2017年11月9日 第45号
ドイツの自動車メーカーBMWが、配線の不具合などからエンジンルームから出火の恐れがあるとして、北米で販売された特定の車種をリコールすると3日、発表した。
リコールは2つあり、北米全体でおよそ100万台が対象になると同社では話しており、リコール対策がなされるまでは車を屋外に駐車するよう呼び掛けている。また他国で販売された車にも波及する可能性もあるという。
ひとつ目のリコールは、2006年から2011年モデルまでの3シリーズが対象。ヒーターやエアコン制御のための配線に不具合があり発熱、最悪の場合出火する恐れがある。これが原因とみられる損傷が最初に報告されたのは2008年だった。しかしこの時には原因が特定できず、BMWではそれから同様の損傷がオーナーから報告されるかどうかを継続調査していた。2015年になって、けがを伴う3件の故障が報告されたのに続き、今年9月にも2011年モデルの3シリーズで同様の事故が起こった。
ディーラーで該当する配線を交換するほか、場合によっては追加のパーツを装着することになる。
二つめのリコールは、2007年から2011年モデルの3シリーズ、5シリーズ、X3、X5、Z4のほか一部の128iモデルで、6気筒エンジン搭載モデルが対象となる。エンジンのクランクケース内に溜まる燃焼ガス(俗にブローバイガスと呼ばれる)を排出、再燃焼にまわすパイプに付属しているバルブを、気温が低いときの凍結から守るヒーターが異常加熱し溶かしてしまうという不具合。その結果、エンジンが停止している状態でも出火する危険性もあるという。
2009年に2007年モデルのX5で、この不具合が原因とみられるエンジンルーム内の損傷が報告されて以来、何件かの類似の事故が報告されているが、けが人などは発生していない。対策として、バルブヒーターを交換する。
カナダ国内では、およそ1万5千台が対象となる。
(リコールの詳しい内容については、カナダ交通省のリコール検索サイト(『TC』『recall』で検索)で、メーカーにBMWを指定して検索。)