2017年10月12日 第41号

 オンタリオ州トロント地区のゲームソフト会社が開発したゲームが、差別主義だとの批判を受け、販売を中止することになった。

 この会社は、トロント北部のマーカムにあるビッグ・オー・ツリー・ゲームス社。同社が開発した『ダーティ・チャイニーズ・レストラン』と名付けられたゲームでは、プレーヤーは大型包丁を手に犬や猫を追いかけたり、レストランに抜き打ち検査に来た移民局係官から逃げ回ったりして、ゲームを進めていく。

 このゲームの発売予定が発表されるやいなや、各方面から批判の声が上がった。その中にはマーカム市市長やマイケル・チャン・オンタリオ州議会議員、さらにはキャサリン・ウィン・オンタリオ州首相のほか米ニューヨーク州のグレース・メン女性下院議員といった政治家の名前もあった。

 チャン議員は、下品で中華系コミュニティを侮辱するこのゲームソフトにはぞっとさせられたとし、言い訳の余地がない差別主義のゲームソフトを開発した、この会社を強く非難するとコメントしている。

 これに対し、ビッグ・オー・ツリー・ゲームス社は当初、このゲームのアイディアは自分たちが見ながら育った、政治的には適切でないコメディ番組(『サウス・パーク』、『オール・イン・ザ・ファミリー』、『スタンフォード・アンド・サン』、『ファミリー・ガイ』、『シンプソンズ』、『シャペルズ・ショー』など)の影響を受けた、単なるコメディかつ風刺ものであり、他意はなかったと反論していた。

 しかし、その後、同社はそのフェイスブックに、中国文化に対して悪意やダメージを与えようとして開発したものではないと釈明、多方面からの意見を参考にして熟考した結果、『ダーティ・チャイニーズ・レストラン』の発売中止を決定したと発表している。その上で中華系コミュニティに対し正式に謝罪すると書き込んでいる。

 

 

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