2019年11月7日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)とオタワ大学が4日に発表した調査結果で、中国を好意的に捉えているカナダ人は29パーセントにとどまっていることが分かった。

 さらに中国との関係で懸念しているのは、中国によるカナダへのサイバー攻撃やスパイ行為で、半数のカナダ人が中国の通信会社ファーウェイがカナダで5Gネットワークを構築することを望んでいないことも分かった。

 カナダ国内での中国の干渉に懸念を示す一方で、中国との二国間貿易には賛成で62パーセントが2国間の自由貿易協定交渉を支持している。

 UBCは2年前からカナダ人の中国に対する姿勢を調査しており、今回が4回目。2年前の調査では36パーセントで今回よりも高かったが、今年2月は22パーセントで今回よりも低かった。

 カナダと中国の関係は、昨年12月にファーウェイ孟晩舟CFOがブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー国際空港でカナダ当局に拘束されて以降、こう着状態が続いている。中国はカナダからのキャノーラ製品や精肉製品の輸入を停止、中国では2人のカナダ人男性が12月以降拘束されたままになっている。

 調査は9月26日から10月3日まで成人1503人にオンラインで実施したとしている。

 

2019年11月7日 第45号

 家族の願いは届かなった。マニトバ州ウィニペグで起こった痛ましい事件は最悪の結果となった。先月31日に寝ているところを刃物で刺された3歳の男児ハンター・ヘイズ・ストレート-スミスくんが2日、病院で死亡した。

 ハンターくんは首を含め数回刺されたとみられ、病院で治療を受けていた。しかし脳に大きな障害がみられると診断されたため、家族が生命維持装置を外す決断をしたと発表された。

 自宅前には花束やぬいぐるみが置かれ、同州ブライアン・パリスター州首相やウィニペグ市ブライアン・ボウマン市長もツイッターで早すぎる死を悼んだ。

 ハンターくんを刺したのはダニエル・ジェンセン容疑者(33)。ハンターくんの母親の元交際相手で、この日別の場所で母親と口論になり、その後自宅で寝ているハンターくんを襲ったとみられている。

 警察はすでに身柄を確保し、今後は殺人事件としての捜査を視野に入れると発表している。

 

2019年11月7日 第45号

 オンタリオ州で3日から学校でのスマートフォン使用が禁止された。オンタリオ州政府は今春にスマートフォン使用禁止を決定。しかし各教育委員会の準備のために猶予期間を設け、この日から施行された。実際には4日が禁止初日となる。

 同州スティーブン・レス教育相は、授業では生徒は授業に集中すべきでソーシャルメディアなどを持ち込むべきではないと述べ、これはオンタリオ州での教育環境改善の一環だと語った。

 州政府は、今回のスマートフォン使用禁止については2018年に教育改革についての相談会に参加した親、生徒、教師らの97パーセントが賛成したと報告している。

 レス教育相は、授業ではIT機器を使用するし、テクノロジーを否定しているわけではない、ただ授業に関係ないところでの使用を禁止すると語っている。

 スマートフォンを医療目的や特別支援目的、教師が必要と判断した時などは使用が許可されている。

 一方で全面的な禁止に反対する声も上がっている。スマートフォンを単純に禁止するのではなく、スマートフォンの倫理的、道徳的な正しい使い方などを教える方が将来的に生徒のためになると訴えている。

 トロント市の教育委員会では、一度スマートフォンを禁止にしたが、4年間実施したあと禁止を解除したという。全面禁止がほぼ不可能だったことと正しい目的で使用を許可する方が教育的に適していると判断したためと説明している。

 

2019年11月7日 第45号

 安全とされるカナダの水道水で鉛の含有率が高い地域があることが分かった。9大学、10メディアから120人のジャーナリストが参加して行われた水道水質調査の結果が4日に発表され、多くの都市で国内基準を超えていることが明らかになった。

 鉛の含有率が特に高かったのは、ケベック州モントリオール、サスカチワン州レジャイナ、ブリティッシュ・コロンビア州プリンス・ルーパート。

 鉛が体に蓄積すると健康被害の原因となることで知られ、特に子供や妊婦などが影響を受けやすいとされている。

 今回の調査でプリンス・ルーパートでは15.6ppbの鉛が見つかったという。

 カナダでは飲料水の水質試験を実施する義務を課しておらず、仮に水質試験を実施しても結果を公表する義務は課されていない。BC州も例外ではなく、市町村に水質検査の義務はない。

 しかし今回の調査で全国の多くの都市で水道水から基準値以上の鉛が検出されたことで、今後何らかの対策が取られる必要があるとジャーナリストらは主張している。

 鉛の原因は水道管とみられ、まだ全国各地で鉛製の水道管が使用されているため、飲料水に混ざると報告している。

 もし自宅の水道管が鉛製の場合は、交換は自己責任で自己負担する必要がある。自宅以外の場合は行政に責任がある。

 鉛は水道水に含まれていても色として見えないため、実際には分からないのが実情。それでも含有率が高い飲料水を取り続けると体に支障をきたしかねない。子供や妊婦だけではなく、広く誰にでも影響が出る危険があると警鐘を鳴らす。

 対策は政治家に訴えることと言う。行政でもどこで鉛の水道管を使用しているか把握していないところが多いため、政府主導で動くよう働きかけることが重要と語っている。

 

2019年11月7日 第45号

 オンタリオ州の教育機関に勤める職員によるストライキが回避されたと3日、労働組合が発表した。職員ら5万5千人が参加している労働組合、公務員カナダ組合(CUPE)は提示された労働協定に79パーセントが賛成したと説明した。

 3年間毎年1パーセントの引き上げで合意したことを明かした。しかし、教育機関の中では最も賃金が低い上に、インフレ率以下の引き上げ率に、賛成がもっと少なくなるかと思ったと組合代表ローラ・ワルトン氏は語った。

 職員には、用務員や幼児教育専門家、事務職員らが含まれる。もしストライキとなれば、休校を余儀なくされていた。

 オンタリオ州では、この他にも教師らによる3組合で州との交渉が続いている。すでに2組合はストライキ決行を賛成多数で決定、残り1組合はストライキをするかどうかの組合員による投票を控えている。

 一方で、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島では学校職員のストライキが今週で2週目に突入している。

 サーニッチのCUPEローカル411がストライキに入ったのは10月28日。11月1日には両者が話し合いを開始したと発表し、4日には学校が再開するとの見通しを語っていた。ただ3日になってBC州ロブ・フレミング教育相が折り合いをつける着地点の余地が少ないと語り、「できるだけ早く解決したい」と述べている。

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。