2018年6月21日 第25号

 CFL(カナディアンフットボールリーグ)が6月14日に開幕した。ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーを本拠地とするBCライオンズは、モントリオール・アロエッツをホームに迎え16日に開幕した。

 2万182人のファンが詰めかけたライオンズの開幕戦は22―10の快勝だった。先制のタッチダウンこそ許したものの、第2クオーター以降はディフェンス陣が踏ん張り無失点。それに攻撃陣が応えた。先制タッチダウンを許した第1クオーターではすぐにタッチダウンを決め、点差を大きく開かれることなく8―10で第1クオーターを終えた。

 試合を確定したのは第4クオーター。第3クオーターに12—10と逆転に成功すると、第4クオーターには、フィールドゴールを決め15―10に引き離し、8分にはタッチダウンで試合を決めた。

 この日の先発クオーターバックはジェニングス。昨季はケガのため思うような試合運びができなかったものの、今季はルーレイのいなくなったライオンズで、正QBとしてチームを率いる役目を担っている。

 他の試合では、6月14日エドモントン・エスキモーズがウィニペグ・ブルーバマーズに33‐10で、6月15日サスカチュワン・ラフライダーズがトロント・アーゴノッツに27―19で、カルガリー・スタンピーダーズがハミルトン・タイガーキャッツに28―14で勝利している。

 

サックを決めるライオンズLBロコンボ。6月16日、BCライオンズ対モントリオール・アロエッツ、BCプレース。Photo by Preston Yip

 

 

2018年6月21日 第25号

 ケベック州モントリオール近郊で、50羽のカナダガンの死体が川に浮かんでいたのが発見された。専門家は、雷に打たれたのが大量死の原因だと推測している。

 死体が発見されたのは14日朝のことで、モントリオール北東にある、セントローレンス川に面したコントルクール付近。死因の調査を依頼されたモントリオール大学の獣医ステファン・レアさんは、死んだカナダガンの心臓に小さな損傷があることを確認、雷に打たれた可能性を指摘している。

 また、どの死体も腐敗の進行具合が同程度であることから、すべてのカナダガンが同時に死亡したとみられ、水質汚染による中毒や病死の可能性はないとしている。

 死体が発見された地域では、局地的な嵐が観測されていた。レアさん自身、鳥が落雷によって死亡する報告例を読んだことはあるが、実際に見たことはこれが初めてだと、取材に語っている。一般的に鳥が感電死する原因は、嵐の中を飛んでいる最中に雷に打たれたり、電線に止まっていて感電したりすることがほとんどで、今回のように水面に浮かんでいた鳥が一度に50羽も死亡する例は珍しいとしている。また雷に打たれた場合、その箇所に小さな火傷の痕ができるのが普通だが、今回は川の水が伝導体となり、落雷した雷の電圧を広範囲に伝播させたため、多くのカナダガンが外傷もなく感電死したのだろうと話している。

 

 

2018年6月21日 第25号

 マニトバ州の人口8500人あまりの町ドーフィンの高校が、出席率が高い生徒に様々な賞品を与えるプログラムを行っている。年間の高出席率者が抽選で手に入れられる最高の賞は、なんと本物の車。このプログラムのおかげで、出席率は飛躍的にに向上したという。

 ドーフィン地域総合セカンダリー・スクールでは4年前から、月間賞や年間賞など様々な特典で、生徒の出席率向上を目指してきた。その理由を教師の一人は、生徒が学校で過ごす時間が増えれば増えるほど、学校側が生徒に提供できる教育や指導の質が上がり、ひいては生徒の将来の可能性も広げられるからだと説明している。

 最初に始まった月間賞ではiPadやGoPro、商品券などが賞品となり、一週間の無欠席を達成すれば、その抽選券が得られる仕組みだった。さらに学校の秘書が、このプログラムを本格的なものにするためにと、年間賞としてBMWの中古オープンカーを寄付した。

 これには全校生徒が沸き立ち、みなが抽選資格を得ようと学校に通いつづけた。実際のところ、このプログラムが始まってから出席率は20パーセントも向上したという。

 翌年からは、地元の自動車ディーラーが年間賞の車を寄付するようになった。今年の賞品、ピックアップトラックの2004年型シボレー・アバランチを7日に獲得したのは、10年生のザック・ザルバ君。まだ免許は持っていないが、この夏には取得して早く運転したいと取材に語っていた。

