2017年10月19日 第42号

 ノバスコシア州の漁港で、先住民が所有するロブスター用の漁船が盗まれ放火される事件が9日、起こった。この地域での先住民の漁業に反感を持つ何者かによる仕業ではないかとみられている。

 事件が起こったのは、同州西端の漁港コモービル。漁船の持ち主アレックス・マクドナルドさんは、先住民であるなしに関わらず、自分の漁師仲間はこんなことはしないと取材に話している。マクドナルドさんはまた、1週間前には乾ドックに入っていた先住民ではない漁師の漁船が放火される事件が起こったことに触れ、何者かが両者の間の対立を煽っているようだと付け加えている。

 カナダ最高裁は1990年に、先住民が食用の他、社交や儀式用に漁をする権利を認める判決を出している。さらにこの権利が、資源保護に反しない限り他の漁業者のものよりも優先されることも認めた。その一方、そうして獲られた魚の商業販売は禁止されている。しかし今回の事件が起こった漁港が面するセント・メアリーズ湾では最近、明らかにこの権利に違反した操業が行われていることをカナダ漁業海洋省が把握、取り締まりを強化しているところだった。

 マクドナルドさんは9日、埠頭に係留していた自分の船の状態を確認しに行ったところ、とも綱が焼ききられて船が盗まれているのを発見した。その日遅く、漁業海洋省からマクドナルドさんの船が沖合いで炎上しているとの連絡を受けた。彼の船は岸辺に曳航される前に沈没した。

 漁船は自分にとって生計を支えるもので、つい最近トランスミッションの交換に7300ドルもつぎ込んだところだったと嘆いている。

 現地では最近、先住民ロブスター漁の優位性に不満を呈する声が高まっている。先月には、先住民漁師をインターネット上で恐喝した罪で2人の非先住民の男が逮捕されている。さらにはいくつかの漁業省事務所の前に非先住民漁師のグループが押しかけ、先住民漁師がその権利を濫用し、5月31日に漁期が終わった後もロブスターを獲りつづけるなどしていると、抗議する姿もよく見かけられるようになった。

 

 

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