2016年9月22日 第39号
カナダ不動産協会は15日、8月の中古住宅販売数が前月比で3・1パーセント減少したと発表した。過去2年で最も大きい下落幅となった。
要因はブリティッシュ・コロンビア州で大きく販売数が落ち込んだことで、同州政府が8月2日に実施したメトロバンクーバーでの外国籍住宅購入者に対する15パーセントの新課税導入が影響しているとみている。ただ、バンクーバーでは新課税導入前からすでに販売数については落ち着きを見せ始めており、新課税導入はそれを多少助長したに過ぎないとしている。
もう一つの住宅高騰市場トロントを抱えるオンタリオ州では、記録的な販売数のまま推移、落ち着きを見せる様子はないと報告している。
一方で住宅価格については、8月の住宅価格指標は前年同月比で14・7パーセント上昇している。
さらに14日に、テラネット‐ナショナルバンクが発表した複合住宅価格指標でも、8月の住宅価格は全国平均で前月比1・5パーセント上昇、前年同月比では11・4パーセント上昇していると発表されている。全国11都市を調査対象としている同調査が、1999年に調査を始めて以降8月としては3番目に大きな上げ幅となったと報告している。
特に、住宅価格が高騰し続けている2都市での上昇幅は大きく、トロントでは前月比で2・8パーセント上昇し7カ月連続、バンクーバーでは前月比1・7パーセント上昇で20カ月連続となった。同指標が2005年の住宅価格を100と設定して以降では、249パーセント上昇となっていると報告した。
一方で、原油価格下落による影響が大きいアルバータ州カルガリーでは前年同月比で4・5パーセント下落している。
前年同月比で最も上昇幅が大きかったのはバンクーバーで25・8パーセント、次いでビクトリア17・5パーセント、トロント14・6パーセントだった。