2019年11月7日 第45号
ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーで差別的言動が相次いでいる。4日に多くのメディアで取り上げられたのはリッチモンド市でのできごと。被害者が男性との会話をスマートフォンで録画した映像が紹介された。
映像では、年配の男性が被害者に向かって「中国人が大嫌いだ。これは侵略だ」と洗車しながら叫んでいる。被害者によると、この場所では洗車は禁止されているという。そして男性は「自分の国に帰れ」と叫んでいる。
さらに同日、CTVバンクーバーは深夜バス内でのできごとをやはりスマートフォンで撮影した映像を紹介。そこには若い女性が撮影者に向かって差別的発言をしている場面が録画されていた。
女性は、「私はカナダ市民で、あなたたちみたいに金持ちの両親に支援してもらってカナダで英語を話して私たちより優れていると振る舞うことにうんざりする」と言っている。これを撮影者が笑い飛ばすと「私はカナダ人で、そっちは違うでしょ」と言ったという。この撮影者はCTVバンクーバーに対して、自分たちは7歳で移民してメトロバンクーバーに住んでいるカナダ人だと説明。しかしこうしたことが頻発しているので、啓発の意味を込めてテレビ局に映像を送ったと語っている。
この2件の事件の前に、バーナビー市のショッパーズ・ドラッグマートで女性がレジの店員に向かって「カナダにいるなら英語を話しなさい、中国語を話すなら違う場所でやりなさい」と怒鳴っている映像が繰り返し流され注目を集めた。
それから1週間も経たないうちの2件の映像。こうした言動は以前からあることはあったが最近はこうした言動をしてもいいと思っている傾向があることが問題と専門家は語っている。
深夜バスでの映像を受け、メトロバンクーバー・トランジット警察は事件を捜査しているという。もし公共交通機関でこうした被害にあった場合は、トランジット警察に通報してほしいと呼び掛けている。通報先は、604−561−6776、もしくはテキストメッセージ877777まで。