2017年10月26日 第43号
カナダ食品検査庁は18日、ジェーンブランドの冷凍チキンがサルモネラ菌に汚染されている恐れがあるとして、リコールした。
対象となった製品はパブスタイル・チキンバーガー(Pub Style Chicken Burgers 賞味期限コードは2018 MA 12)と、チキンカツレツ(Breaded Chicken Cutlets 賞味期限コードは2018 MA 15)。どちらも800グラム入りパッケージで全国で販売されている。
サルモネラ菌に汚染されていても、見た目やにおいは変わらない。幼児や妊婦、また高齢者や免疫システムが弱っている人が感染した場合、重篤な症状を引き起こしたり死亡したりすることもある。
これらの商品をすでに購入していた場合は、速やかに廃棄するか、購入した店に返品するよう検査庁では呼びかけている。
2017年10月26日 第43号
カナダ食品検査庁は16日、貝毒に汚染されている可能性があるとして、ブリティッシュ・コロンビア州の工場で加工されたカキをリコールすると発表した。
このカキを加工・販売したのは同州リッチモンドのアルビオン・ファームス・アンド・フィッシャリー社と、ユニオンベイ・シーフード社。
麻痺性貝毒(Paralytic Shellfish Toxins)は自然界に存在する毒で、有毒プランクトンを捕食した二枚貝がその毒を蓄積、その貝を摂食することで起こる。この貝毒による中毒症状には、唇や舌、手足のしびれや、嚥下困難があげられる。重度の場合は筋肉が麻痺し歩行が困難になったり、呼吸困難を引き起こしたりして死に至ることもある。
この貝毒に汚染された恐れがあるカキが出荷されたのは、アルビオン社からは9日から16日にかけて。またユニオンベイ社からは10日から16日にかけての出荷が対象となる。これらのカキはBC州、アルバータ州、およびケベック州で販売されたことが検査庁によって確認されているほか、他の州や準州にも出回った可能性があるという。
先週までの時点では、このカキが原因とみられる食中毒は報告されていない。
2017年10月26日 第43号
ブリティッシュ・コロンビア州南東部、アルバータ州との州境に近い人口5千人ほどの町ファーニーで17日 、 ア イ ス ア リーナでアンモニア漏れが発生、作業中の3人が死亡する事故が起こった。
当時、アイスリンクでは製氷装置のメンテナンスが行われていた。午後1時過ぎに通報を受けた消防隊員が現場に駆けつけた時には、倒れていた3人のうちひとりに蘇生術が施されていた。隊員は安全確保のためアリーナから全員を避難させ、さらに近隣住民の約60人に対しても万が一に備え避難するよう求めた。
死亡した職員のうち2人は地元出身。ウェイン・ホーンキストさん(59歳)は同アリーナの運営責任者で、つい最近勤続25周年を表彰されたばかりだった。スケートリンクの表面を滑らかに整備する整氷車ザンボーニの運転では、他の人より1周少ないうちにリンク全体の整備を完了できることを自慢していたという。もうひとりは、この2年間同町のレクリエーション課長を務めてきたロイド・スミスさん(52歳)。パートタイムの救急隊員でもあったスミスさんは、アルバータ州カルガリーの南にある町ハイリバーの出身。スティーブン・ハーパー前首相夫人はツイッターで、自身がハイリバーにいた頃スミスさんとは幼なじみで、彼からハイリバーのスケートリンクでザンボーニの運転を習ったことがあると書き込んでいる。
3人目の犠牲者は、スケートリンクの製氷設備会社のカルガリー支店に勤める、ジェイソン・ポロスキーさん(46歳)だった。
18日に記者会見を開いたメアリー・ジウリアーノ町長は、ファーニーはよくまとまったコミュニティで、その中の2人を失ったことに町全体がショックを受けていると語っている。またどんな職場や作業環境であれ、働く人とその家族が安全性に不安を持つようなことがあってはならないと付け加えている。
製氷装置の冷媒として用いられるアンモニアは、通常はそのシステム内に液体として閉じ込められているが、一旦空気中に放出されると気化する。気体は無色で吸い込むと呼吸困難や肺浮腫を引き起こす。症状は吸い込んだ後何時間かして悪化することもある。
