2019年10月31日 第44号

 バンクーバーでバス運転手によるストライキが、早ければ11月1日から決行される可能性が出てきた。

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーの公共交通機関を管理運営するトランスリンク傘下コースト・マウンテン・バス・カンパニー(CMBC)は28日、労働組合からバス運転手によるストライキ決行への72時間前告知を受け取ったことを明らかにした。

 10月31日24時までに交渉がまとまらなければ、翌日からストライキを決行するという。ただバスの運行全面停止はないとしている。

 労働組合は運転手の給与引き上げ、福利厚生の充実、労働環境の改善を要求している。特に労働環境の改善では、運転手が直面している厳しい現状を訴えている。組合によれば、バスの利用者が増加し、バスの運行便数が増加しているため、運転手が休憩や食事を取らないことが多いという。バスが常に満員状態なことも運転手に過剰な精神的圧迫を与えていると訴えている。

 労働組合は今月3日に労使交渉が決裂した後、ストライキ決行に99パーセントが賛成したと発表した。

 トランスリンクは3年間でバス運行への大幅な改善を行っており、2021年までにさらに18パーセント増便することを計画していると説明。運転手も過去2年間で1000人増加、2021年までに、さらに1300人の増加を見込んでいると語っている。

 両者は今後も話し合いを持つとしているが、31日深夜までに交渉がまとまるかは不透明で、不測の事態に向け両者とも用意すると語っている。

 前回メトロバンクーバーでバス運転手がストライキを決行したのは2001年の夏。その時は4カ月間バス運行が全便停止した。

 

2019年10月31日 第44号

 アルバータ州カルガリー市のカルガリー動物園にいるパンダの親子が、もう少し一緒に時間を過ごせることになったと28日、動物園が発表した。

 カルガリー動物園には現在4頭のパンダが飼育されている。これは連邦保守党政権時代に、カナダ政府が中国から10年間のリース契約として合意したもので、最初の5年をオンタリオ州トロント動物園で過ごし、残りの5年をカルガリーで過ごしている。

 リースされたのは2頭だけだったが、トロントで繁殖に成功。2015年に双子のパンダが誕生した。

 親子がカルガリーに引っ越したのは昨年3月。しかし中国との合意で、生まれたパンダの子供は4歳くらいになると中国に返さなければならないという。そして中国で繁殖プログラムに入るとされている。

 そのため、カルガリーの双子の2頭も10月6日以降に中国に向かうはずだったが、国際許可証と飛行機の手配の関係で帰国が延長。2020年初頭までカルガリーに滞在できることになったと動物園が発表した。

 10月初めには双子のパンダのためにすでにサヨナラパーティーも済ませたということだが、動物園にとってはうれしい誤算。両親パンダは2023年までカルガリー動物園に滞在する。

 

2019年10月31日 第44号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で飲料用容器の回収による返金額がこれまでの5セントから10セントに引き上げられることが23日に発表された。

 回収を担当しているのはエンコープ・パシフィックで、BC州ではリターン・イットのトレードマークで知られている。

 今回引き上げの対象となるのは、ソフトドリンク、ジュース、水、エナジー・スポーツドリンクの1リットル以下の容器全て。リターン・イット回収センターや回収を扱う小売店に返却すると1個に付き10セントが返金される。

 BC州では、これらの飲料水購入時にリサイクル料金が加算されている。そのため返金額を引き上げることで回収率を改善するという狙いがある。

 2018年のBC州での回収率は77.4パーセント。全国でも回収率が高いが、さらに改善を目指すと同社アレン・ラングドンCEOは意欲を見せている。

 カナダではストローなどの使い捨てプラスチックを早ければ2021年には禁止することを発表。こうした対策は、近年問題となっている海洋へ流出するプラスチックゴミを減らすための対策として世界的な動きとなっている。

 BC州では今年9月、環境省がクリーンBCプラスチック行動計画を実施するための諮問機関を設置した。

 

2019年10月31日 第44号

 カナダの首都オタワで若者たちが要求したのは連邦議員に対する環境対策への取り組みだった。

 28日、国会議事堂内を無料で案内するツアーに参加した27人が、下院の本会議場に到着すると床に座り込み、環境問題を示すメッセージを印刷した黄色い布を広げたという。

 彼らは、アワタイム(私たちの時代)というグループで、先週の選挙で当選した議員に近々再開する国会で「環境問題の優先」を提案した338件を書いた手紙を渡すことが目的だったとオタワのメディアが伝えている。

 座り込みは15分ほどで終わり、警備員に退出を強いられた。同時に不法侵入の切符が各人に発行され、全員30日間の国会議事堂入場禁止の処分を受けた。

 

2019年10月31日 第44号

 カナダの人気作家マーガレット・アトウッド氏(79)がイギリスのコンパニオンズ・オブ・オーナー勲章を受章した。25日にイギリスのウィンザー城でエリザベス女王からメダルを授与されたアトウッド氏は、イギリスのメディアに「感情がグッと込み上げてきました」と語っている。

 この勲章はジョージ5世によって1917年に創設され、科学、医学、芸術、政治で広く貢献した人々に贈られる。受賞者数は最大で65人。多くはイギリス国民だが、イギリス連邦の国からも少数だが選ばれている。

 アトウッド氏は代表作である「侍女の物語」が最近テレビドラマ化され、ドラマが賞を受賞するなど再び作品が注目を集めている。今月初めには世界的に権威ある文学賞の一つ、イギリスのブッカー賞をイギリス人作家バーナディン・エヴァリスト氏とともに受賞している。アトウッド氏はこれまでにフィクション、エッセイ、詩など40冊以上を執筆している。

 コンパニオンズ・オブ・オーナー勲章はアトウッド氏のほかには、ハリー・ポッターで有名なJ.K.ローリング氏や歌手のポール・マッカートニー氏、カナダ人では歴史家のマーガレット・マックミラン氏らが受章している。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。