2017年11月23日 第47号

 ジャスティン・トルドー首相は15日、カナダの国連平和維持軍への貢献について、これまでの路線から変更する必要性を語った。

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で開催されていた国連と各国国防関係者が集まる会議で演説を行った首相は、カナダの平和維持軍参加について1回の派兵を200人までとし、運送、軍用ヘリコプター、輸送機の提供と、他国軍兵士の訓練などに貢献すると語り、当初の約束から規模を縮小する計画を発表した。

 カナダは昨年、平和維持軍に600人の兵士と150人の警察官を派遣すると約束している。今回の発表はこれを大きく下回ることになる。

 トルドー首相は、「国連の役割は重要だと認識しているし、平和維持軍の役割も重要だと信じている」としながらも、平和維持軍の役割が変わっていること、カナダ国民が理想とする平和維持軍へのカナダ兵派兵の姿は今はもう必要とされずカナダには新しいビジョンが必要と説明した。

 今回のカナダ政府の対応に、国際社会からは失望の声が上がっている。カナダは国連安全保障理事会の非常任理事国入りを目指しているが、影響する可能性も指摘されている。

 今回の会議では女性兵士の役割と増員の重要性も再確認された。カナダは今後、女性兵士増員への努力と、軍内部での女性兵士の権利の保護を推進していくことも発表した。

 この日の会議には女優のアンジェリーナ・ジョリーさんも出席。演説を行った。

 

 

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