2017年11月23日 第47号

 ブリティッシュ・コロンビア州アボッツフォード市で6日、犯人との銃撃戦で殉死した同市警察の巡査ジョン・デビッドソンさんの追悼式が19日、行われた。

 今年53歳になったデビッドソンさんには妻と、成人した3人の子供がいる。デビッドソンさんは事件当日、盗難届けが出ていた車に関する目撃情報で現場に赴き、そこで犯人のオスカー・アーフマン容疑者(65歳)の凶弾に倒れた。アーフマン容疑者には第一級殺人の容疑がかけられている。

 デビッドソンさんは、イギリス北東部のノーサンブリアで1993年に警察官として働き始めた。アボッツフォード市警察勤務は今年で11年目だった。

 追悼式に先立ち、市民との最後の別れとなる葬儀行進が、会場となったアボッツフォード・センターまで行われた。デビッドソンさんの遺体を乗せた霊柩車は、警察音楽隊や白バイ、そして青い制服をまとった警察官らに先導され市内を行進。また霊柩車の後ろには、殉職した警察官であることを示す、騎手の乗っていない馬が続いた。低気圧の接近で大雨となった当日だが、沿道にはデビッドソンさんへの敬意を表すために何百人もの市民が並んで行進を見送った。

 追悼式にはカナダ各地からの警察官のみならず、元の勤務地ノーサンブリアからも警察官が参加した。デビッドソンさんの棺にはカナダ国旗がかけられ、その上に彼が勤務中に使用していた警察ベルトと、アボッツフォード市警察とノーサンブリア警察の二つの制帽が置かれていた。また式典では、ノーサンブリア警察署長がデビッドソンさんの未亡人に、スコットランドの旗を手渡した。

 彼の同僚の一人は、デビッドソンさんはユーモアのセンスにあふれていたが、ある時コーヒーショップの店員に披露したジョークが彼のスコットランドなまりのために伝わらず、コーヒーを買うだけにしては相当長い時間、店員と話をしなければならなかったエピソードを語っていた。

 その一方で、職務には厳格にあたっていたが、同時に公正でもあったことに触れている。彼に違反切符を切られたドライバーの多くが、別れる前には彼と握手をしていたことからもそれがうかがえると、この同僚は話していた。

 

 

2017年11月23日 第47号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの中心部で18日、小型バスが炎上した。

 場所はコンサートホール、オルフェウム劇場脇のスマイス通りで、午後11時半前のことだった。小型バスの運転手が煙の臭いに気がつき、道路脇に停車してから後部ドアを開けたところ、突然爆発するように火の手が上がったという。消防では電気系統からの出火ではないかとみている。幸いけが人などはなかったが、この通りにはトロリーバス用の電線が張り巡らされているため、これらに延焼しないよう消防隊員が気をつけていた。

 このバスは公共交通用ではなく、少人数のイベントのために貸し切られる、いわゆるパーティーバスだった。

 またオルフェウム劇場ではクラシックコンサートが行われていたが、その終了後に観客は火災現場に近づかないよう、正面玄関ではなく通用口から出るよう案内された。

 

 

2017年11月23日 第47号

 ユーコン準州中部から、ノースウェスト州北部まで続く国道8号線、通称デンプスター・ハイウェイは、今まで人口約3500人の町イヌビックが、その北限だった。マッケンジー川に面したこの町から、この川が北極海に注ぎ込む河口沿岸にある村トウクトヤトウクまでは、冬季に限り凍った川に作られる『アイス・ロード』を利用して、車での行き来が可能だった。

 そんな最果ての町トウクトヤトウクの住民にとって、通年利用できる道路の開通は40年来の悲願だったと、同村村長ダレル・ナソガルアクさんは取材に語る。そして15日、その願いが、ついにかなうことになった。

 この道路の計画が最初に話題となったのは、1960年代のことだった。そして1974年には、道路工事に向けた調査が始まった。ノースウェスト準州政府が道路計画を申請したのが1998年で、その後の先住民や地元経済界も巻き込んだ地道な陳情活動の結果、2009年に連邦政府が2億ドルの予算を承認した。実際の建設が始まったのは2014年のことだった。

 振り返ってみれば長い道のりだったが、その分地元でも準備をするのに十分な時間が持てたと、ナソガルアク村長。地元では、道路開通が環境やコミュニティに及ぼす影響について検討してきた。民宿は宿泊者増にそなえて部屋数を増やし、村ではRVパークや公衆トイレの整備などを行った。地元から遠く離れたある企業からは、町の外観整備のために、と外壁用塗料2千缶が寄付された。

 また安定した物流が実現することから、同村の生活必需品などの物価が年間で150万ドルほど抑えられるとの試算も出された。これは同村の人口一人当たり1500ドルの節約になるという。

 

 

2017年11月16日 第46号

 連邦政府は育休期間を18カ月に延長すると10日、発表した。ただ育休期間中の給付金については増額されない。

 これまでは12カ月だった育休期間が今年12月3日から18カ月まで可能となる。しかし、その間の給付金総額は12カ月間と同額のまま。つまり、18カ月の育休を取れば月々の受給額は減少する。

 カナダ政府ジャンイヴ・デュクロ家庭・子供・社会開発相は、国民の生活形態の変化に合わせて選択肢を増やすことが必要と語り「それぞれの家族が自分たちで自分たちに合った形を選択できるようになった」と記者会見で述べた。

 子育てに関する改革については自由党の選挙公約のひとつ。ただ、今回の変更は国民にとって大きな助けとはならないのではと専門家は語っている。

 その理由に、給付額の据え置きと、対象者が銀行や通信事業関連企業、公務員など連邦関連機関や企業に限定されることをあげている。給付金は現行のままで、12カ月の場合は平均収入の約55パーセント、18カ月の場合は約33パーセントとなる。また、国民の多くは州政府制度が適用される機関や企業で働いているため、今後州政府が追従するかがカギとなる。

 また中小企業側からの意見として、18カ月の育休を取得されることで、その間の従業員の補充、もしくは、補充せずに他の従業員が埋め合わせをするという状況で、中小企業の経営が成り立つのかを心配する声もあがっている。

 

 

2017年11月16日 第46号

 連邦政府は10日、来年7月1日の合法化を目指すマリファナ販売について、その課税方法と配分を発表した。

 それによると、マリファナ1グラムにつき1ドル、もしくは10パーセントのどちらか高い方を課税、それに消費税が加算される。州によって消費税が異なるため、最終的な販売価格は地域によって異なる。例えばオンタリオ州の場合、1グラム8ドルのマリファナに1ドルが課税され、さらに13パーセントの消費税HSTが加算され、最終的な販売価格は10・17ドルとなる。

 さらに税収は連邦政府と州政府で50パーセント・50パーセントの配分にするという。これについて州政府からは不満の声が上がっている。連邦政府が法整備をするとはいえ、実際に管理や取り締まりは州政府や市が担う。警察官の増員や訓練、健康被害などを考慮した保険制度の改正など、地方政府の負担は大きいと訴える。

 この日記者会見したビル・ブレア議員は、「課税については妥当だと思っている」と語り、違法販売に対抗できるほどの価格には抑えているし、だからと言って誰もが簡単に手に入れたいと思えるほど安いわけではないと語った。

 今後は12月7日まで公での協議期間を設け、12月10日、11日には、連邦政府と州政府の財務大臣が協議する予定になっている。そこで配分についても検討されるとみられている。

 

 

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