2019年10月3日 第40号

 調査会社イプソスによる最新の世論調査によると、トップは保守党で37パーセント、それを自由党が34パーセントで追いかける結果となっていることが分かった。

 10月1日に発表された結果では、両党とも支持率を前回調査よりやや上げている。次いで新民主党(NDP)15パーセント、グリーン党は4パーセント下げ7パーセント、ケベック連合党5パーセント、カナダ国民党2パーセントだった。グリーン党が下がった分、自由党、保守党の支持率が上がったとみられている。

 今回の調査を男女別で分析すると、保守党支持は男性40パーセント女性34パーセント、自由党は男女とも34パーセント、NDPは男性11パーセント女性19パーセント、グリーン党男性6パーセント女性8パーセント、ケベック連合党男性7パーセント女性3パーセント、カナダ国民党は男女とも2パーセントだった。保守系ほど男性の支持率が高い。

 年齢別では、保守党が55歳以上の支持が42パーセント、自由党は35パーセント、35歳以上54歳以下では保守党42パーセント、自由党32パーセント。一方で若者では自由党の支持率が高く、18歳から34歳まででは自由党が34パーセント、保守党、NDPは25パーセントだった。

 地域別ではオンタリオ州で自由党が39パーセント、保守党37パーセント、ブリティッシュ・コロンビア州で自由党35パーセント、保守党34パーセント、ケベック州では自由党が圧倒的に強く35パーセント、保守党24パーセント、ケベック連合党22パーセント、NDP11パーセント。保守党が強いアルバータ州では保守党60パーセント、自由党14パーセント、サスカチワン州・マニトバ州では保守党50パーセント、自由党23パーセントとなっている。

 自由党にとって先月に発覚したジャスティン・トルドー首相の顔黒塗り写真が自由党の支持率に影響を及ぼしているが、ゆっくりと回復していると専門家は分析している。ただトルドー首相の支持率は、支持が43パーセント、不支持が57パーセントとなっている。

 総選挙は10月21日。自由党と保守党の接戦は、これからますます激しくなる。

 

2019年10月3日 第40号

 選挙戦が佳境へと入る中、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州でリードを広げたい保守党は同州コキットラムで9月28日に選挙活動を行い、選挙で政権を取ればジョージマッシー・トンネルの改修工事をすると州民に約束した。

 マッシートンネルはBC州南西部に流れるフレーザー川の下を通るトンネルで、リッチモンド市とデルタ市を結んでいる。しかし3車線しかない南北に通る道路は常に交通渋滞を引き起こしている。

 そのため、BC州の選挙でも選挙争点となることが多く、BC州の2017年選挙では自由党がトンネルに代わる片側5レーンの橋を建設する計画を発表したが、政権を取ったBC新民主党(NDP)はこの計画を白紙に戻し、2020年秋までに新しい計画を決定すると発表している。

 トンネルは1959年7月15日に開通して以来、すでに60年が経っている。当時は交通量も少なくフレーザー川の下を通るトンネルは目新しく、話題にもなったが、現在は老朽化した上に交通量が増加し、交通渋滞を引き起こすほか、危険が伴うとの州民の意見も出ている。

 関係する周辺市や先住民族はホーガン州首相に早急な対策を求めている。

 保守党シェア党首は、渋滞解消のためにも「早急に必要とされるプロジェクトだ」と語り、渋滞が解消するだけではなく、それによって家族で過ごす時間が増えるために必要と語った。

 

2019年10月3日 第40号

 ジャスティン・トルドー首相が学校教師時代に顔を黒く塗りコスチュームを着てイベントに参加している写真をアメリカの雑誌社タイムに提供した男性が、自身は無党派であるとの声明を9月28日に発表した。

 写真は、トルドー首相がブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にある私立学校ウエストポイントグレイ・アカデミーで教師をしていた2001年に行われたイベントに参加した時のもので、中東の物語に出てくるキャラクターを真似たコスチュームを着て顔や手を黒く塗っていた。首相は当時29歳。政治にはかかわっていなかった。

 この写真がタイム誌に掲載された後、トルドー首相は何度も謝罪、その後、これ以外にも同じような写真がカナダのメディアから公開された。

 これでトルドー首相と自由党の支持率が下がり、ただでさえ厳しい選挙戦を強いられている自由党に大きな影響があったことは否めない。

 しかし、この写真をタイム誌に提供したマイケル・アダムソンさんは声明を発表し、自分は特定の政党とかかわったことはないし、無党派であると説明。さらにタイム誌から報酬も受け取っていないとし、カナダ国民には知る権利があると思ったからと提供した理由を説明した。

 

2019年10月3日 第40号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーのポートマン・ブリッジでトラックが炎上する事故が9月28日起きていたことが分かった。

 ドライブBCによると、消火活動のためハイウェイ1の東向きレーンの152ストリートへの出口付近を1レーンを残してブロックしたため渋滞が発生したとしている。午後3時頃、ツイートで炎上するトラックの写真とともに渋滞を報告した。

 トラック運転手の話によると、走っているときにトラックの後方から煙が上がっているのに気付いたという。それで路肩にトラックを止め、離れたと語っている。この事故でのけが人はいない。

 火事が起こった原因などは分かっていない。

 事故処理は4時過ぎには終わっている。

 

2019年10月3日 第40号

 アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスに本社を置くアパレル大手フォーエバー21がカナダで展開する全店を閉店することが9月29日分かった。同社はアメリカ連邦破産法11条の適用を申請したと発表、カナダでも同様の手続きに入っている。

 小売業界が直面している現在の状況を踏まえて、カナダでの全店閉店という決断に至るまでにさまざまな選択肢を検討したが、カナダ市場はこれ以上の経営は不可能との結論に至ったと発表している。

 カナダでは、ブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州、ノバスコシア州に44店舗を展開。今年末までに閉店するとしている。カナダの消費者についてはアメリカで引き続き購入できるほか、アメリカ店のオンラインショップを利用できるとしている。

 また同社のギフトカードがカナダで利用できるのは今年の10月15日までとし、それ以降アメリカやオンラインで利用できるかについての詳細を後日発表するとしている。

 従業員については全国約2千人に、すでに解雇通告をしたと発表している。

 フォーエバー21は1984年に創業、57カ国815店舗を展開している。カナダ以外でも日本をはじめアジア、ヨーロッパでも閉店を発表。ただアメリカの主要都市やメキシコ、中南米では事業を継続するとしている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。