2018年6月14日 第24号
米国ドナルド・トランプ大統領がジャスティン・トルドー首相に向けて放った攻撃的な内容のツイートや、10日にアメリカのテレビ局FOXの番組に出演した国家通商会議委員長ピーター・ナバロ氏が、トルドー首相の記者会見での内容に対して、「部屋から出て行こうとする(トランプ大統領の)背中にナイフをつきさすようなものだ」と強い口調で非難し、「(トルドー首相は)地獄の特別室がふさわしい」と語った。
これに対して、11日のカナダ国会では、野党保守党、新民主党(NDP)からも、トルドー首相がカナダ国民のためにトランプ大統領にカナダの主張を通した、と全面的にトルドー首相の主張を支持することで全会一致。「カナダ国民が力を合わせて立ち向かっている時に、トランプ大統領は孤立している。アメリカの政治家や友人たちは、隣人であり最大の同士であるカナダに対するトランプ大統領の言動に強く反発している」とNDPルース・エレン・ブロソー議員が語った。
ナバロ氏の発言について、カナダ側はクリスティア・フリーランド外相が10日に記者団に対応し、「他国との関係を築くときに、感情に訴えた攻撃は適切で効果的とは思っていない」と語り、「我々はこれまで通り、事実に基づいて交渉を続けていく」と語った。トルドー首相は、この件について無言を貫いた。
ナバロ氏は12日、アメリカ国内からも批判の声が相次いだことで、トルドー首相に対する発言について、テレビ番組で「言葉の選択が間違っていた」と謝罪した。