2017年11月16日 第46号

 連邦政府は育休期間を18カ月に延長すると10日、発表した。ただ育休期間中の給付金については増額されない。

 これまでは12カ月だった育休期間が今年12月3日から18カ月まで可能となる。しかし、その間の給付金総額は12カ月間と同額のまま。つまり、18カ月の育休を取れば月々の受給額は減少する。

 カナダ政府ジャンイヴ・デュクロ家庭・子供・社会開発相は、国民の生活形態の変化に合わせて選択肢を増やすことが必要と語り「それぞれの家族が自分たちで自分たちに合った形を選択できるようになった」と記者会見で述べた。

 子育てに関する改革については自由党の選挙公約のひとつ。ただ、今回の変更は国民にとって大きな助けとはならないのではと専門家は語っている。

 その理由に、給付額の据え置きと、対象者が銀行や通信事業関連企業、公務員など連邦関連機関や企業に限定されることをあげている。給付金は現行のままで、12カ月の場合は平均収入の約55パーセント、18カ月の場合は約33パーセントとなる。また、国民の多くは州政府制度が適用される機関や企業で働いているため、今後州政府が追従するかがカギとなる。

 また中小企業側からの意見として、18カ月の育休を取得されることで、その間の従業員の補充、もしくは、補充せずに他の従業員が埋め合わせをするという状況で、中小企業の経営が成り立つのかを心配する声もあがっている。

 

 

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