2019年10月31日 第44号
女性の権利が世界でも認められている国として知られるカナダだが、所得に関しては男性と女性の間で依然として大きな開きがあることが明らかになった。
カナディアン・センター・フォ・ポリシー・オルタナティブスが28日に発表した報告書によると、過去5年間でその差はほとんど埋まっていないことが分かった。このままのペースで差を埋め続けるとすれば、男女の所得が同じになるまでに164年かかるという。
カナダでは2015年にフェミニストを自称する自由党ジャスティン・トルドー首相が政権を取り、男女間の差をなくすとして第1次内閣から閣僚の半数を女性議員にしたり、所得について男女平等にしたりと努力をしていると政府は説明している。しかし公共機関では浸透しても、民間で依然として開きがある。特に先住民族や移民者で開きが大きいと報告している。カナダ統計局の調べでは、大学以上の高等教育進学率は男子より女子の方が高く、移民に関しては学歴の高さは男子よりもはるかに女子が高いという。
報告書は、1995年に中国北京で設定された国連の男女格差をなくす綱領にカナダが署名してから、その目標に向けてどれほど近づいているか、もしくは離れているのかを調査したものと説明している。