2016年9月29日 第40号

 カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)BCライオンズは23日、アルバータ州エドモントンでエスキモーズと対戦。第1クオーター、第2クオーターと着実に得点を重ね、接戦ながらも、前半を終え15ー14と辛うじてリードして折り返した。後半は1本のタッチダウンも奪えないライオンズに対し、着実に得点を重ねていったエスキモーズが第3クオーターでライオンズを引き離し、23ー27で勝利した。

 これで第14週を終え、ライオンズは12試合を消化、8勝4敗、勝ち点16で西地区2位につけている。翌日カルガリーでは、ウィニペグ・ブルーバマーズ対スタンピーダーズの一戦が行われ、34ー36でスタンピーダーズが惜敗した。これにより、ブルーバマーズが勝ち点でライオンズとならび16となった。ただライオンズが消化試合数が1試合少ないため、現在のところ2位に止まっている。

 2位ライオンズと3位ブルーバマーズが足踏みしている間に、首位スタンピーダーズは勝ち点を23まで伸ばし、早々とプレーオフ進出一番乗りを決めた。

 東地区は首位が勝ち点13のオタワ・レッドブラックス、2位はハミルトン・タイガーキャッツで勝ち点12、3位はトロント・アーゴノッツで勝ち点10となっている。CFLは相変わらず西高東低が続いている。

 CFLのレギュラーシーズンは全18試合。ここまで12ー13試合を消化し、プレーオフ進出争いも激しくなっている。プレーオフは両地区とも上位3チームが参加。今季は接戦が続くため、大きな注目が集まっている。

 

2016年9月29日 第40号

 ブリティッシュ・コロンビア州で8月2日より施行された外国人住宅購入者税は、違法であり外国人に対する差別であるとして、その払い戻しを訴える集団訴訟がBC州最高裁判所に提起された。

 外国人住宅購入者税は、高騰が続くメトロバンクーバー地区の住宅価格の沈静化を狙って施行され、家の価格の15パーセントの税金を、外国人購入者に限って課税するもの。今回の集団訴訟は、この税金を払った人全てが実質的に原告となる。

 この集団訴訟の代表を務めるのは、中華人民共和国からの留学生ジン・リーさん(29歳)。リーさんは同州バーナビー市に住み、大学に通っている。

 リーさんがメディアに語ったところによると、彼女は7月中旬にラングレーで売りに出ていた56万ドルのタウンハウスを購入。そのための10パーセントの頭金5万6000ドルは、母国にいる両親や友人から借り集めた。

 その直後に外国人住宅購入者税が施行され、リーさんは追加の8万4000ドルを払わなければならなくなった。もし購入を解約しても、頭金は戻らない。進むことも、戻ることもできないと、リーさんはインタビューに答えていた。 訴訟の争点のひとつは、外国人や外国との貿易や商取引に関する法整備は連邦政府の管轄であり、BC州政府にはこうした外国人を対象にした税を制定する権限はないという点。

 ふたつ目は、この税は外国人に対する差別であるという点。また集団訴訟を担当している法律事務所は、この外国人住宅購入者税は、カナダが他国民への平等な扱いを保障している条約に違反していると指摘する。そうした条約を締結している国の数は、アルゼンチンや中国、ロシア、またNAFTA締結国であるアメリカなど30カ国を超えるという。

 また法律事務所は、今回の集団訴訟は決してメトロバンクーバー地区の不動産問題をないがしろにするものではないと、メディアに説明している。この目的は、州政府が問題に対して誤った手段を用いたことを正すためのものだとしている。

 この集団訴訟が実際に審理されるためには、まず最高裁判所による承認が必要となり、それには何カ月かを要する。その間は、州政府は引き続き外国人住宅購入者税を徴収し続ける。

 

2016年9月22日 第39号

 中国当局にスパイ容疑で拘束されていたカナダ人男性ケビン・ガラットさんが16日帰国した。ガラットさんの家族がブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーに到着したと声明を発表した。

 ガラットさんはバンクーバー出身で、1984年から妻ジュリアさんと中国に在住、北朝鮮との国境に近い町でコーヒーショップを営んでいた。 しかし2014年8月、中国当局にスパイ容疑で2人とも拘束され、2015年2月にジュリアさんだけ保釈され帰国したが、ケビンさんは拘束されたままになっていた。

 ガラットさんの釈放については保守党政権時代からスティーブン・ハーパー前首相が中国訪問の時にも交渉するなど、カナダ政府として働きかけていた。

 今回の釈放についてジャスティン・トルドー首相は「ケビン・ガレットさんが無事にカナダに帰国したことをうれしく思う」との声明を発表。また、ガレットさんの帰国に尽力した関係者に感謝の意を表した。

 先月トルドー首相は中国を訪問、同国で開催の20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する前に中国首脳と会談し、経済や人権問題と共に、ガレットさんの拘束についても言及したことを当時の記者会見で明かしている。その約2週間後にガレットさんに対する判決が中国の裁判所で下され、強制退去による帰国が実現した。今月21日からは中国の李克強首相がカナダを訪問する。このタイミングでの解放に、中国に見返りを要求されているのではとの憶測があり、それについてカナダ政府関係者は「そうした事実はない」と否定している。

 ただ、中国側は中国での逮捕を逃れるためにカナダに逃亡している汚職高官の引き渡しを要求しているのでは、と中国事情に詳しい専門家は語っている。中国はカナダをはじめアメリカやオーストラリアと引き渡し条約を締結していないため、これらの国が汚職中国人高官の逃亡先となっていると中国側が考えている、と専門家は指摘している。

 

2016年9月22日 第39号

 グラウスマウンテン・リゾートは19日、リゾートの管理運営と485ヘクタールの土地を売却すると発表した。

 グラウスマウンテンは、1974年にバンクーバーを拠点とするマクラリン・ファミリーが管理運営し、89年に完全買収、以降約40年間にわたり所有し続けてきた。

 今回の売却の理由について、同ファミリー広報は「同リゾートのビジネスが非常にうまくいっていて、売却するにはいいタイミングと感じているようだ」と語った。売却については特に期限や売却希望額は公表されていない。

 グラウスマウンテンはバンクーバーの象徴的な観光地で、街からも近く、冬はスキー、夏はアウトドアなどが楽しめ、年間140万人の観光客が訪れる。

 リゾート地売却と言えば、バンクーバー近郊の代表的なリゾート地ウィスラー・ブラッコムが先月、コロラド州を拠点とするベイルリゾートに14億ドルで買収されたことはまだ記憶に新しい。

 今回の売却について、ウィスラー・ブラッコムとの関連性は特にないと広報は語っている。

 

2016年9月22日 第39号

 ブリティッシュ・コロンビア州クリスティ・クラーク州首相は19日、バーナビー市で記者会見し、州政府として5億ドルを投じて2900戸の賃貸住宅を建設すると発表した。非営利団体、市町村、民間企業などと協力し実現するという。

 今月15日にはBC州マイク・デヨン財相が2016年度の歳入が25億ドルになる予定と四半期財務報告で語り、黒字額は今年2月の予測よりも16億ドル多い19億ドルになるという。

 歳入の15億ドルは個人所得税と法人税の増加によるもので、9億6500ドルは不動産譲渡税の増加によるものとしている。

 こうした歳入増加を受けて今回の賃貸住宅建設の発表となった。来年3月には承認される予定で、住宅は36カ月以内に完成するとしている。低中所得者、シニア、学生、障害者、先住民族、ひとり親家族を入居対象としている。

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。