2019年10月31日 第44号
連邦自由党ジム・カー前国際貿易相は25日、自身にガンが見つかったと告白した。連邦総選挙の投開票が21日に実施され、2期目の当選を果たしたばかりだった。
カー議員の声明によると、多発性骨髄腫という血液のガンで、すでに化学療法を開始しているという。
連邦議会は9月から約6週間続いた選挙戦を終え、10月21日に投開票が終了した。カー議員はマニトバ州ウィニペグの選挙区で自由党から立候補。アルバータ州、サスカチワン州と並んで平原地区と呼ばれる州にあって自由党が惨敗する中、次点を寄せ付けない圧勝で2期目の当選を果たした。
しかしガンの宣告を受けたのは当選した翌日だったという。カー議員によると選挙期間中にインフルエンザのような症状があったため、医師の診察を受け、定期的に行っている血液検査を受けたと説明。すると当選が決まったその当日にすぐに病院に行くよう医師から連絡があり、翌日にガンの診断を受けたと説明している。
カー議員は「状態はよく、気分も安定している」と語っている。すでにジャスティン・トルドー首相には状況を報告し、「これからも選挙区住民とカナダ国民のために尽くしたいと思っている」と議員を続ける意志を伝えたと語っている。
カー議員は2015年総選挙でマニトバ州ウィニペグ・サウスセンター選挙区から立候補して初当選。第1次トルドー内閣で天然資源大臣に抜擢され、内閣改造後は国際貿易多様化大臣を担当した。
天然資源産業と国際貿易を経済成長の柱に置く自由党政権で重要な大臣を歴任してきただけに、11月20日発表される第2期トルドー政権でも入閣は確実視されていた。
トルドー首相は「時間をかけて自身の健康回復に集中して、元気になってくれると信じている。そしてマニトバ州民とカナダ国民のために尽力してほしい」とツイッターで励ました。