2017年10月12日 第41号
ブリティッシュ・コロンビア州政府は4日、投票方法の変更を含めた選挙改革法案を議会に提出した。
選挙改革は新民主党(NDP)の選挙公約の一つ。7月に政権交代を実現し、次の選挙に間に合うようにこの時期の提案になった、とデイビッド・イービー司法長官は記者会見で語った。
注目は投票方法を現在の小選挙区から比例代表へと変更するかどうかを住民に問う住民投票。郵送による投票とし、来年11月30日までには実施すると語っている。選挙投票方法の変更を実現するには住民投票の51パーセントの賛成を必要とする。
現在の小選挙区制では各選挙区で得票数が最も多い候補が当選する。しかしそれでは全体の得票率を反映していないとして選挙改革の必要性を訴えていた。
ジョン・ホーガン州首相は同日の議会提案前に記者会見し、有権者からの支持が50パーセント以下の党が全ての権力を保有するのは適切ではないとの意見を述べた。過去5回の選挙で得票率が50パーセントを超えたのは2001年の1回のみという。この時は、ゴードン・キャンベル自由党がNDPから政権を奪取した。
住民投票に関する一般州民からの意見収集方法などは後日発表するという。住民投票の質問内容なども含まれる。また比例代表制の方法についても州民からの意見を募る考え。これまでBC州では2回選挙改革を問う住民投票を実施しているが、いずれも賛成多数を獲得できなかった。
NDPと協力体制にあるグリーン党も選挙改革を公約に掲げており、比例代表制への変更で協力していくとしている。今年5月に行われた選挙では、自由党、NDPともに得票率は40パーセント強、グリーン党は17パーセントだった。
その他の選挙改革案では、BC州公認政党として必要な議員数を4人から2人に減少すること、選挙日をこれまでの5月の火曜日から10月の土曜日と変更することが提案された。
2017年10月12日 第41号
ブリティッシュ・コロンビア州自由党の党首選が、ますます混戦模様を呈してきた。10日、前運輸相トッド・ストーン議員が正式に立候補を表明。これで立候補者は8人となった。
カムループス‐サウス・トンプソン選挙区から当選した現在45歳。クリスティ・クラーク前政権では運輸大臣を務め、公共交通機関や道路・橋などの政策に携わった。記者会見では、州民の声に耳を傾けなかった自由党政権の政策を反省し「政府が州民に最善を押し付けるのではなく、州民と共に地域を変えていくことが必要」と語った。
自由党は今年5月の選挙で過半数に1議席足りず、少数派となったが5期連続政権を実現。しかし、野党新民主党(NDP)とグリーン党の協力による不信任決議により政権交代を余儀なくされた。これを受け党首クリスティ・クラーク前州首相が8月に辞職。党首交代劇の始まりとなった。
これまでに、マイク・デヨン前財務相を含むアンドリュー・ウィルキンソン議員、マイク・ベニエ議員の前政権閣僚3人が立候補を表明。さらに、前バンクーバー市長サム・サリバン議員、今年5月に初当選したマイケル・リー議員、テラスの起業家ルーシー・セイガー氏、そして、保守党から国会議員に当選したダイアン・ワッツ前サレー市長も国会議員を辞職して党首選に参戦している。
自由党は来年2月に党首を決定する。今月には第1回党首討論会が開催される。
2017年10月12日 第41号
オンタリオ州トロント地区のゲームソフト会社が開発したゲームが、差別主義だとの批判を受け、販売を中止することになった。
この会社は、トロント北部のマーカムにあるビッグ・オー・ツリー・ゲームス社。同社が開発した『ダーティ・チャイニーズ・レストラン』と名付けられたゲームでは、プレーヤーは大型包丁を手に犬や猫を追いかけたり、レストランに抜き打ち検査に来た移民局係官から逃げ回ったりして、ゲームを進めていく。
このゲームの発売予定が発表されるやいなや、各方面から批判の声が上がった。その中にはマーカム市市長やマイケル・チャン・オンタリオ州議会議員、さらにはキャサリン・ウィン・オンタリオ州首相のほか米ニューヨーク州のグレース・メン女性下院議員といった政治家の名前もあった。
