2018年6月21日 第25号

 ケベック州モントリオール近郊で、50羽のカナダガンの死体が川に浮かんでいたのが発見された。専門家は、雷に打たれたのが大量死の原因だと推測している。

 死体が発見されたのは14日朝のことで、モントリオール北東にある、セントローレンス川に面したコントルクール付近。死因の調査を依頼されたモントリオール大学の獣医ステファン・レアさんは、死んだカナダガンの心臓に小さな損傷があることを確認、雷に打たれた可能性を指摘している。

 また、どの死体も腐敗の進行具合が同程度であることから、すべてのカナダガンが同時に死亡したとみられ、水質汚染による中毒や病死の可能性はないとしている。

 死体が発見された地域では、局地的な嵐が観測されていた。レアさん自身、鳥が落雷によって死亡する報告例を読んだことはあるが、実際に見たことはこれが初めてだと、取材に語っている。一般的に鳥が感電死する原因は、嵐の中を飛んでいる最中に雷に打たれたり、電線に止まっていて感電したりすることがほとんどで、今回のように水面に浮かんでいた鳥が一度に50羽も死亡する例は珍しいとしている。また雷に打たれた場合、その箇所に小さな火傷の痕ができるのが普通だが、今回は川の水が伝導体となり、落雷した雷の電圧を広範囲に伝播させたため、多くのカナダガンが外傷もなく感電死したのだろうと話している。

 

 

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