2017年10月12日 第41号
中南米が生息域のハヤブサの仲間、カンムリカラカラ(crested caracara)がニューブランズウィック州の海岸近くに現れた。カナダではほとんど見ることのできないこの迷鳥を一目見ようと、多くのバードウォッチャーが現地を訪れている。
黒い胴体に白い首と尾部、そしてくちばしの根元が赤いカンムリカラカラが目撃されたのは、同州南東部の海岸に近い町ホープウェル・ヒル。主な生息域は南米北部と中米、そしてメキシコの大部分で、たまに米テキサス州やフロリダ州でも目撃されることはあったが、約3千キロメートル離れたニューブランズウィック州まで飛来するのは、極めてまれなことだという。
カナダではめったに見られない鳥が、なぜここまで来たのかは明らかではないが、最近メキシコ湾で立て続けに発生したハリケーンなどの強い風に流されてきたのではないかとみられている。現地を訪れて間もなくこの鳥を発見、撮影にも成功したバードウォッチャーは、寒い冬が到来する前に、この鳥が南へ向けて旅立てることを祈っていると、取材に語っていた。