2019年10月3日 第40号
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で秋の議会が開会される前に固定サマータイム制への準備が進んでいる。BC州ジョン・ホーガン州首相は9月30日、ユーコン準州サンディ・シルバー州首相と会談し、固定サマータイム制について話をしたことを明らかにした。両州首相は実施する前に両州で協力することを確認したと発表している。
カナダではほとんどの地域で夏にデーライト・セービング・タイム制度、通称サマータイム制(夏時間)を導入している。これは日が長い夏の午後を有効活用するための制度で、カナダではアメリカ同様毎年3月第2日曜日から11月第1日曜日まで時間を1時間進めている。
しかし冬になると日が極端に短くなるカナダでは、サマータイム制が終了する11月初旬に交通事故が多発するなどの理由から制度そのものの不要論が以前から持ち上がっていた。
そこにアメリカ西海岸州の、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州でサマータイム制の廃止ではなく年中サマータイムとする固定サマータイム制の議論が持ちあがり、隣州としてBC州でも同制度の導入について今年州政府が州民への世論調査を実施した。
その結果、大多数の州民が固定サマータイム制度への賛成を表明。9月10日に発表された調査結果では、22万3千273件の回答中、93パーセントが賛成し、54パーセントがアメリカの西海岸州との連携は非常に重要、もしくは重要と答えたことが明らかになった。固定サマータイム制度導入に賛成の理由としては、健康面への懸念が最も多く75パーセント、53パーセントが冬の夕方の帰宅時間での1時間は重要と答えた。調査はオンラインや電話で今年6月24日から7月19日まで実施された。
こうした州民の賛成の声もあり、今秋の州議会で新民主党(NDP)政権は固定サマータイム制への議案を提出するとしている。
ただカナダでは州議会で可決されれば施行できるが、アメリカでは州政府が決定しても連邦議会での承認が必要なため、今冬にもすぐに固定サマータイム制が実施される見込みはないという。今年のサマータイム終了は11月3日となっている。