チャン議員は、下品で中華系コミュニティを侮辱するこのゲームソフトにはぞっとさせられたとし、言い訳の余地がない差別主義のゲームソフトを開発した、この会社を強く非難するとコメントしている。
これに対し、ビッグ・オー・ツリー・ゲームス社は当初、このゲームのアイディアは自分たちが見ながら育った、政治的には適切でないコメディ番組(『サウス・パーク』、『オール・イン・ザ・ファミリー』、『スタンフォード・アンド・サン』、『ファミリー・ガイ』、『シンプソンズ』、『シャペルズ・ショー』など)の影響を受けた、単なるコメディかつ風刺ものであり、他意はなかったと反論していた。
しかし、その後、同社はそのフェイスブックに、中国文化に対して悪意やダメージを与えようとして開発したものではないと釈明、多方面からの意見を参考にして熟考した結果、『ダーティ・チャイニーズ・レストラン』の発売中止を決定したと発表している。その上で中華系コミュニティに対し正式に謝罪すると書き込んでいる。
2017年10月12日 第41号
サスカチワン州南部の人口1100人ほどの町グラベルバーグは、20世紀初頭のフランス系移民の集団入植から、その歴史が始まった。今でも人口の20パーセント余りが、フランス語を第一言語としている。
そんなバイリンガルの町が、警察官不足に悩んでいる。この何カ月かの間、4人が勤務するはずの同町の警察署では3人分のバイリンガルのポジションが空いたままになっている。唯一のバイリンガル警察官は妊娠中のため内勤だけとなり、911番通報に対応できる警察官は1人だけ。さらに、その警察官がしゃべれるのは、英語のみ。
警察官の数が減少しては町の治安に不安が残るとして町長と町議会は、連邦警察(RCMP)と対応を協議した。連邦警察側は警察署の4人分のポジションのうち、2つをプライオリティ・ワン(バイリンガル)からプライオリティ・トゥー(英語のみだが、フランス語の訓練を受け2年以内にバイリンガルとなることが条件)に変更、これによって警察官を一人、同町に派遣することができた。またRCMPは町側に対し、残りの2つのポジションについてもプライオリティ・トゥーにすることを、RCMPに要請するよう促した。
公務員の言語に関する条例により、人口の5パーセント以上がフランス語を第一言語とする地域では警察官にバイリンガルを義務付けられている一方、最終的にどのような形で住民にそうしたサービスを提供するかはRCMPが決められることになっている。
RCMPによると、警察官不足はカナダ全体で起こっており、全国平均で6・6パーセントのポジションが空いたままになっているという。
同町のフランス語人口の割合は年とともに減少しているものの、バイリンガルのコミュニティであることを誇りにしている町長は今回の措置について、バイリンガルの警察官バイリンガルの警察官、不足がいなくなることより、警察官ゼロとなることのほうが町としては深刻な事態になるとして、苦渋の選択だったとメディアに語っている。
2017年10月12日 第41号
MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは7日ニューヨークでレッドブルズと対戦した。結果は0ー3の大敗だったが、他のチームの結果により西カンファレンス4位以上でのプレーオフ進出が決定した。
ホワイトキャップスは現在カンファレンス首位。9月30日には2年ぶりのプレーオフ進出を決定し、あとは順位を争う状況になっている。
MLSプレーオフは東西カンファレンスの上位6チームが進出する。そのうち3位から6位チームはプレーオフ予選1試合を行う。組み合わせは、3位対6位、4位対5位。3位、4位チームのホームで対戦し、勝利したチームがプレーオフ準決勝に駒を進め、1位、2位チームと対戦する。1位、2位になれば予選を戦う必要はなく、自動的にカンファレンス準決勝に進む。
カンファレンス準決勝、決勝は、ホーム&アウェー方式。準決勝に進出した1位、2位チームのホームゲームは11月5日とすでに決定している。
ホワイトキャップスは残り2試合。次は15日、ホームでサンノゼ・アースクエイクスと対戦する。これがホーム最終戦となる。プレーオフのチケットはすでに10日に一般発売されている。