2017年11月23日 第47号
メトロバンクーバーの公共交通機関を管轄するトランスリンク社は20日、公共交通利用時の支払い制度変更について一般からの意見を公募すると発表した。
現在は、3ゾーン(地域)制を採用し、ゾーンをまたぐ場合に料金が加算される仕組みを取っている。これを利用した距離に応じて加算していく制度に切り替える提案をしている。
距離加算方式で今回提案されたのは2案。一つは、スカイトレインなどの列車にのみ導入し、バスは現在同様一律料金とするもの。もう一つは、バスも含めた全ての公共交通機関で導入するというもの。
トランスリンクは公共交通機関改善の一環として料金制度改革に着手。今回の市民からの意見収集はその第3段階。距離に応じた制度を導入する理由について、利用者から現在の3ゾーン制は短い距離でもゾーンをまたぐと追加料金が取られるため不公平との声が上がっていたと説明している。
さらに、今回の料金制度改革では、同交通機関を頻繁に利用する定期パスやストアバリュー制の利用者への料金引き下げなども検討している。
トランスリンクは2015年に現在のコンパスカード制度を導入。その時にバスのシステムがうまく連携しなかったため、列車利用は3ゾーン制、バス利用の場合は一律料金を採用している。
トランスリンク社は、バスや列車、シーバスの運行便数を増加するなど、公共交通機関の充実を確実に進めている。その一環として今年7月に料金の引き上げを行っている。
一般からの意見はオンラインで質問に答える形式で、トランスリンク社のサイトから行うことができる。
https://www.translink.ca/
2017年11月23日 第47号
アルバータ州カルガリー市は21日、2026年冬季オリンピック・パラリンピックの開催都市に立候補するための準備に、さらに200万ドルを充てることを市議会で可決した。
これまでにカルガリー招致調査委員会を設置し、五輪開催がカルガリー市にとって有益かどうかを調査。その調査費としてすでに500万ドルを費やしている。その調査結果は市議に報告されている。
カルガリーでは1988年にカナダ初の冬季五輪が開催された。この時に建設された競技施設は、現在も五輪関連競技会場として使用されている。
今回の招致に当たり、施設は現存施設を改善することを基本としているが、新たに必要な施設は建設することになる。そうした費用と五輪開催での経済効果のバランスを調査するとみられている。
国際オリンピック委員会(IOC)は費用や会場使用については柔軟な姿勢をみせている。最近は招致に乗り出す都市が少なく、現時点で2026年に興味を示しているのはカルガリーのみ。莫大な費用が掛かる上に、それほど経済効果がない場合もあることから、そうした費用を2週間のスポーツの祭典に費やすのではなく、市民の生活に根付いた問題に費やすことを求める市民の声が大きくなってきたことも要因となっている。
市議会で調査続行は決まったが、市民の意見は現在のところ2分しているという。
正式な立候補提出の締め切りは2019年1月。カルガリー市は今後も調査を進めるが、正式に立候補するかどうかは今後決定するとしている。
2017年11月23日 第47号
ジャスティン・トルドー首相は15日、カナダの国連平和維持軍への貢献について、これまでの路線から変更する必要性を語った。
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で開催されていた国連と各国国防関係者が集まる会議で演説を行った首相は、カナダの平和維持軍参加について1回の派兵を200人までとし、運送、軍用ヘリコプター、輸送機の提供と、他国軍兵士の訓練などに貢献すると語り、当初の約束から規模を縮小する計画を発表した。
カナダは昨年、平和維持軍に600人の兵士と150人の警察官を派遣すると約束している。今回の発表はこれを大きく下回ることになる。
トルドー首相は、「国連の役割は重要だと認識しているし、平和維持軍の役割も重要だと信じている」としながらも、平和維持軍の役割が変わっていること、カナダ国民が理想とする平和維持軍へのカナダ兵派兵の姿は今はもう必要とされずカナダには新しいビジョンが必要と説明した。
今回のカナダ政府の対応に、国際社会からは失望の声が上がっている。カナダは国連安全保障理事会の非常任理事国入りを目指しているが、影響する可能性も指摘されている。
今回の会議では女性兵士の役割と増員の重要性も再確認された。カナダは今後、女性兵士増員への努力と、軍内部での女性兵士の権利の保護を推進していくことも発表した。
この日の会議には女優のアンジェリーナ・ジョリーさんも出席。演説を行った。
2017年11月23日 第47号
ブリティッシュ・コロンビア州新民主党(NDP)ジョン・ホーガン州首相は16日、同州バンクーバー市を訪問中のジャスティン・トルドー首相と会談し、チャイルドケアや住宅問題などで協力していくことを確認したと記者会見で語った。
特にチャイルドケアについては、NDPは1日10ドルのチャイルドケア計画を選挙公約として掲げていた。9月の予算案ではこれについて予算が充てられていなかったが、来年2月の予算案で詳細を発表するとしている。1日10ドルチャイルドケアを実現するには年間15億ドルが必要となる。これをどこから調達するのかは現在のところ明らかにしていない。
今回のトルドー首相との会談で、チャイルドケアについて連邦政府から何らかの形で支援を受けるとみられているが、詳細はこの日の記者会見では発表されなかった。
この他にも、住宅問題や、薬物問題、環境問題、それに今夏BC州を襲った山火事被害についても連邦政府の支援について話し合ったと語った。またキンダーモーガンパイプラインへのBC州の立場も明確にしたとも語っている。
2017年11月23日 第47号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで、最も往来の激しい病院のひとつであるバンクーバー総合病院が面する通りに、自転車専用道路が設けられる。
これは『健康区域(Health Precinct)』と名付けられた道路整備計画の一環で、キャンビー通りとオーク通りの間の10番アベニューに、分離帯によって区切られた自転車専用道路が設けられる。工事は今月から始まり、来年の6月の竣工を予定している。
この計画に対しては、BC州障害者協会のように歓迎しない意見もある。しかしバンクーバー市交通計画室によると、自転車利用者の実に60パーセントが、このエリアを通過しているという。そのため、総合病院周辺の歩行者や自転車など交通弱者の安全性向上が求められていると説明している。また、この整備計画策定にあたっては、様々な利用者からの意見も取り入れた十分なコンサルテーションも行われたという。