2018年6月21日 第25号
犬食文化の残る韓国で、食肉用として屠殺される運命にあった犬50匹がカナダに送られ、ペットとしてのリハビリを順調に受けている。
世界的な動物福祉団体ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(HSI)が救出したのは、テリア雑種やラブラドール系、また韓国原産の珍島犬系など、食用として飼育されていた犬。オンタリオ州トロント市に到着した後、先週ケベック州モントリオール市の動物用避難シェルターに落ち着いた。
同団体によると、これらの犬は養犬施設で鉄製の檻に閉じ込められ、水をはじめ十分な食料などを与えられない劣悪な環境に置かれていたという。モントリオール市のシェルターでは、皮膚や目の感染症のほか、毛の手入れと寄生虫除去などの手当てを受けている。
これらの犬は、養犬施設の中で生まれてからずっと自由を奪われてきたが、ここでペットとしてのリハビリとして獣医ケアや十分なエサを与え、人間からの愛と心遣いに接していると、HSIのエグゼクティブ・ディレクター、レベッカ・アルドワースさんはメディアの電話インタビューに語っている。
またアルドワースさんによると、これまでの逆境にもかかわらず、犬たちは人間を信頼するようになってきており、里親へ引き渡せる日も遠くないと付け加えている。
同団体はこれまでに、のべ1300匹以上の犬をカナダをはじめアメリカ、イギリスへ搬出してきた。韓国内にも、こうした犬のための避難シェルターは存在するものの、すでに収容能力の限界にきていることと、韓国内では食用に育てられた犬を蔑視する風潮もあるため、海外への搬出を継続しているという。
韓国内では近年、犬食文化を見直す機運が高まっており、同団体は養犬業者に対し、業種転換のための補助金を支給、養犬業界の縮小を目指す活動も行っている。