2019年9月26日 第39号
ブリティッシュ・コロンビア州サレー市で進められている連邦警察(RCMP)に代わる市独自の警察の設立について、市民の過半数を超える54パーセントが反対していることが、23日に世論調査の結果で明らかになった。
世論調査を実施したのはメープルリーフ・ストラテジーズで、同社ウェブサイトによると20年以上の調査経歴があるコンサルティング会社となっている。調査を依頼したのは「RCMPをサレーに残す会」、文字通り現在の警察制度をそのままに残すことを推進している市民グループ。
メトロバンクーバーの中でも犯罪が多発するサレー市では、州の統一選挙が実施されるたびに市長選でサレー市独自の警察機構を設立する必要性が訴えられてきた。
2018年10月の選挙でも、ダグ・マッカラム市長が当選すればサレー市警を設立すると公約として掲げ、そして当選を果たした。以来、念願の市警設立に向けてBC州政府との交渉などを続け、今年8月に州政府がRCMPからサレー市警への移行を承認した。マッカラム市長はサレー市の市民とビジネスにとって記念すべき歴史的な日と語っていたが、今回の調査で市民が必ずしも市警設立に賛成していないことが明らかになった。
その背景には今年初めに市が発表した移行計画の内容にあるという。独自市警を設立すると1900万ドルを市が負担することになり、さらに警察官の数も約40人少なくなると報告されている。
現在サレー市は、RCMPと2021年3月までの契約になっている。サレー市の予定では2021年4月からサレー市警に移行する計画になっている。
今回の世論調査ではサレー市に関する質問も含まれている。サレー市が正しい方向に進んでいるかとの質問には、正しい方向に進んでいるが37パーセント、間違った方向に進んでいるが42パーセント、市長について支持するが32パーセント、支持しないが46パーセント、RCMPについては支持するが81パーセント、支持しないが10パーセントという結果になっている。
調査は2019年9月6日から8日までの3日間で400人の市民に電話でのインタビュー形式で行われたと発表している。