2017年11月23日 第47号

 ユーコン準州中部から、ノースウェスト州北部まで続く国道8号線、通称デンプスター・ハイウェイは、今まで人口約3500人の町イヌビックが、その北限だった。マッケンジー川に面したこの町から、この川が北極海に注ぎ込む河口沿岸にある村トウクトヤトウクまでは、冬季に限り凍った川に作られる『アイス・ロード』を利用して、車での行き来が可能だった。

 そんな最果ての町トウクトヤトウクの住民にとって、通年利用できる道路の開通は40年来の悲願だったと、同村村長ダレル・ナソガルアクさんは取材に語る。そして15日、その願いが、ついにかなうことになった。

 この道路の計画が最初に話題となったのは、1960年代のことだった。そして1974年には、道路工事に向けた調査が始まった。ノースウェスト準州政府が道路計画を申請したのが1998年で、その後の先住民や地元経済界も巻き込んだ地道な陳情活動の結果、2009年に連邦政府が2億ドルの予算を承認した。実際の建設が始まったのは2014年のことだった。

 振り返ってみれば長い道のりだったが、その分地元でも準備をするのに十分な時間が持てたと、ナソガルアク村長。地元では、道路開通が環境やコミュニティに及ぼす影響について検討してきた。民宿は宿泊者増にそなえて部屋数を増やし、村ではRVパークや公衆トイレの整備などを行った。地元から遠く離れたある企業からは、町の外観整備のために、と外壁用塗料2千缶が寄付された。

 また安定した物流が実現することから、同村の生活必需品などの物価が年間で150万ドルほど抑えられるとの試算も出された。これは同村の人口一人当たり1500ドルの節約になるという。

 

 

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