2019年9月19日 第38号
カナダ国民党マキシーム・ベニエ党首が、10月に実施される英語とフランス語の党首討論会に参加することが17日分かった。前回党首討論に参加できる党が発表されたときには参加条件を満たさないとして外されたベニエ党首だったが、再検討の結果、条件が整ったとして党首討論委員会が討論会へ招待し、ベニエ党首が了承した。
元カナダ総督デイビッド・ジョンストン氏が委員長を務める委員会は、党首討論会への参加の条件として3項目のうち2項目を満たす必要があるとしている。
3項目とは、選挙戦に突入した時点で議会に党として前回の選挙で当選した議員を有していること、今回の総選挙の選挙区90パーセントで候補者を擁立していること、候補者が前回の選挙で4パーセントの得票率を獲得しているか、もしくは今回の選挙の世論調査で議席を獲得できる可能性がある候補者がいることとなっている。
前回の委員会の発表ではベニエ党首が討論会に参加できない理由として、3項目のうち選挙区90パーセントへの候補者擁立の項目の一つしか満たしていないためと説明していた。しかし、もし他の条件を満たしていると証明できればベニエ党首の参加の可能性もあり得るとの見解を示していた。
そのため、党は議席獲得の可能性がある候補者のリストを提出し、ベニエ党首ほか、4人の候補者が当選の可能性があると主張、2つ目の参加条件をクリアしたと認められた。
カナダ国民党はベニエ党首が今年1月に正式に選挙管理委員会に登録した政党で、ベニエ党首自身も前回の選挙では保守党として当選している。
今回のベニエ党首の参加決定について、新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首は、偏った政策により国民を二分するようなメッセージを拡張することで支持を得るというベニエ党首が討論会に参加することは間違っていると思うと記者会見で語っている。
ベニエ党首は、多文化主義の廃止や環境問題対策の不要などを訴え、白人至上主義者や極右主義者の支持を取り込む政策を打ち出している。
党首討論委員会が主催する討論会は2回開催される。1回目は英語で10月7日に、2回目はフランス語で10月10日。討論会は主要メディアで放送され、オンラインでも無料で配信される。また英仏以外の言語でも視聴可能になる予定で、先住民族言語でも放送される予定になっている。両討論会ともケベック州ガティノーにあるカナダ歴史博物館で開催される。
参加するのは、自由党ジャスティン・トルドー党首、保守党アンドリュー・シェア党首、NDPジャグミード・シング党首、グリーン党エリザベス・メイ党首、ケベック連合党イヴ‐フランソワ・ブランシェット党首、カナダ国民党マキシーム・ベニエ党首。
トルドー党首は他の討論会には参加しないと公表しているため、6人が揃うのはこの2回のみとなる。