2019年11月7日 第45号

 選挙が終わって2週間が過ぎ、各党ともに次の段階へと進んでいるが、保守党ではアンドリュー・シェア党首に注目が集まっている。

 保守党は選挙で2015年よりも多く議席を獲得したものの、政権奪取に失敗した。保守党内部では、ジャスティン・トルドー首相が数々の失態でほぼ自滅状態にあったにもかかわらず、政権を取れなかったのは特定の問題についてのシェア党首の個人的な信念によるものが響いたのではないかとの見方が広がっている。

 元保守党政権で外務大臣や防衛大臣を務めたピーター・マッケイ氏が10月30日、アメリカ・ワシントンDCで行われたイベントで、「がら空きのネットにシュートするチャンスがあったにもかかわらず、シュートを外した」と語って注目を集めた。政権が取れなかった理由を、シェア党首の妊娠中絶や同性婚に対する見解が一定の有権者を保守党から離れさせたのではないかと説明した。

 シェア党首は、妊娠中絶と同性婚に反対の立場を取っているが、カナダとして、党として、すでにこの件については決着済みとして、党として妊娠中絶反対、同性婚反対を今さら持ち出すことはしない、ただ個人が意見を持つことは自由と語っていた。

 マッケイ氏の発言については保守党内でも賛否両論が激突した。各議員がツイッターで発言を応酬している。マッケイ氏は党首候補とされていたが、前回の党首選には立候補しなかった。保守党が今回の選挙で勝てなかったことを受け、シェア党首辞任となれば党首選に立候補するのではと囁かれている。

 しかしマッケイ氏は発言した翌日にツイッターでコメント。自分は選挙期間中シェア保守党のために最大の協力をしたし、シェア党首を支持している、自分が次の党首選のために準備をしているという一部の報道は誤りだと語っている。

 

2019年11月7日 第45号

 フランス文化を継承する独自政策を掲げるケベック州で、移民申請者に「ケベックテスト」を実施する準備を着々と進めている。

 10月30日には、そのテスト内容の一部が公表された。内容は、ケベック州の民主主義政策、フランス語文化、権利と責務、男女平等、そして世俗主義。世俗主義は今年ケベック州で可決された法律で、公共の職務に就く職員が宗教的なシンボルを着用できないとするもの。公立学校の教師や警察官、消防士などがこれらの職種に当たる。

 ケベック州CAQ政権フランソワ・レガノー州首相は、「ケベックで(こうしたテストを実施することは)重要だと考えている。ケベック州は自治体であり、独自の社会を持っている。我々には我々の価値観があり、我々の憲章がある」と語った。

 テストは、ケベック州で永住権を申請する前に実施されるケベック州での移民選択過程で実施されると説明、2020年1月からの導入を予定している。

 しかし野党からはテストには何の意味もないとの声が上がっている。ケベック州に移民したいと思っている人たちは、勉強をして受験するためできて当然で、それが受験者のケベック州に対する理解を深めることにはならないと語っている。

 

2019年11月7日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーで差別的言動が相次いでいる。4日に多くのメディアで取り上げられたのはリッチモンド市でのできごと。被害者が男性との会話をスマートフォンで録画した映像が紹介された。

 映像では、年配の男性が被害者に向かって「中国人が大嫌いだ。これは侵略だ」と洗車しながら叫んでいる。被害者によると、この場所では洗車は禁止されているという。そして男性は「自分の国に帰れ」と叫んでいる。

 さらに同日、CTVバンクーバーは深夜バス内でのできごとをやはりスマートフォンで撮影した映像を紹介。そこには若い女性が撮影者に向かって差別的発言をしている場面が録画されていた。

 女性は、「私はカナダ市民で、あなたたちみたいに金持ちの両親に支援してもらってカナダで英語を話して私たちより優れていると振る舞うことにうんざりする」と言っている。これを撮影者が笑い飛ばすと「私はカナダ人で、そっちは違うでしょ」と言ったという。この撮影者はCTVバンクーバーに対して、自分たちは7歳で移民してメトロバンクーバーに住んでいるカナダ人だと説明。しかしこうしたことが頻発しているので、啓発の意味を込めてテレビ局に映像を送ったと語っている。

 この2件の事件の前に、バーナビー市のショッパーズ・ドラッグマートで女性がレジの店員に向かって「カナダにいるなら英語を話しなさい、中国語を話すなら違う場所でやりなさい」と怒鳴っている映像が繰り返し流され注目を集めた。

 それから1週間も経たないうちの2件の映像。こうした言動は以前からあることはあったが最近はこうした言動をしてもいいと思っている傾向があることが問題と専門家は語っている。

 深夜バスでの映像を受け、メトロバンクーバー・トランジット警察は事件を捜査しているという。もし公共交通機関でこうした被害にあった場合は、トランジット警察に通報してほしいと呼び掛けている。通報先は、604−561−6776、もしくはテキストメッセージ877777まで。

 

2019年11月7日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市の市議会は5日、花火の販売を禁止する動議を賛成多数で可決した。

 今後は市の職員がバンクーバー消防署、バンクーバー市警と協力して、花火の販売と使用を2021年までには禁止する計画を練っていく。市議会には2020年に報告される予定としている。

 花火の使用についてはこれまでにも議論にあがってきた。特にハロウィンの時に花火をあげる人が増えるため、毎年議論が起こる。今年も10月31日には街中のあちこちで花火が上がっていた。

 花火は危険なだけでなく、火事を引き起こしたり、動物に影響を与えたり、心的外傷の引き金になる可能性があるという。

 早ければ2021年から禁止される。ただし、市が許可する年中行事での使用は例外としている。その中には、カナダデーやセレブレーション・オブ・ライト、大晦日、チャイニーズ・ニューイヤー・パレードなどが含まれている。

 メトロバンクーバーではすでに、ノースバンクーバーやコキットラムなどで販売を禁止、リッチモンド、サレー、デルタ、ラングレーなどで使用を禁止している。

 

2019年11月7日 第45号

 ハロウィンでもらったチョコレートから縫い針が見つかるというショックな事件が起きていたことが5日分かった。

 針を見つけたのは、ブリティッシュ・コロンビア州バーノンレイクに住むシャロン・ターナーさん。10月31日のハロウィンで子供がもらってきたチョコレートを翌日にチェックしている時に、その一つの中に縫い針が入っていたのを見つけたという。ターナーさんによると、そのチョコレートには小さな穴があって、すでに半分に折れていたと説明している。

 バーノンレイク連邦警察(RCMP)は5日、この事件について捜査していることを明らかにした。警察によると、ターナーさんたちがいくつかの地域でチョコレートをもらってきているため、縫い針入りチョコレートがどこで紛れ込んだかは特定できていないという。

 今回の件でケガをした人はいない。現在のところ、これ以外に異常なチョコレートやキャンディは見つかっていないとRCMPは報告している。

 何か情報を知っている人がいれば連絡してほしいと呼び掛けている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。