 また来年の年間賞となる、ジープ・グランドチェロキーもすでに寄付されており、新学期からは学校の正面入口脇に展示されるという。ザルバ君は、全校生徒がこのために登校しているようなものだと話していたが、ちゃんとした目的を持って学校に通うのは良いことに違いない。

 

 

2018年6月21日 第25号

 犬食文化の残る韓国で、食肉用として屠殺される運命にあった犬50匹がカナダに送られ、ペットとしてのリハビリを順調に受けている。

 世界的な動物福祉団体ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(HSI)が救出したのは、テリア雑種やラブラドール系、また韓国原産の珍島犬系など、食用として飼育されていた犬。オンタリオ州トロント市に到着した後、先週ケベック州モントリオール市の動物用避難シェルターに落ち着いた。

 同団体によると、これらの犬は養犬施設で鉄製の檻に閉じ込められ、水をはじめ十分な食料などを与えられない劣悪な環境に置かれていたという。モントリオール市のシェルターでは、皮膚や目の感染症のほか、毛の手入れと寄生虫除去などの手当てを受けている。

 これらの犬は、養犬施設の中で生まれてからずっと自由を奪われてきたが、ここでペットとしてのリハビリとして獣医ケアや十分なエサを与え、人間からの愛と心遣いに接していると、HSIのエグゼクティブ・ディレクター、レベッカ・アルドワースさんはメディアの電話インタビューに語っている。

 またアルドワースさんによると、これまでの逆境にもかかわらず、犬たちは人間を信頼するようになってきており、里親へ引き渡せる日も遠くないと付け加えている。

 同団体はこれまでに、のべ1300匹以上の犬をカナダをはじめアメリカ、イギリスへ搬出してきた。韓国内にも、こうした犬のための避難シェルターは存在するものの、すでに収容能力の限界にきていることと、韓国内では食用に育てられた犬を蔑視する風潮もあるため、海外への搬出を継続しているという。

 韓国内では近年、犬食文化を見直す機運が高まっており、同団体は養犬業者に対し、業種転換のための補助金を支給、養犬業界の縮小を目指す活動も行っている。

 

 

2018年6月14日 第24号

 カナダのケベック州シャルルボワで8日から開催された主要7カ国(G7)首脳会議が9日に閉幕。7カ国で署名する首脳宣言に米国ドナルド・トランプ大統領が承認しないという異例のG7となった。

 トランプ大統領は7カ国中最後にカナダ入り。今回が大統領に就任して以来、初のカナダ訪問となったが、9日の閉幕を待たずに途中退席して帰国。1泊だけという駆け足のG7となった。

 議長国カナダのジャスティン・トルドー首相は、今回の議題に、幅広く成長が期待される分野への投資、将来的な雇用問題への準備、気候変動・海洋汚染・クリーンエネルギーへの取り組み、性別による平等性と女性の権利、安全で平和な世界の構築を掲げていた。

 しかしアメリカ以外の6カ国の最大懸念材料は、アメリカによる鉄鋼・アルミニウムへの6カ国に向けた高関税だった。

 トランプ政権は、5月31日にこれまで免除していたカナダ、欧州、そしてG7には参加していないメキシコにも、鉄鋼で25パーセント、アルミニウムに10パーセントの関税を上乗せすると発表。特にカナダは大部分をアメリカに輸出しているため、打撃が大きく、今回のG7でもトランプ大統領との直接対談で説得するとみられていた。

 しかし結果は期待通りとはいかなかった。9日、閉幕後の記者会見でトルドー首相は、先週アメリカのテレビ局で語った「正直侮辱的だ」とのカナダの見解を改めて示し、「我々カナダは、丁重で、理性的だが、決して言いなりになるつもりはない」と語り、国民の利益のために必要なときは立ち上がると今回、高関税措置についてはアメリカとの対決姿勢を鮮明にした。

 トランプ大統領は9日ツイッターで、自分が退席した後にトルドー首相が記者会見で語った言葉を非難。結局、トランプ大統領がG7首脳宣言を承認しないという異例のG7の幕引きとなった。

 また海洋汚染対策として議題に挙がったプラスチックごみの削減目標については、アメリカと日本が署名を拒んだため、5カ国とEUのみで承認した。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。