2017年10月26日 第43号
ブリティッシュ・コロンビア州南東部、アルバータ州との州境に近い人口5千人ほどの町ファーニーで17日 、 ア イ ス ア リーナでアンモニア漏れが発生、作業中の3人が死亡する事故が起こった。
当時、アイスリンクでは製氷装置のメンテナンスが行われていた。午後1時過ぎに通報を受けた消防隊員が現場に駆けつけた時には、倒れていた3人のうちひとりに蘇生術が施されていた。隊員は安全確保のためアリーナから全員を避難させ、さらに近隣住民の約60人に対しても万が一に備え避難するよう求めた。
死亡した職員のうち2人は地元出身。ウェイン・ホーンキストさん(59歳)は同アリーナの運営責任者で、つい最近勤続25周年を表彰されたばかりだった。スケートリンクの表面を滑らかに整備する整氷車ザンボーニの運転では、他の人より1周少ないうちにリンク全体の整備を完了できることを自慢していたという。もうひとりは、この2年間同町のレクリエーション課長を務めてきたロイド・スミスさん(52歳)。パートタイムの救急隊員でもあったスミスさんは、アルバータ州カルガリーの南にある町ハイリバーの出身。スティーブン・ハーパー前首相夫人はツイッターで、自身がハイリバーにいた頃スミスさんとは幼なじみで、彼からハイリバーのスケートリンクでザンボーニの運転を習ったことがあると書き込んでいる。
3人目の犠牲者は、スケートリンクの製氷設備会社のカルガリー支店に勤める、ジェイソン・ポロスキーさん(46歳)だった。
18日に記者会見を開いたメアリー・ジウリアーノ町長は、ファーニーはよくまとまったコミュニティで、その中の2人を失ったことに町全体がショックを受けていると語っている。またどんな職場や作業環境であれ、働く人とその家族が安全性に不安を持つようなことがあってはならないと付け加えている。
製氷装置の冷媒として用いられるアンモニアは、通常はそのシステム内に液体として閉じ込められているが、一旦空気中に放出されると気化する。気体は無色で吸い込むと呼吸困難や肺浮腫を引き起こす。症状は吸い込んだ後何時間かして悪化することもある。
ファーニー町役場は20日、業務を休んで喪に服し、犠牲者に哀悼の意を表した。