2018年12月13日 第50号
ブリティッシュ・コロンビア州内陸部の最大都市、人口11万7千人ほどのケロウナ市が、ヨーロッパからの移民が入植し始めた頃に建てられたログハウスの保全を決定した。
このログハウス『フレミング・ハウス』は、1871年にフレドリック・ブレントさんによって建てられたものだが、最近火事で大きな損害を受けた。
2階建てのこの家は、人力で切り出された幅が約35センチ、厚さ約17センチのログが使われている。またブレントさんは、BC州で最も古い製粉所も建てている。
その後所有者が何回か変わっているが、1900年には外壁材(サイディング)としっくいの壁が追加された。さらに裏庭には屋根付きの物置スペースが、またポーチとベランダ、レンガ造りの煙突2本も新たに加えられた。
そして1908年にウィリアム・フレミングさんが家と製粉所を購入。時代は下って2002年には、家と製粉所の両方とも同市のヘリテージパークに移築された。しかし今年の夏、家の横で行われていた料理の火が燃え移り、特にサイディングと内装に大きなダメージを受けた。
セントラル・オカナガン歴史協会のドン・ノックスさんは、この製粉所は当地で最初の企業であり、さらに当時の様子を物語る貴重な史跡であると解説、その保全はケロウナ市の歴史保全の観点から重要だと語っている。当時、製粉所には各農家が自分の農地で収穫された小麦などを持ち込み製粉するかたわら、久しぶりに会った仲間と情報交換や、おしゃべりをする場所になっていたという。
ケロウナ市議会は今月初旬、家をとりあえず風雨から守るための屋根の補修費として、2万9千ドルを支出することを僅差で可決した。
2018年12月13日 第50号
ノバスコシア州ハリファックス郊外で9日夕方、車が盗まれたとの通報が警察に入った。
届を出した女性は、仕事に向かう前にヒュンダイのSUV、サンタフェを駐車場に止めてしばらくの間車から離れていた。この時、彼女が止めた隣には同じ色(白)のサンタフェが、偶然止まっていた。
彼女は駐車場に戻るや否や、自分のサンタフェがなくなっていることに気づき、警察に連絡した。しかし実際には、彼女の横に止まっていたサンタフェのドライバーが、誤って彼女の車に乗り込み走り去ったということが、そのあと明らかになった。このドライバーは女性に車を返すとともに、ガスも満タンにしていたという。
警察によると、駐車場に止まっていた時には2台ともエンジンは停止していた。型式は2016年と2017年のサンタフェだが、おそらくキーレスエントリーシステムの不備で、こうした『勘違い』が起こってしまったのではないかとみられている。
2018年12月13日 第50号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島のビクトリア市で7日、検問をしていた警察官に免許証提示を求められたドライバーが、免許証ではなくハンバーガーを差し出した。
ビクトリア市警察のツイートによると、このドライバーはかなり酩酊状態だったようだ。車を停止させるよう誘導していた警察官をもう少しでひきそうになったり、呼気検査もできないほどだったという。
BC州では先月末より、年末の交通取り締まり強化期間(Counter Attack)が始まり、飲酒運転を重点的に取り締まっている。保険会社のICBCによると、バンクーバー島では年間平均で10人が飲酒運転によって死亡している。
2018年12月6日 第49号
ジャスティン・トルドー首相は11月30日、アルゼンチンのブエノスアイレスでアメリカのドナルド・トランプ大統領、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領と北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新貿易協定「アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に署名した。
同地で開催されている20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)期間中という異例の署名式となった。
3首脳共同記者会見でトルドー首相はトランプ大統領に向け、「数日前にトランプ大統領と議論した通り、今回のゼネラル・モーターズが発表した工場閉鎖計画は、多くのカナダ、アメリカ国民に影響を与える」と述べ、カナダ政府としてはカナダの家族やコミュニティを守るために尽力することは言うまでもないと語った。そして「ドナルド、これこそが(アメリカ・カナダの)2カ国間にある鉄鋼・アルミニウム関税の撤廃に向け努力する必要がある理由だ」とトランプ大統領に直訴した。
一部報道では、トルドー首相はアメリカから鉄鋼・アルミニウム関税撤廃の約束を取り付けられなければ新協定には署名しない可能性があるとの関係筋の話を伝えていた。
カナダ国内ではアメリカに譲歩した印象が強いUSMCAへの合意に反発する声も上がっている。特に酪農産業では、アメリカ側の強い「カナダの供給管理制度の廃止要求」に譲歩する形でアメリカからの酪農製品の輸入拡大で合意。国内の輸入シェアを3・5パーセントとしている。酪農産業からは今回の新協定に署名しないよう要求が出されていた。
トランプ大統領が就任後、NAFTAの撤廃も視野に入れた新協定の交渉が3カ国で続けられていた。今夏にはカナダ・アメリカ間での交渉が難航し、アメリカ・メキシコ間で話し合いが進むなど、カナダにとって厳しい状況が続いていた。
条約は3カ国の国会で批准される必要がある。しかし今年11月に実施されたアメリカの中間選挙で、民主党が下院の過半数を獲得、上院は共和党が過半数とねじれ現象が起こり、アメリカで批准されるかにも注目が集まっている。
2018年12月6日 第49号
カナダポストは12月1日、オンタリオ州ミシサガにある国内最大の郵便物集配センターでカナダポスト労働組合(CUPW)以外の組合員がデモ抗議をしていることについて法律違反と注意した。
カナダポストはオンタリオ州上位裁判所から集配センターへの業務妨害禁止命令が出されていると説明している。
この日は公共機関に勤める職員で構成される労働組合CUPEの組合員が、カナダ政府がCUPW組合員に対してストライキを強制的に停止する職場復帰法案可決は憲法違反としてデモを実施した。
CUPWは労使交渉の決裂を受け、10月22日からストライキを開始。24時間交代制で全国各地で約5週間にわたり実施した。しかし11月26日に職場復帰法案が可決し27日から強制的に通常業務に戻っている。現在も労使交渉は続けられている。
可決した職場復帰法ではCUPW組合員、もしくはカナダポスト側が業務を遅らせるような違法行為をした場合は、多額の罰金が科せられることが盛り込まれている。
そのため、CUPWを支援する他の労働組合が全国でデモを行っている。先週はブリティッシュ・コロンビア(BC)州リッチモンド市にある集配センターでも入り口付近の通用道路を塞いで通行止めにするなどの行為が実施されている。
カナダポストはオンタリオ州の他にもアルバータ州、BC州でも裁判所から妨害禁止命令が出ていると発表している。