2019年11月7日 第45号

 安全とされるカナダの水道水で鉛の含有率が高い地域があることが分かった。9大学、10メディアから120人のジャーナリストが参加して行われた水道水質調査の結果が4日に発表され、多くの都市で国内基準を超えていることが明らかになった。

 鉛の含有率が特に高かったのは、ケベック州モントリオール、サスカチワン州レジャイナ、ブリティッシュ・コロンビア州プリンス・ルーパート。

 鉛が体に蓄積すると健康被害の原因となることで知られ、特に子供や妊婦などが影響を受けやすいとされている。

 今回の調査でプリンス・ルーパートでは15.6ppbの鉛が見つかったという。

 カナダでは飲料水の水質試験を実施する義務を課しておらず、仮に水質試験を実施しても結果を公表する義務は課されていない。BC州も例外ではなく、市町村に水質検査の義務はない。

 しかし今回の調査で全国の多くの都市で水道水から基準値以上の鉛が検出されたことで、今後何らかの対策が取られる必要があるとジャーナリストらは主張している。

 鉛の原因は水道管とみられ、まだ全国各地で鉛製の水道管が使用されているため、飲料水に混ざると報告している。

 もし自宅の水道管が鉛製の場合は、交換は自己責任で自己負担する必要がある。自宅以外の場合は行政に責任がある。

 鉛は水道水に含まれていても色として見えないため、実際には分からないのが実情。それでも含有率が高い飲料水を取り続けると体に支障をきたしかねない。子供や妊婦だけではなく、広く誰にでも影響が出る危険があると警鐘を鳴らす。

 対策は政治家に訴えることと言う。行政でもどこで鉛の水道管を使用しているか把握していないところが多いため、政府主導で動くよう働きかけることが重要と語っている。

 

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