カナダ銀行は2日、金利を現行の0・5パーセントのまま据え置くと発表した。市場は予測済みのため、大きな動きはなかった。

 前日、第3四半期の実質的国内総生産が年換算で2・3パーセントのプラス成長と発表され、第1、第2四半期がマイナス成長だったため、景気後退感がやや緩んだ雰囲気となった。ただ、第3四半期最後の9月は前月比で0・5パーセントのマイナス成長だったため、今後、好調感が続くかは不透明とみられている。

 カナダ銀行は今年に入り、2回、各0・25パーセント金利を引き下げている。原油価格の急落により天然資源産業が主要産業の一つであるカナダ経済に悪影響を与えたことが要因の一つだった。原油価格は現在も低い水準を保っており、今後もカナダ経済に影響を与えるとみられている。

 さらに、これまでも再三警告してきたが、国民の負債額が過去最高となっていることに対し「(負債額が増額し続ける)世帯の不安定さが、引き続きカナダ経済に悪影響を与える可能性をはらんでいる」と懸念する声明を発表している。

 専門家は、カナダ銀行が金利を変更するのは早くとも2017年になるのではないかと予測している。

 

 自由党新政権発足後初めて、3日に国会が再開された。この日は下院議長が選出され、自由党ジェフ・レーガン議員が就任した。同議員はジャスティン・トルドー首相と保守党ローナ・アンブローズ暫定党首に両脇を抱えられながら議長席へ。東海岸州から選出された議員としては初めて議長に就任し「非常に光栄」と語った。

 レーガン議長(56歳)は、ノバスコシア州ハリファックス・ウエスト選挙区選出、18年間国会議員を務めている。

 議長席に着くと、「議長としての役割は公平であること。常に公平であり、確実であることを心がけていくことをここで告げたい」と語った。また「野次については厳しくいく。この国会では必要ない」と釘を刺した。

 トルドー首相は「カナダの歴史の中で、国会議員の娘であり、妻であり、母であった女性が二人いる」と述べ、「一人は自分の母であり、もう一人はレーガン議長の母で、この2人の女性にこの場で敬意を表したい」とこの日、国会に姿を見せていたレーガン議長の母親にあいさつした。

 レーガン議長の就任について、野党は保守党、新民主党(NDP)ともに、国会の進行で議長に協力していくと語った。

 

 自由党政権は上院の空席について、無所属議員を任命することを明らかにした。マリアム・モンセフ民主機構相とドミニク・ルブラン与党下院院内総務が3日、記者会見を開き、まずは上院議員を任命するための独立的機関の5人を任命したと発表した。

 上院議員については、2013年に起こった上院議員経費不正受給問題で、上院のあり方自体が問われていた。

 自由党は選挙前から上院の改革を主張している。不正問題が起こった後には、全ての自由党系上院議員を離党させ、無所属とすると発表した。現在もその状況は変わっておらず、上院は保守党政権が任命した保守党系議員と独立議員とで構成されている。新民主党(NDP)は政権を取ったことがないため、NDP系上院議員は存在しない。上院議員は首相によって任命される。

 今回の自由党の発表に対して、反対の意見が多く出ている。野党第一党保守党は、自由党政権が無所属上院議員を任命するのは「おかしな感じだ」と述べた。NDPは、それでは問題は解決しないと反論し、上院廃止を訴えている。

 保守党スティーブン・ハーパー前首相は2013年の不正事件以来、上院議員任命を停止している。現在、空席は22席。自由党は2016年末までに全て任命する予定と語っている。

 

 ジョン・マッカラム移民相は3日、記者会見でシリア難民受け入れ態勢のための住宅問題に集中すると語った。

 カナダ政府は今年末までに1万人を、2月末までにはさらに2万5千人を受け入れると発表、受け入れ時期は延長したものの、公約通り政府支援で2万5千人、民間支援で1万人を受け入れる予定にしている。さらに、可能性として民間の協力で5万人まで受け入れたい意向を示した。

 シリア難民の受け入れについては国民の多くが賛成しているが、先月フランスのパリで起きた同時多発テロにシリア難民が関与していた疑いが浮上したため、カナダ政府も慎重な姿勢を示し、身元調査などを入念に行うため受け入れ時期延長となった。

 マッカラム移民相は、現在、難民受け入れについて最優先事項トップ3を、「住宅問題、住宅問題、住宅問題」と語り、高騰する国内の住宅市場を憂慮した。トロント、モントリオールに入国した難民は、全国各地に分散される。

 また記者会見でマッカラム移民相は、難民の中でカナダに移民したいと思っているのは少数派で、約6パーセントという数字があるがと聞かれると、そうした数字は正確なものではなく、「カナダに来たいと思っている難民は多い」と語った。

 

 第42回国会の議会開会の式辞が4日、行われた。デイビッド・ジョンストン総督が読み上げた10年ぶりに復活した自由党政権の政策は、選挙期間中に公約されたものとほぼ同じで大きなサプライズはなかった。

 経済政策では、中間層への減税を強調し、責任があり、透明性の高い、経済的に厳しい現在に挑戦していくに相応しい経済政策を求めていくとした。しかし、原油価格急落により厳しい状況が続く天然資源産業などへの保護政策などは盛り込まれず、選挙期間中に掲げていた100億ドルの赤字予算によるインフラ整備などの公共事業拡大なども言及されなかった。

 その他では選挙制度改革、上院改革、国連での平和維持活動への積極的参加と同盟国との協力、温室効果ガス排出量に対する課金制度導入などの環境対策、マリファナの合法化などが盛り込まれた。さらに、先住民族女性を取り巻く問題についても国全体として取り組んでいくとした。

 自由党にとっては約10年ぶりの議会開会の式辞であり、ジャスティン・トルドー首相にとっては初めてとなる。

 野党は今回の演説内容について、野党第一党保守党ローナ・アンブローズ暫定党首は、「大きな政府、莫大な経費以外のなにものでもない。その結果は、国民にさらなる税負担を負わせるだけ」と語った。経済政策についても、アルバータ州だけですでに6万人が失業している天然資源産業や民間企業について一言の言及もなく、これがオンタリオ州だったら対応は違ったはずと、カナダ西部の現状を考慮していないことを批判した。また、イスラム国への対応にもほとんど触れていないことも指摘した。

 新民主党(NDP)トム・マルケア党首は、先住民族への積極的な対応については「素晴らしい」としたものの、法案Cー51やカナダポストの各家庭への郵便物配達問題について全く言及しなかったことを批判した。

 

 

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