ファーニー町役場は20日、業務を休んで喪に服し、犠牲者に哀悼の意を表した。
2017年10月26日 第43号
ノバスコシア州ハリファックスのハーバーフロントで19日、釣り糸の絡んだカモメを助けるために男性が海に飛び込んだ。
ハーバーフロントのレストランで働いていたエリック・ノーランさんは、同僚が教えてくれた人だかりが気になり、覗いてみることに。群衆の視線の先には、絡んだ釣り糸を振りほどこうと、半狂乱になってもがいているカモメの幼鳥がいた。
それを見た瞬間、自分を突き動かす何かを感じたと取材に語るノーランさん。隣に居合わせた女性に服を見ていてくれと頼むや否や、パンツ一丁になってそばにあった救命浮輪を手に取り、そのまま海に飛び込んだ。スキューバダイビングのライセンスを持っているノーランさんは、自分に向かって、水に入ることに躊躇はない、なら行くしかないと語りかけたという。彼はゆっくりと泳ぎながらカモメに近づいて行った。
よく見ると、カモメの片方の足には釣り針が刺さっていた。また別の釣り針が羽にも刺さっており、その釣り糸が何重にも翼に巻き付いてた。これらを慎重にはずしてから、岸に戻り始めたノーランさんは、その間中カモメが首をのばし、こちらをじっと見つめているのに気が付いた。なんとも不思議な感覚にとらわれたと、彼は語っている。
岸壁で彼の服を見守っていた女性は、携帯電話で録画していたこの救出劇をインターネット上で公開している。
2017年10月19日 第42号
ブリティッシュ・コロンビア州自由党は第1回党首討論会を15日、サレー市で開催した。参加したのは党首選に立候補している7人のうち6人。前政権から当選した州議員5人、アンドリュー・ウィルキンソン議員、トッド・ストーン前運輸相、マイク・デヨン前財務相、マイケル・リー議員、前バンクーバー市長サム・サリバン議員、そして前サレー市長ダイアン・ワッツ氏。テラスの起業家ルーシー・セイガー氏は欠席、マイク・ベニエ元教育相は前日に党首選から撤退することを発表した。
討論会では、各候補とも多くの時間を自由党が政権交代を余儀なくされた反省の弁に費やした。多く聞かれたのは州民の声に真摯に耳を傾けなかったというもの。
ウィルキンソン議員は3万フィート上から州民に説教するようにBC州経済の信用格付けやGDP負債率で自由党の政策の成功を説いても、州民の実生活には何の意味も持たなかったと反省した。その点、新民主党(NDP)の州民の生活を少しでも楽にする訴えは効果的だったとも語った。
デヨン前財務相は自分たちの経済政策が間違っていたとは思わないと主張。経済が好調なだけに州民にもっと還元してもいいのでは、との批判の声が党内から出たこともあったが、前財務相がその点を反省することはなかった。
自由党政権下でのBC州経済が好調だったとはいえ、住宅価格の上昇率と所得上昇率の間には大きな隔たりがあり、州民の生活が豊かになったという実感がないにもかかわらず、自由党前政権は自動車や健康保険料など州民生活に密着する費用の引き下げを行うことはなかった。
こうした独りよがりな自由党前政権の政策がメトロバンクーバーで票を獲得できなかった要因とも言える。特にサレー市で大敗したことが大きく響いた。その反省もあり、この日はサレー市で第1回党首討論会を開催。ストーン前運輸相は立候補をわざわざサレー市で表明したほどの力の入れよう。討論会でもサレー市を意識し、前運輸相らしく公共交通機関の充実により帰宅時間の短縮が実現し、生活の質が向上すると訴えた。
前サレー市長ワッツ氏は保守党から国政に進出し2015年総選挙で当選したが、今回の党首選立候補のため国会議員を辞職。州民の声を無視した自由党前政権の大敗に「自由党には変化が必要」とBC自由党とはかかわりのないことで党を一新できると強調した。
サリバン議員はクリスティ・クラーク前州首相の政策を称賛しながらも、党には大きな変化と、それを実現できる実行力が必要と訴えた。
党首討論会は全6回行われる。新党首は来年2月に決定する。