2017年11月2日 第44号

 連邦政府は、マリファナの危険性と正しい知識を普及するためのキャンペーンに、今後5年間で364億ドルを充てることを10月31日、発表した。

 対象は主に若者で、健康被害や運転への影響などを教育していくという。ジネッテ・ペティパス保健相は、「マリファナについては間違った知識が蔓延している」として、繰り返しキャンペーンを行い、対象とする人々へ確実に情報が届くようにすると語った。ソーシャルメディアなども活用する。今回の費用は、2017年予算案に組み込まれた960万ドルとは別に計上する。

 自由党政権は2018年7月1日のマリファナ合法化の実現を目指して、現在法整備などを進めている。しかし野党保守党が反対しているほか、健康・保健関連機関や州政府などからは、時間的に厳しいのではとの声が上がっている。

 

 

2017年11月2日 第44号

 ブリティッシュ・コロンビア州新民主党(NDP)政権は10月30日、市政への献金を規制する法案を発表。企業・組合からの献金を禁止し、個人献金額は1200ドルを上限とすると発表した。

 今回の対策は、今年7月に政権がNDPに交代し、導入された政党献金規制とほぼ同様の内容。同州セリナ・ロビンソン市政関係及び住宅相は、今年中には議会で可決される見通しで、可決されれば来年行われる市町村選挙に適用されると語った。

 市町村や労働組合では、概ね賛同する声が上がっている。

 

 

2017年11月2日 第44号

 カナダ統計局は10月25日、2016年に実施された国勢調査の結果のうち、先住民族、移民、住宅に関する項目をまとめた報告書を発表した。

 移民については、海外生まれのカナダ移民が750万人となり全人口の21・9パーセントを占めた。これは、1921年の国勢調査で22・3パーセントが記録されているが、戦後では最高。統計局は2036年までには、さらに増え、25〜30パーセントに達するだろうと予測している。このうち、英語・フランス語以外を母国語とするのが70パーセント以上。1921年の調査では70パーセント以上が母国語を英語・フランス語としており、完全に逆転した。

 前回調査の2011年から2016年の間に新移民となったのは約120万人。2016年の全人口の3・5パーセントを占めた。カテゴリー別では経済移民が60パーセント、家族移民が26・8パーセント、難民移民が11・6パーセント。移民出身地域で最も多いのは、中東を含むアジア圏で61・8パーセント、次いでアフリカ13・4パーセント、ヨーロッパは11・6パーセントと3番目だった。

 2016年調査でビジブルマイノリティ(白人、先住民族のカテゴリーに属さない人種)は、770万人で全人口の22・3パーセント、うちカナダ生まれは30パーセントだった。出身地では南アジアが最も多く190万人。ビジブルマイノリティの4分の1を占めている。次いで中国160万人、20・5パーセント、出身地に関係なく黒人のカテゴリーに当てはまる人は120万人と初めて100万人を突破。15・6パーセントを占めた。

 また15歳以下の子どものうち、220万人、カナダ全体の37・5パーセントが海外生まれ、もしくは両親のどちらかが海外生まれ。今回の調査では人種分布が大きく変化していることが明らかになった。

 また先住民族の人口が急増したことが明らかになったことも今回の調査の特長。167万人が、自身が先住民族と申告。これは全人口の4・9パーセントで前回調査の3・8パーセントから大きく増加。10年間では42・5パーセント増加している。理由としては出生率が高いこと、さらには前回までは先住民族として登録しなかった人たちが自らを先住民族と認めるようになったことが上げられている。

 住宅関連では、移民者の定住先としてアルバータ州、マニトバ州、サスカチワン州と、西部カナダへの定住者数が前回調査より大きく増加。安定した経済と住宅事情が理由とみられている。

