダ西部では秋を通り越して冬の訪れを感じている人も多いのではないだろうか。
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでは9月1日から22日までのバンクーバー国際空港の雨量が106・8ミリに達しているという。9月の平均的な雨量が50・9ミリだけに、今年は22日までにすでに2倍近い雨が降っていることが明らかになった。
しかし記録的と感じる今年の雨量もこれまでと比べると過去トップ10圏外になるという。9月に最も雨が多く降ったのは1905年の198・6ミリ。これから1週間でここまで雨が降ることはないと予測されている。それでも今年はトップ15にはなるのではないかとは専門家の予想。10月は例年平均で約120ミリの雨量があり、2カ月連続で雨の多い年となりそうだ。
ただ今年の秋は気温はやや高めということだ。
一方で、隣州アルバータ州では一足早い冬の訪れとなりそうだ。カナダ環境省は今週末にもカルガリーで初雪が見られる可能性が高いと発表した。しかもチラチラと降るというのではなく、かなり本格的に降る可能性が高いという。気温も零度に近くなる予想で、最高でも摂氏3度から4度と予想している。平年ならこの時期のカルガリーの気温は16度。かなりの冷え込みになりそうだ。
しかし環境省の専門家によるとカルガリーで9月に初雪は珍しいことではないという。昨年は10月10日に積雪の記録を更新している。
果たして今年の秋はどうなるのか? 早めに冬の準備をした方がいいかもしれないと専門家は語っている。
2019年9月26日 第39号
ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア市は2020年末までに5000本を植樹すると21日発表した。これは国連が主導している環境問題対策の一環で都市に樹木を増やし地球の温暖化に歯止めをかけようとするツリー・イン・シティズ・イニシアティブに参加することを表明したもの。
ビクトリア市リサ・ヘルプス市長は、今月アメリカ・ニューヨークで開催される国連会議に招待されている。
国連の今回の事業は世界中の都市に植樹を促すもので、「持続可能な都市づくりに植樹はシンプルかつ非常に効果的な方法」と推進している。今年には樹木による温室効果ガス削減効果に改めて注目した報告も発表された。
1本の木で約150キログラムの二酸化炭素を削減できるとの報告もあり、国連は効果的に植樹することで地球の温度を2度から8度下げる効果があるとも報告している。
ビクトリア市は、環境危機が迫っているということが事実としてある中、市としてできる限りの努力をして環境問題に取り組んでいくと市長の声明を発表した。市では、公共・民間の所有地への植樹を計画、そのために毎年100万ドルを用意していると発表している。
市はすでに今年、この先50年間をかけて市内の公共・民間の所有地にある木々の管理や新たな植樹を計画するアーバン・フォーレスト・マスター・プランを実施し、今回の発表はこの計画を加速することに役立つと期待されている。
今回の国連事業への参加はカナダではビクトリア市が初の都市となった。
2019年9月26日 第39号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのホテルでストライキが相次いでいる。今月22日には、バンクーバーダウンタウンにある大手ホテル3社に続きホテルジョージアの職員もストライキに突入した。
ホテルジョージアを含むダウンタウンの5ホテルの職員組合ユナイテッド・ヒア・ローカル40によると、ホテルジョージア側の担当者との話し合いが決裂に終わったため、同社従業員が22日午前零時からストライキに突入したと語っているという。
ホテル従業員によるバンクーバーでのストライキはこれで4社目。他には、ハイアット・リージェンシー、ウェスティン・ベイショア、ピナクル・ハーバーフロントの従業員約1000人が20日からストライキを実施している。ホテル側との交渉がまとまらず、すでに労使協定なしの状態が14カ月も続いていると理由を説明している。労使交渉の条件は、給与だけではなく、フルタイムのシフトが減らされていること、そのためにフルタイムなら受けられる福利厚生が受けられないことなどをあげている。
やや遅れて22日にストライキに突入した約200人のホテルジョージア職員も、昨年12月に労使協定が切れ、すでに8カ月が過ぎているという。要求は給与引き上げのほか、労働条件の改善を訴えている。ホテルジョージア職員といえば、今春にホテル利用者からセクハラを受けるなどの被害があったとして労働環境の改善を訴えていた。