2017年11月9日 第45号

 オンタリオ州トロントのシャローム・オウアノウノーさん(25歳)は9月27日、喘息の発作を起こし同市北部のハンバーリバー病院に搬送され、人工呼吸器が取り付けられた。その3日後、病院側はオウアノウノーさんの症状から、神経学的基準(脳死基準)に従い死亡を宣告した。またその直後には死亡証明書も発行された。カナダの脳死ガイドラインによると、死亡と判断される状況は、不可逆的な脳機能と呼吸の停止となっている。

 しかし超正統派ユダヤ教徒であるオウアノウノーさんの家族は、彼の死は彼の信ずる教義が定める死ー心肺の完全停止ーに従うべきだとして、裁判所に脳死判定の撤回と、生命維持処置を続ける命令を求める訴えを起こした。

 また訴状のなかでオウアノウノーさんの父親は、こうした個人の信条を無視した判定は、人権と宗教の自由を激しく侵すもので、憲法違反だと指摘。もしこの訴えが認められなければ、オウアノウノーさんは取り返しのつかない損害を被ると訴えている。

 

 

2017年11月9日 第45号

 カナダ保健庁は2日、消火器に関するリコールを発表した。ノズルが詰まったりして消化液を放出しない恐れがあるほか、ノズルを火元に向けようとして力を加えると、ノズルが本体から外れる危険性もあるという。

 対象となる消火器は、キディ(Kidde)とガリソン(Garrison)の2ブランドで、プラスチック製のハンドルを装着したタイプか、プッシュボタン式の消火器。

 プラスチック製ハンドルタイプは、1973年1月1日から2017年8月15日にかけて販売されたもので、プッシュボタン式は1995年8月11日から2017年9月22日まで販売されていた。

 カナダでのリコールは、ケディ社と米国消費者製品安全委員会が合同で発表したものに基づいている。米国内では3700万本の、カナダ国内でも270万本の消火器が対象となる。カナダ国内では、消火時に消火剤が放出されなかった事故が2件、メーカーに報告されているという。

 対象となる消火器の製品番号については、カナダ政府のウェブサイトを参照のこと
(『healthycanadian』、『recall』、『fire』、『extinguisher』で検索。)

 

 

2017年11月9日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドで10月29日未明、カジノに近い場所で営業していた違法パブが摘発された。

 リッチモンド連邦警察(RCMP)によると、違法パブの場所は同市中心部を南北に走るNo・3ロード沿いで、ブリッジポート・ロードとの交差点の北側あたり。同警察の組織犯罪対策課が、入手した情報をもとに場所を突き止めた。

 警察がツイッターで公表した現場の画像には、テーブルの上にグラスやプラスチック製のマグのほか、1・75リットル入りのウォッカの瓶などが写っていた。ここで提供されていたアルコール類が正規のものか密造酒なのかについては、警察は明らかにしていない。

 違法パブやナイトクラブは、多くの場合、組織犯罪と関連があると言われている。同市では、このところこうした店のほか、違法カジノが急激に増えている。特に同市東部の農業用地では、敷地内に建てられた巨大豪邸がこうした違法行為の温床になっていると、近隣住民からも市に苦情が寄せられている。

 警察は市と連携しながら、こうした違法パブやカジノの摘発を行っていくとしているが、同時にこうした店は、市内のいたるところー工業地帯のビルから一般住宅までーで、「営業」していると取材に語っている。

 

 

2017年11月9日 第45号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドのショッピングセンターに、一人乗り電気自動車が展示されている。

 前輪2輪、後輪1輪のこの車『ソロ(SOLO)』は、同州バンクーバーの電気自動車メーカー、エレクトラ・メカニカ・ビークル(Electra Meccanica Vehicles Corp.)社が開発した。同社のCOOヘンリー・ライズナーさんはこの車を、排気ガスゼロ、とても経済的なランニングコスト、それでいて運転していて楽しくなる車と形容している。

 全長約3メートル、全高と全幅が1・3メートルの『ソロ』のデザインは、通勤に使われている車の約80パーセントは、ドライバー一人しか乗っていないという現状から導き出された。

 220ボルトの充電スタンドでゼロから100パーセントまで充電するのにかかる時間は約3時間。航続距離は約160キロメートルのほか、最高速度は130キロメートル毎時になる。現在のところ生産拠点は同州ニューウェストミンスター市の工場のみで、手作業で行われている。販売価格は1万9888カナダドル、先週の段階で世界各地から入った注文数は12万台におよぶと、同社は取材に答えている。同社のウェブサイトによると、これから注文した場合の納車時期は、来年の第4半期となっている。

 

 

2017年11月9日 第45号

 ラグビー親善試合カナダ対マオリ・オールブラックスが3日、バンクーバー市BCプレースで行われた。来年から始まる2019年ワールドカップ予選に向けての親善試合。対戦相手はニュージーランド代表でもマオリ族の血を引く者だけが選ばれるマオリ・オールブラックス。会場には約3万人が詰めかけ、大声援を送った。

 試合はマオリの圧勝。9‐51とカナダは1トライも挙げられず一方的な試合となった。カナダ代表は、来年1月27日にBCプレースでW杯予選のウルグアイ戦を行う。

 

 

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