 住宅事情では全国1410万世帯のうち住宅を所有しているのは950万世帯、67・8パーセントで前回調査の69パーセントを下回った。住宅のうち、コンドミニアムで生活する世帯が最も多かったのはブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーで、地区全体の30・6パーセント、次いでアルバータ州カルガリーで21・8パーセント、BC州アボツフォード-ミッション21・5パーセント、同ケローナ21・3パーセント、オンタリオ州トロント20・9パーセントと上位をBC州が占めた。

 BC州への移民者は減少傾向にあるという。2001年調査では20・8パーセントだった移民者が、2016年では14・5パーセントに。オンタリオ、ケベック、アルバータに続く。理由は高額な住宅事情と雇用状況。専門家は裕福な外国人の移住に目が奪われがちだが、一般移民者は大金を所持していないため自分たちが定住できる場所に移民する傾向があると分析している。今回の調査でのバンクーバーの不動産価値の平均は100万5920ドル、トロントが73万4924ドル、モントリオール36万6974ドル。全国平均は44万3058ドルだった。

 

 

2017年11月2日 第44号

 ブリティッシュ・コロンビア州ラングレー市で10月25日、1950年代から60年代の、貴重なクラシックカー約40台が保管されていた倉庫で火事が発生した。

 昨年建てられた広さ約740平方メートルの倉庫の中には、多くのGM社製のクラシックカーのほかにも、様々な車関連のグッズがショールームのように整然と飾られ、これらを自ら買い集めてきたオーナーのゲリー・キャシディーさんは、とても誇りにしていたという。そんなコレクションの中には1955年製のポンティアック・スターチーフ2台(そのうちの1台は貴重なサファリ・ステーションワゴン)などが含まれ、総額で200万〜300万ドルの価値があると、クラシックカー専門のジャーナリストはみている。

 火事が発生した時キャシディー夫婦は、クラシックカーのオークションに参加するため米カリフォルニア州ラスベガスに滞在中だった。車などには保険がかけられており、金額的な損失は補填されるものの、ジャーナリストとの電話の会話の中でキャシディーさんは、お金がいくら戻ってきても、車は二度と戻らないと涙ながらに訴えていたという。

 出火当時建物内には人気はなく、消防が出火原因を調査している。

 

 

2017年11月2日 第44号

 MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは、10月25日、BCプレースで西カンファレンスプレーオフ1回戦を行い、5‐0と快勝。準決勝へと駒を進めた。

 レギュラーシーズンを3位で終えたホワイトキャップスは、1試合限りのプレーオフ1回戦で6位サンノゼ・アースクエイクスと対戦。前半にFWモンテロ(#12)のヘディングゴールで先制すると、後半にはゴールラッシュが待っていた。57分にMFテチェラ(#13)がフリーキックから直接シュート。見事にゴール右隅に決まり2‐0。ここから一気に、64分、78分、80分にゴールを決め大勝で準決勝進出を決めた。

 ホワイトキャップスがプレーオフで勝利したのはこれが初めて。準決勝は2位シアトル・サウンダーズFCとの対戦となった。

 準決勝からはホーム&アウェーで対戦する。まずは29日、BCプレースで第1戦を戦った。サウンダーズは昨季のMLS杯優勝チームで、ホワイトキャップスにとっては永遠のライバルでもある。

 この日は5千席増やして販売したチケットも完売し、2万7837人が声援を送った。熱狂的なサウンダーズファンも多く詰めかけていた。

 試合は序盤から守りを徹底した緊迫した展開。前半は、ホワイトキャップスMFシェイ(#20)が放ったシュートが唯一の得点機会。一方、サウンダーズもほとんど得点好機はなく、ホワイトキャップスDFワストン(#4)のあわやオウンゴールがポストに当たったくらいだった。後半も両チーム得点なく試合は0‐0の引き分け。試合後、ホワイトキャップスのロビンソン監督は、フリーキックがあと4回くらいはあってもおかしくなかったと審判の判断に疑問を投げた。

 第2戦は11月2日シアトルで行われる。この試合に勝利したチームが決勝に進出する。

 

 

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